2月7日(金)13:00追記:
故・多喜靖美先生の「お別れの会」について、日程と場所が決定いたしました。
日程:3月1日(日) 15:00-18:00
場所:京王プラザホテル多摩(最寄駅:京王線、小田急線、多摩モノレール 多摩センター駅 徒歩3分)
開催時間につきましては、おおよその目安としてご予定ください。
その他、詳細の情報については、追って告知いたします。
評議員(ジャスミンKOMAEステーション代表、指導者育成委員、メディア委員、アンサンブル・国際交流委員会<室内楽普及グループ>)の多喜靖美先生が、1月30日に永眠されました(享年67歳)。謹んでご冥福をお祈りいたしますとともに、ご遺族の皆様に心からお悔やみ申し上げます。
多喜靖美先生は、桐朋学園大学を卒業され、ご自身の教室でピアノ指導者のレッスンと室内楽普及の活動に努めながら、昭和音楽大学講師としてもご活躍されました。
ピティナにおいては、1996年に当時の「コンチェルト部門」で最優秀賞を指導したことをきっかけとし、室内楽、アンサンブルの指導・演奏に関する企画立案と運営に大いに関与されました。初心者向けのアンサンブル教材として、『しつないがく はじめのいっぽ』(東音企画)の出版、また、指導者自身がステージに立つこと、アンサンブルを学ぶことを強く主張し、いわゆる「室内楽ステップ」の礎と、普及の型を作り上げました。指導者によるピティナ・ピアノステップの参加は、年間1400人を数えるほどに、いまや「常識」となりました。
自身が代表となった「ジャスミンKOMAEステーション」は2006年発足。ほぼ全員が指導者、アンサンブルという型破りなステーションでした。以来15年間は、さながら室内楽ステップの「広報役」として、文字通り体を張って全国を飛び回り、ステップのアドバイザーを務めた回数はのべ216地区。
「指導者もステージへ」と全国の会員を鼓舞し続けながら、指導力を向上するプログラムを、具体的かつ各地で実現可能になるよう、長年にわたり試行錯誤されました。人の心理の変化をくみとりながら、挫折せずに目標に近づけるべく考え抜かれた上での企画の数々は、多喜先生のピアノ指導と同じく、まさしく「教育的」でした。
後年になっても「エコ奏法」や「拍子」に関するセミナーを企画するなど、常に手法を見直し、新たな知見を取り込む努力を惜しみませんでした。昨年の11月には立川で自らのステーションの最後のステップを運営、そして今年3月30日・31日の「若手ピアニストのための室内楽研修会」は、なんとか最後の仕事として関わりたいと、年明けになっても目を輝かせて語っておられたのを思い出します。
その生き様からして、音楽教育がもつ無限の可能性を信じられる根拠を与えてくださった多喜先生は、愛情こまやか、ざっくばらんで気さくなお人柄に加え、物事を多方向から提示する鋭い見解とユーモアを常に携えて楽しく場を収める「アンサンブル」の達人でもありました。全国各地の音楽関係者が魅き付けられたゆえんです。
なお、葬儀は既に親族のみで密葬として執り行われ、後日、お別れの会が開催される予定となっております。