第04回 マズルカ第4番(4つのマズルカ Op.6より 第4曲 変ホ短調)
** 第4回 マズルカ第4番 変ホ短調 Op.6-4 **
1ページの Presto ma non troppo。演奏時間50秒足らずで駆け抜けるオベレクです。バグパイプの音色に乗って、農民たちがステップを踏みながらすばやく回転したり反転したりする様子を表しているのでしょう。 2、3拍目で交代するアクセントを置きながら、4小節フレーズの最後をスフォルツァンドが引き締めています。1小節単位でめまぐるしく動くゼクエンツでも、ショパンならではの内声の扱いによってハーモニーの色合いが見事に創り出されています。
ショパンがポーランドを離れる前の数年間、ちょうど作品6や7のマズルカと同時期に完成、出版されたピアノとオーケストラのための作品全6曲は、そのすべてがポーランド民族舞曲の要素を持っています。特に、ピアノ協奏曲第2番はマズルカ(クーヤヴィアク風とオベレク風)であることは有名です。音楽にアイデンティティーを示し、生きていくエネルギーにあふれたこれらの作品も是非聴いてみてください。
* モーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』の「お手をどうぞ」による変奏曲 Op.2(1827年)
* ポーランド民謡による幻想曲 Op.13(1828年)
* 演奏会用ロンド「クラコヴィアク」 Op.14(1828年)
* アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22(1830~34年)
* ピアノ協奏曲第1番 Op.11(1830年)
* ピアノ協奏曲第2番 Op.21(1829~30年)
東京音楽大学付属高校、同大学ピアノ演奏家コースを経て、2002年同大学院修士課程修了。在学中、特待生奨学金を得る。1997年モーツァルテウム音楽院サマーアカデミーに奨学金を得て参加、A.ヤシンスキ氏に師事。2000年卒業演奏会、讀賣新人演奏会に出演。ロンドン英国王立音楽院に奨学金を得て短期留学。2001年第25回ピティナ・ピアノコンペティション特級金賞グランプリ受賞。2002年日本フィルハーモニー交響楽団と共演。2004年、2005年アンサンブル信州in宮田と共演。これまでにヤマハ銀座店、越谷にてリサイタル開催。ピアノを神野明、加藤一郎、加藤恭子、播本三恵子、倉沢仁子、C.ベンソン各氏、室内楽を土田英介、迫昭嘉各氏に師事。現在、東京音楽大学ピアノ科助手。ピティナ主催「学校クラスコンサート」、ヤマハ主催「ピアノ名曲コンサート」で活躍中。