「ピアノってお金持ちじゃないと始められないのでは?」
「ピアノを習い始めたいけれど、何を買えばよいかわからない」
「電子ピアノではレッスンに通えない?」
「生徒からピアノ購入の相談を受けたけれど、適切なアドバイスをして
あげられるかどうか自信がない」
そんなお悩み、疑問をお持ちの方、必見!
さまざまな"ピアノ"それぞれの特徴を正しく理解すれば、ご家庭のライフスタイルに合ったピアノにきっと出会えます。
ピアノレッスンは、多くが週1回です。それ以外の6日間はおうちで楽器と向きあうことになります。 教室でのレッスンで身に着いたタッチや音色が、おうちで「後戻り」してしまわないよう、きちんと復習できる楽器を準備できると良いですね。
それでは実際に、キーボード、電子ピアノ、アップライトピアノ、グランドピアノそれぞれの特長を見ていくことにしましょう。
- 価格帯
- 3万円~
- サイズ
- 奥行40cm~
幅100cm~
重量5kg~ - 鍵盤数
- 61~76
- 調律
- 不要
リビングで/ダイニングで......持ち運び簡単!
ダンパーペダル(右のペダル)を後付け可能!
- 価格帯
- 8万円~
- サイズ
- 奥行50cm~
幅150cm~
重量40kg~ - 鍵盤数
- 88
- 調律
- 不要
ヘッドフォンで夜の練習も安心! ピアノ以外の音、録音機能などで練習に工夫を! まるで家具!インテリアにマッチするデザイン!
- 価格帯
- 新品53万円~/中古40万円~
- サイズ
- 奥行60cm~
幅150cm~
重量200kg~ - 鍵盤数
- 88
- 調律
- 定期的に必要
体の使い方で音色が変化する! 美しいフレーズを作るための聴く耳が育つ! 正しいメンテナンスで永く使える!
- 価格帯
- 新品143万円~/中古110万円~
- サイズ
- 奥行150cm~
幅150cm~
重量300kg~ - 鍵盤数
- 88
- 調律
- 定期的に必要
抜群の演奏感で、変幻自在の音作りが可能! 防音対策グッズも充実
※価格帯は、楽器販売店での価格を元に記載しています。(2024年12月時点調査)
キーボードの役割は、お子さんにとって音楽を身近に・気軽に・楽しく感じてもらうことが第一です。ご家族のそばで「楽しいね」「キレイだね」「素敵だね」といった感性をはぐくむ音楽の入り口を、作ってあげてください。
軽量でコンパクトなので、食卓テーブルやリビングテーブルでも弾けます。
ご家族の一番近くで練習をみてもらうことができます。
電池式で、コンセントがないところでも練習ができるのも強味です。
ピアノ以外の楽器の音色も入っています。
打楽器・手拍子・動物の鳴き声も内蔵されている機種もあります。
そのため、楽しみながらリズムの練習に活用できます。
おもちゃのピアノと異なり、鍵盤の幅は本物のピアノと同じ標準サイズの機種がほとんどです(そうでない機種にはご注意ください)
音と音との幅、特に和音をつかむ感覚が養われます。また、鍵盤が軽いので小さな手でも楽に鍵盤の底まで押すことができます。
- 鍵盤数
- 打鍵の強さにより強弱可変か?
- スピーカー出力数
- スタンド、譜面台、ペダルオプション
デジタル技術の革新により、日々目覚ましい進歩を続けているのが電子ピアノです。
連打性能も向上し、ペダルを踏む深さによる共鳴のコントロールも、ますます本物に迫ってきています。
音色選択・録音再生・自動伴奏など、電子ピアノならではの機能をフル活用することで、他ではできない練習をおこなうことも可能になります。
ヘッドフォンを利用することで、周囲や時間を気にせずたっぷり練習できます。 楽器設置が不可のアパート/マンションでも、電子ピアノであれば設置可能かもしれません(管理会社さんに相談してみましょう)
電子ピアノは、軽いもので約40kg~。床下補強が不要であることはもちろん、お引越しの際は一般の引越業者でも運搬可能です。デザイン面でも、木目や白色、欧風家具調など、暮らしに合ったデザインを選べることも魅力の一つです。
「電子ピアノだと、テクニックの練習はできないんじゃ?」 いえ、そんなことはありません!
- 鍵盤
- 機種によってはアコースティックピアノのように、低音が重く高音にかけて段々と軽くなる構造、グランドピアノに迫る連打性能などが搭載されています。毎日の練習で鍵盤に親しみ、譜読みや指練習をこなすことができます。
- ペダル
- 上位機種では、ペダルを踏む深さにより音の伸びや残響感、音色に変化をつけられるので、ペダリングの練習をしっかり
- さらに......
- 木製の鍵盤や実際のピアノアクションが搭載されたモデルも発売されています。よりリアルな弾き心地での練習が可能になります。
電子ピアノならではの多彩な機能を使って、練習!
- 録音再生機能
- 自分の演奏を客観的に聴いてチェック!
- 音色変更機能
- チェンバロの音色でバロック音楽を弾いてみると、アーティキュレーションの付け方やノンレガート奏法のイメージが湧きやすくなります。また、打鍵中は音の減衰しないストリングス等の音色で弾いてみると、フレーズ感・スラー奏法のイメージが湧きやすくなります。
- メトロノーム機能
- ヘッドフォンをしたままでもメトロノームの音が聞こえるので、昼夜問わずにテンポを確認しながら練習ができます。
- 内蔵曲搭載
- 内蔵曲の再生で、それをお手本にすることも、お部屋のBGMにして名曲に親しむこともできます。また、内蔵曲は左手パートと右手パートとが別々に録音されている機種もあり、それらと合わせて弾くことで片手練習に活用することもできます。
- 音源のサンプリング方法・精度
- 同時発音数
- 鍵盤/アクション機構
- 発音の仕組み
- ペダルの踏み心地
- 椅子等、その他オプション
電子ピアノは各メーカー、早いペースで新商品の発売、モデルチェンジがあります。
「価格.comマガジン」で最新機種のレビュー等が紹介されています。
アップライトピアノは、グランドピアノと同じく、一般にアコースティックピアノと総称されます。
グランドピアノよりも安価に、次に挙げるようなアコースティックピアノならではの特長を体験することができるのが、アップライトピアノの何よりの良いところです。
アコースティックピアノは、鍵盤を弾く力がアクションに伝わり、ハンマーが弦を叩き、弦の振動を響板が増幅させ、響きを生み出します。弾いている音以外の弦も共鳴するので、弾き手の表現力を最大限に引き出すのです。
- <アクション> ピアノ内部機構。ピアノの心臓部。
- <響板> 弦の振動を増幅させるスピーカーの役目。
アコースティックピアノでは、手首や腕の使い方により音色を変化させることができます。
そのため、譜読みや指練習だけでなく、たとえば......
- 長短異なるスタッカート
- なめらかなスラーで美しく音を繋ぐフレーズ作り
- 和音のバランスを聴き手指でコントロール
など、クラシック演奏に欠かせない要素を練習することができます。
ピアノは正しいメンテナンス=定期的な調律が必要。
ですが車やバイクと異なりきちんとメンテナンスしておけば半永久的に使うことができます。
お母様のピアノを受け継いで、お子さんが使うケースも少なくありません♪
また、もし電子ピアノを先にお買い求めであれば、それは手放さず、時間帯で使い分けて合理的に練習することも良いのでは。
- 昼間:アップライトピアノで曲想や表現の練習
- 夜:譜読みや指の練習
アップライトピアノの場合、音は後ろ側に大きく出るため、壁から少しはなして置きましょう。
また「壁の向こうも我が家」の位置に置くと、お隣さんへの配慮となるでしょう。
- サイズ(背丈・弦長)
- 弦が長いほど低音の響きが深く豊かにり、和音を弾いた際の響きのバランスが美しくなります。
- アクション・響板の素材
- ハンマーフェルトや響板の材質は、直接ピアノの音色や響きを左右します。
- タッチ・音色
- 弾いた時の鍵盤の重さ、鍵盤の戻りの速さ、低音から高音まで鳴らした時の響きもチェックしましょう。
- アフターメンテナンス
- ピアノはギターやヴァイオリンなどのように自分で調弦や調整のできない楽器です。信頼のおける技術者がアフターメンテナンスを担ってくれるお店での購入をおすすめします。
- 品番・製造番号・製造元
- 特に製造番号はピアノの戸籍のようなものです。何年に製造されたものがが分かります。
- 外装や鍵盤・ペダルの状態
- 外装がキレイに磨かれているか? 鍵盤やペダルの動きはなめらか? これらをよく確認しましょう。
- アクション・弦・響板の状態
- 弦が錆びていないか? ハンマーフェルトがきれいに再成形されているか? 響板にひび割れなどないか?これらをよく確認しましょう。
今から約300年前。グランドピアノの原型となるものが発明されて以来、長い歴史とともに、改良に改良を重ねられ、現在のカタチになったグランドピアノ。このアクション機構や機能美は、ほぼ完成形とも言われ、100年以上変わっていません。
コンクールや発表会の会場で演奏されるのは、このグランドピアノです。
グランドピアノは、鍵盤を弾くとその力がアクションから弦にスムーズに伝わる仕組みです。アップライトピアノと比べ、素早い連打や細かなトリルが弾きやすいだけでなく、弱音でのレガートなど繊細な表現、フォルテッシモで無理な力を入れないなどの様々なテクニックを、身につけることができます。
ハンマーが弦を叩いた後スプリングの力を借りて元の位置に戻る。1秒間に約7回打鍵可能。
ハンマーが自重で元の位置に戻り次の打弦にスタンバイ。1秒間に約14回打鍵可能。
アップライトピアノとグランドピアノ、どちらにも3本のペダルがあります。しかし、役割に違いがあります。グランドピアノのペダルには「音色を変化させる」ことを可能にする秘密が備わっています。作曲家が楽譜に込めた想いを、あますことなく表現できるのです。
- (右側)ダンパーペダル
- 踏むとダンパーが上がり弦が開放され音が伸びる(他の弦に共鳴する)
- (中央)マフラーペダル
- 踏むと弦とハンマーの間に薄いフェルトがかかり、フェルト越しに打弦するため音が小さくなる。
- (左側)ソフトペダル
- 踏むと弦を打つハンマーの位置が約15ミリ程度前に接近し、打弦距離が短くなることで音を弱く、ソフトにする。
- (右側)ダンパーペダル
- 踏むとダンパーが上がり弦が開放され音が伸びる(他の弦に共鳴する)
- (中央)ソステヌートペダル
- 響きを残したい特定の音だけ伸ばす事ができる。より繊細な響きづくりのために印象派の作品で用いられることがある。
- (左側)シフトペダル(ウナコルダペダル)
- 踏むと鍵盤アクションの位置が数ミリ右にシフトし(ずれて)、ハンマーの打弦位置が変わることにより、音量とともに音色にも変化をもたらせる。
奥行の長いグランドピアノは、響板の面積が大きく、弦長もあり、張力バランスが優れているため、より芳醇でのびやかに響き音を奏でます。鍵盤アクションはテコの原理の応用によるものなので、鍵盤の長さがある方が、より弾きやすいものとなります。強弱の幅が広く、音色も多彩で、曲に込められた想いをより如実に繊細に表現できます。
弾きたい気持ちにピアノが応えてくれる。表現することが楽しくなる。楽しいから続けるられる。続けるから上達する。そんな好循環を生んでくれます。
- サイズ(奥行・弦長)
- アップライトは背丈、グランドは奥行が重要です。
- 鍵盤・アクション、響板の材質
- メーカーによってはアクション機構に特許を取得しているものもあります。
- タッチ・音色
- 同じメーカーでも、サイズによって響きやキャラクターが異なります。・アフターメンテナンス:鍵盤の重さや深さ、音色の質など、アップライトピアノ以上に多くの調整が可能なものです。こまやかにメンテナンスをしてくれる楽器店で購入できるとよいですね。
- 品番・製造番号・製造元
- 製造された年数(時代)によって、各機種の音色に特徴があります。
- 外装や鍵盤・ペダルの状態
- 鍵盤を左右に動かしてみて、ぐらつきやブレの状態も、チェックしておきましょう。
- アクション・弦・響板の状態
- 響板の裏側にシミやカビがないかなど、一見して見えづらい細かなところまでご注意ください。
- お店によっては、弾き比べをさせてくれることもあります。店員さんにお尋ねください。
グランドピアノは大きくて置けない、というのが悩みの種ですね。下の図は、6畳への設置例です。ピアノの下に楽譜キャビネットを収納するなどの工夫でお部屋は広々使うことができます。高さ100cm程度のため、意外と圧迫感はありません。
ピアノの下に敷く防音カーペット、防音防振用のインシュレーター、響板を覆い音量を抑えるマスク、消音機能付きピアノ、防音室など、対策グッズは充実しています。
「先生はどうしているの?」プロの意見も聞いてみましょう!
いかがでしたか? キーボード、電子、アップライト、グランド...... それぞれに、それぞれの良さがあります。
より詳細に知りたい方は、お近くの楽器店にぜひお立ち寄りください。
ご自身に合った最適なものが見つかりますように。
本記事の内容をもとに、リーフレットの製作を検討しております。
(お教室に置いて、新しい生徒さんが入られた際に配付等の活用方法を想定)
需要の調査とあわせて、以下のフォームより本記事についてのご意見・ご感想をお寄せいただけると幸いです。