ショパン物語

第041回 イギリスへ傷心旅行

2005/05/20
ショパン物語 第41回

1、ロンドンへ1837年夏、ピアノ製造業者でショパンの友人でもあったカミーユ・プレイエルがロンドンに用事があるというので、ショパンは気晴らしに一緒についていくことにした。
そのロンドンの印象を「巨大なモノまたモノ、でかいおまる、にもかかわらず、おしっこする場所もない」「何もかも尋常じゃない」というような冗談じみたショパンの手紙が残っている。

2、ブロードウッドプレイエルと同じピアノ製造業者で、イギリスでは有名なピアノメーカーであった。
そのブロードウッド家での晩餐会に、プレイエルに連れていかれたときにショパンは「フリッツ」という変名で正体を隠したが、ピアノを弾いた時にばれてしまったようである。

3、モシェレスこのロンドン旅行で、ショパンはモシェレスの演奏会をお忍びで聴きに行っている。
モシェレスとはこの2年後の1839年秋にパリで会う。
モシェレスは、楽譜ではショパンの曲をよく知っていて、会いたがっていたようである。
そして、ついにその1839年の秋にショパンの自宅を訪ね、それから数週間の間、二人はあちこちのサロンで共演したり、王家一族の招かれて御前演奏した。
そしてモシェレスはパリを発つ前に、ショパンに練習曲を注文した。それは「3つの新しい練習曲」として後年出版されることになる。


林 倫恵子(はやしりえこ)

漫画家・ピアノ指導

ホームページ:http://www.rock.sannet.ne.jp/kiga2hon-dayo/
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