新年度が始まり、大型連休も終わり、そろそろ日常生活のペースも掴めてきたころでしょうか。特に進学等の大きな変化のあったお子さんはこれから新しい習い事の開始タイミングかもしれませんね。
今回は、生徒さん・保護者にとっては色々不安のある、そして、ピアノの先生にとっては工夫がたくさん詰まっている、「体験レッスン」をクローズアップ。生徒さんとピアノ教室の初めての出会いの参考になれば嬉しいです。
初めてピアノを習いに行く(体験レッスンの)前、どんなことが心配でしたか?
多くの方が「先生との相性」と「レッスン曜日・時間の希望が叶うかどうか」という点に集中していました。また、「月謝以外の費用について」「練習環境(楽器を持っているかどうか)や、楽器の購入について」の心配も一定数あります。ピアノ教室側としては、事前に解決できる要素はなるべく情報公開項目として気をつけるとよいかもしれませんね。
初めてピアノを習われる生徒さんの体験レッスン。どのようにおこなっていますか?
生徒さんの緊張をやわらげるため、様々なご挨拶の工夫から時間が始まります。
- 小さいお子さんには、まずピアノさんに「こんにちはー」とご挨拶。「こんにちはー」と言うと「ドッドドドー」とピアノが答える、というところからスタートします。(京都府/指導会員)
- 生徒さんの名前を呼び、私の名前も伝えます。通われている学校や幼稚園・保育園などのお話しだったり、気持ちを和らげるような、お話しをしながら、子供さんが積極的に話されているか?恥ずかしがり屋さんかな?!など様子を見ます。(愛知県/指導会員/濱田三佳先生)
- 初めての場所の緊張感をほぐして頂くために、保護者の方にも参加してもらい音楽に合わせて歩いたり手拍子したりします。(東京都/指導会員/萩本 亜紀子先生)
- 緊張をほぐすために、先に私が演奏し、ピアノの蓋を開けて中を見てもらうことから始めています。(東京都/指導会員/石井 及美先生)
- 初心者の場合は初級のテキストを数種類用意して どれが気に入るか?も生徒さんの様子を見て決めています。(千葉県/正会員/横山 真子先生)
- 当日お子さんの様子を見ながら、楽しかった、もう少しやりたかった程度がちょうど良いと考え、無理しないように進めています。小さいお子さんにはまずは慣れてもらう事、少し大きい生徒さんにはレッスンの中でやってみたいことや、ピアノ以外の会話を楽しみながら「どんな先生?」なのか知ってもらうように心がけています。(神奈川県/指導会員)
- お子さんが「できる!」ということを保護者が実感できた場合入会に繋がりますが、お子さんの理解が早いからと少し難しい事をやってしますと、保護者は心配になって入会に至らない、というような傾向を感じます。
レッスン内容としては、手作りの五線ボードの上に点線を書いたセロハンをつけて、線、間(せん、かん)を色別にカードゲームのようにやったりなど様々です。体験レッスンは、有料レッスンにしています。その代わり、体験レッスンを3回まで受けられるので、入会されればお得になります。 (東京都/高橋 菜穂子先生/指導会員)
- お子さんが側にいると話せないこともあるかもしれないので、事前にお電話等で「何か先にお子さんの事で気を付けてあげる事などありますか?」と保護者にお伺いしておきます。また、ご挨拶をきちんと、靴を揃えることや、レッスン前の挨拶などは、既に入会している生徒と同じように出来るようにさりげなく言葉かけをします。(島根県/住田 智子先生/正会員)
- うちの地域はご兄弟がいる場合が多く、ご一緒に体験にいらっしゃるケースが多いです。その為、弟や妹の場合は遊び道具にお手玉、マラカスなどを準備しておき、ピアノと一緒に遊ばせる(リトミック的に)家族合わせて体験レッスンにするようにします。また、お兄さんお姉さんの場合は、音楽の漫画や本を読めるように、体験に一緒に来たからには、興味があるケースが多いので、本に興味を持ってくれた上のお子さんにも質問するようにします。(東京都/鎌田 裕子先生/正会員)
また、上記には書ききれませんでしたが、多くの先生方が、「教室規約」「会則」を準備。月謝だけでなく、別途費用の掛かるイベントやレッスン(発表会やコンクール前の補講など)、また振替レッスンについてなど、入会前の体験レッスンの時点で保護者の方に説明をしています。(あわせて、前回の発表会プログラム等もお渡しする!という方も。)
また、1対1のレッスンだからこそ、
- お互いをじっくり理解するために、体験レッスンが複数回設定している。
- 体験レッスン後に30分~1時間程度、保護者の方の質問にゆっくり答えられる時間を設定している。
というご意見や、
- 他の生徒のレッスンを実際に見て頂き、何年後にこんな風に弾けるようになるんだというのを見て感じて貰います。
- 「楽しい!」はもちろんですが、さらに『ここの教室では、1年後、数年後どのくらい弾けるようになるのか』を伝えるようにしています。
など、「この教室で習った時の近い未来の姿」が想像できるように設定されている先生もいらっしゃいます。
- アンケートにご協力くださった先生方/2019年1~3月にピティナピアノ教室紹介を経由して、「初めてピアノを習う」ことになった小学校6年生以下の生徒さんの指導者
「この先生にお願いしよう」と至った決め手や、体験レッスンで嬉しかったことはなんですか?
- 子供の性格に添って優しく指導してくださり、真摯な印象を受けました。子ども自身もとても楽しめたらしく、こちらの先生に習いたいと決心しました。(小6女子・保護者)
- 子供が先生と楽しそうにピアノを触っていたこと。(年中男子・保護者)
- 子どもの気持ちをつかみつつ、できるようになるまで粘り強く教えてくださったため、たった30分の体験でもできる喜びと自信を付けていただいたと感じています。その後、子ども自身が通いたいと希望したため、他の教室の見学はせず、そのまま入会しました。(年長女子・保護者)
- 先生のお人柄・子どもとの接し方が決め手です。レッスン曜日の都合も合わせてくださり、本当に助かりました。また、お教室の発表会を見に行きましたが、先生の演奏が大変素晴らしく、ぜひ習いたいと思いました。(小2女子・保護者)
- 決め手は子ども自身が楽しんでいて、自ら『行きたい(通いたい)』と言ったためです。まだ2歳で扱いが難しかったと思いますが、嫌な顔一つせず子供のペースに合わせて教えてくださり、嬉しかったです。(2歳女子・保護者)
- 子どもが楽しそうに体験を受講していました。終了後、子どもが「また行きたい」と言ってくれたため、通うことに決めました。(年中女子・保護者)
- 本記事記載内容は、あくまでもアンケートにお答えくださった先生・保護者の一例です。
いただいたコメントを分析してみたところ、約56%が「先生が素敵だった」など「指導者」に寄ったコメントをいただいており、次いで約25%が「子どもが楽しそうだった」「子どもがまた行きたいと言った」とお子さんに寄ったコメントを書かれていらっしゃいました。(複合カウント)
保護者向けピアノを習いたい!体験レッスンに行きたい!方
先生向けピアノ教室情報を掲載したい方
会員向け既に掲載している方も、この機会にぜひ!
是非保護者が知りたい!情報を更新しましょう。
講師:渡部由記子
音楽を通じて子どもの人間力を引き出す方法とは。
ピアノレッスンを「鍵盤を正確に押すトレーニング」にせず自尊心を高め、子どもの基礎能力を高める時間にしませんか。
「なぜピアノを習うと良いのか」保護者が納得をしてくれる説明ができると、体験レッスン時のお話も弾むことと思います。
ピアノを始める子どもの保護者の皆様にも是非ご覧いただきたい内容です。