ショパン物語

第049回 結核の診断

2005/09/08
ショパン物語 第49回

1、パルマ見物ショパンは異国情緒あふれるパルマの町を感激しながら見物してまわったという。友人のフォンタナに「何もかもがアフリカを連想させる。すばらしい生活だ。僕は美しいものの側にいる。真の人生を始めようとしている」という内容の手紙を書き送っている。
パルマは、当時スペイン領だが、アラブ支配が長いこと続いていたので、アラブ風の建物が多かったという。

2、別荘「風の家」マジョルカ島の港町パルマから北方7キロにあるエスタブリメンツという田園地帯で、サンドたちは別荘を借り、しばらく滞在していた。その別荘を「風の家」(ソンヴェント)と呼んでいた。

3、ショパンの病気「風の家」に引っ越す直前(ただしサンドの滞在記「マジョルカの一冬」では引越ししてから、になっているという)、ショパンは体調を崩し、ひどい風邪をひいてしまい、咳の発作を起こした。その時に呼んだ医者が「結核」の診断を下したのであった。しかし、サンドもショパンも単なる気管支炎と思い、それまで「結核ではない」と医者に診断されていたので、この初めて下された「結核の診断」を信じなかった。

4、作曲「風の家」で病気に苦しみながらも、ショパンは「マズルカOp41-2」「プレリュードOp28-4」「プレリュードOp28-2」を作曲したという。この3曲は「パルマ、11月28日」と記された五線譜に書かれていた。


林 倫恵子(はやしりえこ)

漫画家・ピアノ指導

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