今月、この曲

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チャイコフスキー:「四季」Op.376より「12月─クリスマス」 ミュージックトレード社『Musician』2016年12月号 掲載コラム

 「ねェ、ねェ、サンタさん私のお家にも来てくれるかなァ」
 きっとお母さんはこう答えます。
 「〇〇ちゃんがおりこうさんにしていたら、きっと来てくれるわ」
 「わたし・・・・おりこうだモン。ぜったい来てくれるよね」
 「来てくれるといいわねェ。でも毎日の宿題とピアノの練習をしないとダメかもよ」
 「わかってるって! さァてとピアノの練習してこようかな。ねっ、でもママァ、本当にサンタさん来てくれるよね。去年はねママは覚えてる? リカちゃん人形だったんだヨネ」
 「そうそう。覚えてるわよ! 今年は何かしらねェ。サンタさんは神様のおつかいだから、良い子の心はちゃ~んと伝わるものなのよ」
 「わァ~いじゃァサンタさんにお手紙書くね。エントツないけどどこに置いたら読んでくれるかなァ」
 「そうねどこが良いかしら。去年と同じベランダで良いかもね」
 「ウンウン、今日お手紙書こう~っと!」

 クリスマスが近づくと、自分が子供の頃から母とこんな会話をしていました。自分が母になり私の子供達ともこんな会話を何年もしていました。いつまでもサンタさんはやさしい「夢」に包まれたままでした。きっと今年もサンタさんは子供達に夢を運んで下さる事でしょう。
 クリスマスのイルミネーションがチラチラしだすと私はこの曲を思い出します。何とやさしい温かい曲なのでしょう。さっきの会話がスッポリと包み込まれるような曲です。私の持っている楽譜は小さい頃のまま黄色い帯が付いている古いものです(今もそれを使っています)。この曲をもっともっと皆様に弾いてもらいたくて、今月取り上げさせて頂きました。良いクリスマスを!!

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