Vol.07-2 イタリアのバロック音楽~二部形式ソナタ
バロック期は、鍵盤楽器の出現の時代です。はじめは声楽の伴奏に使われた鍵盤楽器でしたが、楽器の表現力が豊かになると、室内楽曲や管弦楽曲とならんで、「器楽曲~ソナタ」というジャンルを築き、声楽曲と同じくらい重要視されるようになりました。 |
D.スカルラッティ/ソナタ K.380(出版:Peters 出展楽譜:Scarlatti Sonaten II) |
A 1~4小節 明るいホ長調のシ(H)からファ(F)まで下降してくるテーマ。なんと明るくて優雅で、一度聴いたら忘れられませんね。ところがこのテーマは。再現されることはなく、(繰り返しはありますが)、どうやら、序奏のようでもあります。 |
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B 9~22小節 ポロネーズのようなリズムは、繰り返し使われて、この曲の気分を浮き立たせます。16分音符は軽くはねて、1拍目、3拍目を軽く落とすように、リズムの弾き方を統一しましょう。 |
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C 41~48小節 ロ長調(5度上)で終る前半に続き、譜例Bのリズムにシンコペーションを加え、展開部の感じです。左手は全曲を通じて4分音符の通奏低音が多く、ヴィオラ・ダ・ガンバに乗って、チェンバロの音が明るく響くイメージでしょうか。 |
クラヴィコード
バロック期以前(ルネッサンス期)に誕生した楽器。鍵盤を押すと、鍵盤の奥に縦に埋められた金属製のタンジェントという部分が上がり、弦に触れて音を出すという仕組み。音量が非常に小さく、鍵盤を押してバイブレーションを掛けると微妙に音が揺れる。チェンバロ
バロック期当時一番主流だった楽器。クラブサン(仏)ともハープシコード(英)とも呼ばれる。発弦楽器で、クラヴィコードに比べ、楽器サイズも音量も大きくなる。鳥の羽軸でできたプレクトラム(義爪)で弦をはじいて音を出す。音に強弱がつけられない。一段鍵盤よりも、二段鍵盤になっているものが多かった。(二段鍵盤を使用することで音量も上げることができた。)フォルテピアノ
フィレンツェのメディチ家所属のクリストフォリ(1655~1731)が、「フォルテもピアノも出るチェンバロ」を発明。はじめは、ギターに近い音色だったのが、ドイツやイギリスでも改良されて、広く使われるのは、ハイドン、モーツァルトの時代になる。19世紀に改良が加えられて、今日の現代ピアノが完成する。Vol.7 INDEX
2008年6月30日発行 |
特集 現代ピアノで探るバロック音楽の世界 |
イタリアのバロック音楽~二部形式ソナタ |
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フランスのバロック音楽~クラヴサン曲 |
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