ショパン物語

第137回 マンチェスターでの演奏会 その2

2009/03/27
ショパン物語 第137回 1、マンチェスターでの演奏会
8月28日、1200人から1500人程度のお客の前でショパンは演奏をしたが、 ショパンの調子は悪かったらしい。
ショパンはパリにいた時からの友人のピアニストのジョージ・オズボーンに「広い会 場では僕の演奏はよく聞こえないし、効果も上がらないので、僕の演奏は聴かないで ほしい。パリ時代の僕の演奏を知っているあなたに、今の僕の演奏を聴かれるのは苦 痛です」と話していたという。
そして、ショパンがそう言っていたのにも関わらず、ショパンの演奏を聴いてしまっ たオズボーンは「彼の予想は当たってました。気の毒です」と語ったという。
批評記事も「華麗、優雅、緻密である」「洗練されている」「独創的」と評価しつつ も「雄大さ、力強さに欠ける」「室内楽向き」「一流のピアニストに少し及ばない」 とも言われ、ショパンの音楽はマンチェスターでは、ロンドンほどには評価、理解さ れなかったようである。


林 倫恵子(はやしりえこ)

漫画家・ピアノ指導

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