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◆ 宮崎 2010年2月21日(日) 14:45~16:30
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◆ 関連HP:「親が変われば子どもも変わる」~親学のすすめ | ||||
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◆ 広島 2010年2月6日(土) 14:30~16:30
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◆ 関連HP:ピアニストが育つ家庭の3つの視点
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レクチャー
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「仙台親学レクチャー&コンサート」出演者対談


音楽を学ぶ子供たちの保護者&指導者に贈る親学コンサート。来る11月23日に乳幼児教育の第一人者である志村洋子先生(埼玉大学教育学部教授・日本赤ちゃん学会副理事長/写真左)をお迎えして、仙台で開催します。そこで、当日ピアノ演奏でご出演をされる庄司美知子先生(仙台michiステーション/写真右)より、志村先生にインタビューをしていただきました。

─ 志村先生のご経歴に、皆さん大変興味をもたれているようです。まず、乳幼児教育研究の第一人者としてご活躍されていらっしゃいますが、現在はどのようなご研究をされていらっしゃるのでしょうか?
私は乳幼児期の子どもの音楽教育、その中でも乳幼児の音声発達や歌唱行動についての研究をしていまして、大学では保育内容5領域(小・中学校での教科にあたるもの)の「表現」の授業を担当しています。この領域「表現」は、平成元年の幼稚園教育要領の改訂で、それまでの6領域のうち「絵画製作」と「音楽リズム」、ごっこ遊び、踊りや身体表現などの表現活動が再編制され創出されたものです。この改訂の背景には、子どもの発達の捉え方・子どもを見る視点が大きく変わってきた事が背景にあります。
でも、「音楽リズム」ということばを御覧になって、音楽を専門にされている方は「なぜ"音楽ハーモニー"とか"音楽メロディ"ではなく、音楽とリズムがなぜついているのだろう」と不思議に思われることでしょう。ご存知のように、小さい子どもの日々の姿には「リズム」が豊かに表出されています。まだことばを話せない喃語(なんご)期の赤ちゃんでも、音楽にあわせて足をバタバタ動かしたり、お母さんの膝の上でぴょんぴょん弾んだりしますよね。こうした姿から、リズムこそが生活の中で子どもから出てくる音楽の基盤として捉えられ、幼児教育の中でもリズムを優先して育むことが目指されてきたのです。
平成元年以降は、子どもの表現について多角度から見て、子どもの音楽的表現を受けとめ、さらにその表現を展開させていくかかわりを現場の教員は求められるようになりました。つまりこのことは、子どもが音楽を受け止めるだけの存在ではなく、すでに音楽的に表現できる人であるという発達の姿を示しています。われわれ大学の教員の仕事も、学生に音楽そのものを教え込むのでなく、子どもから出てくるさまざまな表現に気づかせて、その中から音楽的な要素を受けとめる力を養成すること、遊びの中で子どもと一緒に音楽を展開させていく力を育てることになりました。
昨年は、「保育所保育指針」「幼稚園教育要領」の一部が改訂され、子ども一人ひとりの姿に寄り添い、更にはその子どもの発達の過程を視野に入れ教師がかかわるというように、「一人ひとり」の子どもの姿を大切に見ることがさらに望まれています。ピアノを教えていらっしゃる先生方も、子どもが多くの時間を過ごしている家庭や幼稚園・保育園、小学校でどのような目標で用意された音楽教材に接し、音楽環境のなかで過ごしているかについて、考えて頂ければ有難いと思っています。
でも、「音楽リズム」ということばを御覧になって、音楽を専門にされている方は「なぜ"音楽ハーモニー"とか"音楽メロディ"ではなく、音楽とリズムがなぜついているのだろう」と不思議に思われることでしょう。ご存知のように、小さい子どもの日々の姿には「リズム」が豊かに表出されています。まだことばを話せない喃語(なんご)期の赤ちゃんでも、音楽にあわせて足をバタバタ動かしたり、お母さんの膝の上でぴょんぴょん弾んだりしますよね。こうした姿から、リズムこそが生活の中で子どもから出てくる音楽の基盤として捉えられ、幼児教育の中でもリズムを優先して育むことが目指されてきたのです。
平成元年以降は、子どもの表現について多角度から見て、子どもの音楽的表現を受けとめ、さらにその表現を展開させていくかかわりを現場の教員は求められるようになりました。つまりこのことは、子どもが音楽を受け止めるだけの存在ではなく、すでに音楽的に表現できる人であるという発達の姿を示しています。われわれ大学の教員の仕事も、学生に音楽そのものを教え込むのでなく、子どもから出てくるさまざまな表現に気づかせて、その中から音楽的な要素を受けとめる力を養成すること、遊びの中で子どもと一緒に音楽を展開させていく力を育てることになりました。


─ 志村先生が、このような分野のご研究をされた背景は、何だったのでしょうか?
私がこの分野で研究をしてきた背景についてお話しますと、私は声楽を専攻しまして、声の音色がどのように感情で変化するものか、自分の歌声を通して歌唱表現の試行錯誤をしていました。そうした中で、ある時、幼稚園児の子どもの歌声を聴く機会があり、その一人ひとりの歌声の感情性の豊かさ、声そのものの美しさに驚いたことがありました。特別な教育をしている幼稚園ではなかったので、もちろん怒鳴って歌う子も大勢いましたが...。その幼稚園と関わる中で、半年間一クラスの「歌のおばさん」をさせてもらえることになり、みんなで一緒に歌う時間を繰り返す中で、集団で歌うことを繰り返すだけでも、幼児の声の出る範囲は広がり、怒鳴らなくなり、感情表現も豊かに変容することを確かめることができました。
その後、子どもの歌声の研究を続ける中で、分析対象がどんどん年齢が低くなり、赤ちゃんの声の研究に行き着きます。研究を始めた当初は「音声の感情情報」についての研究は殆ど行われておらず、盛んに研究がされるようになったのは20年前くらいでしょうか。これはコンピュータの進化のおかげですね。それまでは音声解析の方法が十分確立されておらず、分析のしようがなかったのです。
近年、研究が進んでわかってきたことで興味深いのは、「赤ちゃんは歌っている」ということです。...と言うと皆さん「赤ちゃんが歌うんですか?」と驚かれますが、詳細に観察してみますと乳児期の後半になると、繰り返しの多い喃語が出てくるのに併せて、音楽的なメッセージ性を含んでいると思われる発声、歌っているように聴こえる発声が出てくるのです。つまり音楽的な能力というのは、単に子どもが「聴く」ことに留まらず、プリミティブながらも「表出」する面もあるということです。先ほどの幼児教育の「表現」のように、子どもから出てきたものを、もっとしっかり見ようというのが私のスタンスです。
赤ちゃんの「となえことば」的な喃語"ナンナンナンナンナンナン..."、「いつまで続くんだろう?」という発声の中に、"ナンナンナン・、ナンナンナン・"、と、「あれ、今のは4拍子にきこえるね?1拍休みが入ってる!」というような声が出てくるのです。
その後、子どもの歌声の研究を続ける中で、分析対象がどんどん年齢が低くなり、赤ちゃんの声の研究に行き着きます。研究を始めた当初は「音声の感情情報」についての研究は殆ど行われておらず、盛んに研究がされるようになったのは20年前くらいでしょうか。これはコンピュータの進化のおかげですね。それまでは音声解析の方法が十分確立されておらず、分析のしようがなかったのです。
近年、研究が進んでわかってきたことで興味深いのは、「赤ちゃんは歌っている」ということです。...と言うと皆さん「赤ちゃんが歌うんですか?」と驚かれますが、詳細に観察してみますと乳児期の後半になると、繰り返しの多い喃語が出てくるのに併せて、音楽的なメッセージ性を含んでいると思われる発声、歌っているように聴こえる発声が出てくるのです。つまり音楽的な能力というのは、単に子どもが「聴く」ことに留まらず、プリミティブながらも「表出」する面もあるということです。先ほどの幼児教育の「表現」のように、子どもから出てきたものを、もっとしっかり見ようというのが私のスタンスです。
赤ちゃんの「となえことば」的な喃語"ナンナンナンナンナンナン..."、「いつまで続くんだろう?」という発声の中に、"ナンナンナン・、ナンナンナン・"、と、「あれ、今のは4拍子にきこえるね?1拍休みが入ってる!」というような声が出てくるのです。


─ なるほど。生まれたばかりの段階で、すでに、「表現をする」という力や欲求があるわけなのですね。
赤ちゃんがさまざまな声を出し始めると、お母さん方は"ナンナンナン・"の休みの所に相槌を打つようになります。"ナンナンナン"のすぐあとに「ウン」と声をかけるんですね。すると"ナンナンナン「ウン」 ナンナンナン「ウン」"
という具合に、童謡の一部分を連想できるメロディックな流れができてきます。そうすると、お母さんは知っている曲を歌いかけたりもして、どんどん赤ちゃんの発声は活発になり、やりとりが続きます。
こうした姿を見ていますと、音楽というのは一人では成り立たないという事に気づかされます。私自身、ずっと歌ってきて感じることですが、ピアニストとのやりとりだけでなく、聴衆一人ひとりとコミュニケーションする事で音楽表現は成り立つということです。
赤ちゃんが気持ちよくご機嫌で声を出したとき、タイミングよく「そうだね、それでいいよ」と肯定のイントネーションで声をかけてくれる。私が自分のメロディに反応してくれる聴衆がいるから楽しく歌えるように、赤ちゃんも多分「ウン」って声かけしてくれるお母さんがいてこそ、励みになってどんどん声を出していくのだと思います。子どもに音楽を聴かせようと考えたとき、「何を聴かせたら情操教育によいか?」とか「どんな曲だと脳が活性化しますか?」等と効果を求め、教え込もうとしてしまいがちな現代ですが、それは一昔前の領域「音楽リズム」の発想と同じです。
また、最近の赤ちゃん研究で、赤ちゃん自身がその時がどういったシチュエーションなのかにあわせて、どんなテンポでどんな雰囲気で歌ってほしいか選別することがわかってきました。子守唄は低い声でゆっくりと、遊び歌はテンポを早くして高い声で、と。赤ちゃんが音楽にこんなに敏感だったのと吃驚されるでしょう。
赤ちゃん自身は1曲丸々歌えるわけではなく、一曲通して歌えるようになるには4歳まで待たなければなりません。例えば、團先生作曲の「ぞうさん」で、「ぞーうさん」と歌いかけると、1歳半~2歳児は「・・・ォサン」と最後のところを一緒にうたいます。また「おーはなが長いのね」と歌いかけると、子どもは「・・・ネー」と、子ども自身が覚えられる範囲を声にして表現します。こうした表現が示しているのは、足りない部分を補う、いわば歌の「拡充模倣」は小さな子どもにとって一番大事な音楽環境だと思います。

こうした姿を見ていますと、音楽というのは一人では成り立たないという事に気づかされます。私自身、ずっと歌ってきて感じることですが、ピアニストとのやりとりだけでなく、聴衆一人ひとりとコミュニケーションする事で音楽表現は成り立つということです。
赤ちゃんが気持ちよくご機嫌で声を出したとき、タイミングよく「そうだね、それでいいよ」と肯定のイントネーションで声をかけてくれる。私が自分のメロディに反応してくれる聴衆がいるから楽しく歌えるように、赤ちゃんも多分「ウン」って声かけしてくれるお母さんがいてこそ、励みになってどんどん声を出していくのだと思います。子どもに音楽を聴かせようと考えたとき、「何を聴かせたら情操教育によいか?」とか「どんな曲だと脳が活性化しますか?」等と効果を求め、教え込もうとしてしまいがちな現代ですが、それは一昔前の領域「音楽リズム」の発想と同じです。
また、最近の赤ちゃん研究で、赤ちゃん自身がその時がどういったシチュエーションなのかにあわせて、どんなテンポでどんな雰囲気で歌ってほしいか選別することがわかってきました。子守唄は低い声でゆっくりと、遊び歌はテンポを早くして高い声で、と。赤ちゃんが音楽にこんなに敏感だったのと吃驚されるでしょう。
赤ちゃん自身は1曲丸々歌えるわけではなく、一曲通して歌えるようになるには4歳まで待たなければなりません。例えば、團先生作曲の「ぞうさん」で、「ぞーうさん」と歌いかけると、1歳半~2歳児は「・・・ォサン」と最後のところを一緒にうたいます。また「おーはなが長いのね」と歌いかけると、子どもは「・・・ネー」と、子ども自身が覚えられる範囲を声にして表現します。こうした表現が示しているのは、足りない部分を補う、いわば歌の「拡充模倣」は小さな子どもにとって一番大事な音楽環境だと思います。

─ ピアノ指導をしている私たちが、特に心掛けておくべきことは、どのようなことでしょうか?

親・保護者が補いきれないことをサポートしていただきたいということです。例えば、よいところを見つけてまず褒めてあげるとか、子どもの弾くメロディに先生が歌をつけて一緒に歌ってくださるとか、レッスンの場で自分の音楽表現に自信が持て、有能感を感じる体験をすることが、特に小さい子どもには重要な気がします。また、レッスンに親・保護者を巻き込むのも効果的ですね。親が実際に弾いたり叩いたりすると意外と難しかったりして、「私はできないけどうちの子はこんな事ができるんだ」と子どもを見直す良いチャンスです。家庭でも褒める材料を見つけてもらうという意味でも、保護者を巻き込むのは大事です。
2歳・3歳の子どもにとって、自分が「表現したい音楽」を正しく表すことは難しいものです。是非お願いしたいのは、子どもの表現力を削がないためにも、指導の前提となる子どもの発達についての知識を持っていただきたいことです。子どもに接した経験が少ない先生は、発達段階を解説したビデオなどをご覧になってもよいでしょう。そうした理解に立った上で、2歳だからこれ、3歳だからこれ、というのではなくて、その子らしい表現を見つけていくという、一人一人に寄り添ったまなざしを注いでいただきたいと思います。
2歳・3歳の子どもにとって、自分が「表現したい音楽」を正しく表すことは難しいものです。是非お願いしたいのは、子どもの表現力を削がないためにも、指導の前提となる子どもの発達についての知識を持っていただきたいことです。子どもに接した経験が少ない先生は、発達段階を解説したビデオなどをご覧になってもよいでしょう。そうした理解に立った上で、2歳だからこれ、3歳だからこれ、というのではなくて、その子らしい表現を見つけていくという、一人一人に寄り添ったまなざしを注いでいただきたいと思います。
─ ありがとうございました。11月23日仙台での親学レクチャー、楽しみにしております。
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レクチャー
講師
朗読コンサート
スイミー、フレデリック ほか
朗読とピアノのコラボレーションを体験いただき、音と言語の響きの影響力の深さを感じていただきます。 | ||
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◆ 三河 2009年5月3日(日) 10:00~12:00
【音楽好きの子どもに育てる 「家庭」のあり方とは?】 ⇒当日のレポートはこちら
会場 : 刈谷市産業振興センター
実施事務局 : ピティナ三河支部 | ||
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日本財団助成事業「親学レクチャー&コンサート」第1弾
ピティナ三河支部恒例の春の講座として、今年は「親学レクチャー&トークコンサート」を開催しました。(2009年5月3日(日)刈谷市産業振興センター/日本財団助成事業)レクチャーは、ピアニストの母親でもある根津栄子先生、トークコンサートをピティナ特級グランプリの西川潤子先生にお願いしました。
先生が優しいお顔をされているのは、怒らないからなのでしょうか。「そこはピアノだって言ってるでしょッ!」ってフォルテシモで言っているお母さんには、少々耳が痛い言葉ですが、演奏も親子関係も良くなりそうですから、ここはひとつ頑張って、実生活から実践してみるとよさそうです。 また、根津先生はもちろんのこと、娘さんや生徒さんも、計画表を書いて時間を有効に使っていらっしゃるそうです。毎日お庭のお手入れから、食事の支度もきちんとして、お仕事もしっかりしていらっしゃる先生は、本当にすごいです。 綺麗にお手入れされたお庭に四季折々のお花が咲き、白いレースのカーテンのお部屋からはピアノの音色が響いてくる。(防音されていて聞こえないかもしれませんが)・・・なんて素敵な風景でしょう。 私はふと、たった1ヶ月の夏休みの計画表も守れなかった事を思い出し、私には出来ないなぁと気弱になってしまいました。
指導者とお母さん、そして子供達が、三位一体となって学べた機会となりました。あっという間の2時間で、それぞれに「もっと聴きたい!」という思いが残りました。 先生方、ありがとうございました。
(三河支部・ 柴垣公子)
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【その他親学関連レクチャー】 ◆ 東京 2009年9日27日(日) 13:30~15:00 【親が変われば子どもも変わる ~親学とは何か~】(ピティナ・ピアノ指導セミナー)
会場 : 東邦音楽大学第一講堂(短大・附属高校舎)
チケット : 一般 3,500円 会員 3,000円 問合せ先 : ピティナ東京本部 | ||
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