「ソルフェージュ」という言葉から、何を連想されるでしょうか?受験・音大生・和声・理論・・・と、もしかすると自分とは縁遠いと考えられる方もいらっしゃるかもしれませんが、すべてのピアノ学習者・演奏者にとって、ピアノがより楽に、より深く上達できるための必須な要素とも言えるでしょう。今回は、音楽を演奏する人にとって大切な「活きたソルフェージュレッスン」の取材レポートをお送りします。ソルフェージュには、より素晴らしい音楽を奏でるためのヒントが詰まっています。この度、ソルフェージュ指導をされている教室紹介一覧も作成しましたので、ソルフェージュ学習に興味を持たれた方は、ぜひ新しい学びの扉を開いてみてはいかがでしょうか。
ソルフェージュクラス
単旋律~二声聴音の聴音。単に書き取るだけでなく、書き取った後は和音伴奏をつけて歌い、伴奏づけの練習としても活用することもあります。
それぞれの進度に合わせて個別指導します。各自が楽典、和声の教材などに取り組
みます。
和声に取り組む生徒は、正しいだけでなくきれいな解答ができるまで取り組みます。出来上がった解答は、自分でピアノを弾き、移調奏を行いながら、和音の響きを体得してゆきます。
<新曲視唱・初級視奏>
ピアノ伴奏する人、視唱するグループに分かれ、新曲視奏・新曲視唱を行います。ハ音記号を用いた楽譜も取り入れ、読み替えの訓練も同時にされています。
- きれいにうたいましょう ソルフェージュ 応用編 上巻
- きれいにうたいましょう ソルフェージュ 応用編 下巻
- ノエル・ガロン Noël-Gallonのソルフェージュ楽譜 Vingt-cinq leçons de solfège avec accompagnement de piano 等
<リズム打ち>
右手と左手で異なる2つのリズムを打つ練習、歌いながらリズムを打つ練習を行います。通常はキーボードを使ったり、スネアドラムなど、打楽器を使うことも。
<アンサンブル初見>
モーツァルトの室内楽のスコアを用い、パートに分かれ、ピアノや電子ピアノで視奏していきます。管楽器の譜面も含まれるため、B管、Es管などの譜面を読み替えて演奏する生徒も。
単旋律~四声などの聴音。名曲(スコア)の聴音も時々行います。書き取った後は和音伴奏をつけて歌い、伴奏づけの練習としても活用します。
私の教室では和声感を身に着けることを、何より重要視しています。分析をわざわざ紙の上でしなくても、感覚的に和声が分かり、それに基づいた色彩感あふれる演奏ができるようにするためです。ソルフェージュや楽典の勉強が頭でっかちのものとは ならないで、多彩な音楽表現のための理論の引き出しをなるべく多く作れるためのものにできるように、これからも音楽教育に携わっていきたいと思っています。
ソルフェージュレッスン
(基礎クラス)
(アシスタント:小林まりな先生)
他の人が宿題で作ってきた楽譜(伴奏付きメロディー聴音、2声聴音課題など)を見て、皆の前で順番に演奏する。(レッスン前に電子ピアノ+ヘッドホンで少しさらっておく)
- 弾く人:単に楽譜通りに音を出すだけでなく、いかに音楽的に弾くか
- 聴く人:調性、拍子、曲の形態について聴いて答える
- 聴いている課題作成者:自分の課題を弾いてもらった感想を言う
これまで毎回のレッスンで配布されていた新曲視唱や新曲視奏などの課題(佐々木邦雄先生が作曲)を、楽譜に書き直し、できれば伴奏を変えたり、移調したりと編曲を加えて、音楽的に演奏する。
昨年はヤマハミュージックメディア「譜めくりのいらないピアノ連弾Vol,3」を使用されていたが、今年は佐々木邦雄先生の伴奏楽譜を活用した、音楽之友社「ブルクミュラー25の練習曲」を使って毎月1~2曲ずつ全員でアンサンブル演奏。この日の課題はブルグミュラー「やさしい花」。通常のソロ演奏に加え、佐々木先生の作曲された連弾伴奏をプラスし、パートごとに分かれて、各席の電子ピアノで一斉に合奏する。講師の指揮や指導が入ることで、みるみる曲が立体的になっていく。
今回はあえて時間制限を設け、課題ごとに1分や2分ずつに区切って、時間内でどれだけ出来るか。
斉唱で皆で音楽的に歌う。講師の指導で、発想記号の意味、ブレスの位置など確認しながら、どんどん表情豊かな歌になる。この課題には伴奏が付いているので、伴奏も各席の電子ピアノで初見演奏し、片手づつ⇒両手⇒弾き歌いまで行う。
- 片手パートを両手で弾く(皆で一斉に左手・右手パートに分かれて電子ピアノで演奏)
- 2人一組でコードネームを分析⇒演奏を聴きながら確認していく。コードを意識し、ペダリングにも注意する。
まずはメロディーのみ聴いて全体の流れを把握する。続いてメロディーを弾きながら伴奏をイメージ、さらにコードを弾き、最後に佐々木先生の作った模範伴奏譜を視て演奏する。これにより、メロディーと伴奏を同時に考えることは創作の基本であることを理解する。
伴奏付け課題
模範解答
課題は「伴奏付きメロディー」「伴奏付きリズム」「単旋律、2声の複旋律聴音」をはじめ、「3声体」や「4声体」さらに「曲聴音」まで様々なタイプの出題を行う。レッスン内では、音楽を聴いて、譜割りまでしておき、あとは家で録音を聴いて書き取りの練習をする。レッスンの順序は、毎回入れ替えるため、聴音を重点的に最初に行うレッスン回もある。
上野学園大学 ソルフェージュクラス
(演奏家コース3年生対象)
「コラール名曲集」(全音楽譜出版)より毎週1人1曲ずつ演奏します。ピアノ専門生は移調して弾くことを求められます。
ノエル・ギャロンの《15 Lecons 5 Cles: Avec Acompagnement》を視唱し、その後分析をして曲の構造に即した演奏法を考察します。
拍子、テンポ、調の確認、どこで転調し、終止しているのか、楽語の意味などを生徒さんたちに確認していきます。また、伴奏となった生徒さんにはうまく歌を導入するタイミングの取り方なども指導します。
コレッリのトリオソナタ、ヘンデルのフルートソナタ、バッハのカンタータのアリアなど、親しみやすい名曲集のアンサンブルなど、出席学生の楽器編成に応じて選曲します。
生徒自身にテンポを決めさせ、アンサンブルがはじまります。
一度、通した後に「さらに良いものにするにはどうすればいい?」と生徒に問いかけ、テンポのこと、チェロパートをピアノで弾くならもっとレガートに、フルートは音域の高低で音色がかなり違うので、音が小さいときにはピアノも音を絞って、テンポを決めるときには一番細かい音符をベースに考えて、などアンサンブルの基本となるアドバイスも多くされます。
そのアドバイスをもとに、再度通して演奏し、最初の演奏との違いを体感します。
楽譜通りの演奏ではなく、その一歩先のイメージを持つことが1クラス上の演奏につながるのではないでしょうか。そのためにも楽譜のルールを知り、ピアノを知り、他の楽器を知ることは財産になるはずです。
(ピティナでは仲介・紹介はいたしませんので、参考情報としてご覧ください)
氏名 | 住所 | 備考 |
---|---|---|
石幡 万里 | 宮城県仙台市 | 個人レッスン・受験生対応可能・楽典 |
小崎 光洋 | 茨城県つくば市&水戸市 | 音大受験対応可能。 |
廣田 はる香 | 栃木県宇都宮市 | 月に2回(土曜又は日曜)中高生を対象に、基本は個人レッスンで楽典・聴音・視唱を中心に、個々の状況に応じて和声、作品分析、視奏、音楽史などを追加。受験生対応可能。 |
赤羽 陽子 | 東京都三鷹市 | 小中学生はレベル別のグループレッスン、受験生は個人レッスン。 |
奥田 美穂 | 東京都杉並区 | 初級からから大学院受験まで対応。音楽理論、ソルフェージュ全般(聴音、視唱、視奏、リズムなど) |
ロドリゲス ありさ | 東京都渋谷区 | ソルフェージュ、聴音、楽典等、完全個人レッスンで小学生から受験対策まで対応。 |
前田 華子 | 大阪府豊中市 | 個人レッスン、グループレッスン、共に対応可能。聴音、楽典を中心に基礎から音大受験まで対応可能。 |
大田 いづみ | 兵庫県明石市 | 土日に、個人、少人数のグループ。レベルは、基礎から受験生まで。 |
田中 祥史 | 岡山県岡山市 | レベルに合わせた個人レッスン対応。 |
野村 靖子 | 岡山県岡山市 | 音高、音大受験生対象のソルフェージュ指導(視唱、聴音、音楽理論) |
池田 美奈子 | 沖縄県沖縄市 | レベル別グループ又は個人レッスン。 フォルマシオンミュジカルの理念に基づき楽典、聴音、視唱、初見、和声、音楽史、楽曲分析などを総合的に指導。 |