

賞金総額15万円を目指して大学・大学院での研究を発表する学生向けイベント「学生プレゼンコンペティション」。テーマを「音楽」に絞った第2回が、11月23日東音ホールで開催されました。
「10年後の音楽教育を変えれば、100年後の音楽が変わる。」というスローガンに応え、様々な分野・所属大学から7名が参加。多様な角度から音楽についてのプレゼンテーションを繰り広げました。
発表の形式は一人10分の発表と15分の質疑応答。
「ロシアピアニズムとアレクサンダーテクニークの比較」といったピティナにフィットした話題から、ショスタコーヴィチに絞った作曲家研究、ポーランドの音楽と文化、イギリスの詩人パーシー・シェリーの作品から音楽を考える領域横断的な研究、次世代の音楽コミュニティを考えるビジネスの構想にいたるまで、今回も多岐に渡るプレゼンが披露されました!


プレゼンテーションの審査にあたったのは、ピティナ本部スタッフ5名。
ピティナ・ピアノ・コンペティションで用いるじっさいの「採点票」を使って、入念にコメントを記入の上、10点満点で採点を行いました。

第1位に輝いたプレゼンは、竹村信一さんの「金管楽器の音響特性」。ホルンを含めた金管楽器はしばしば開管楽器として誤解されているものの、実は金管楽器は閉管楽器であること、そして楽器の朝顔(ベル)の形状の効果で自然倍音列が出るようになっていることを、管楽器のテーパーの形状を考慮に入れた数理モデルから見事に説明しました。

聴衆賞に輝いたのは宮澤響さん(筑波大学大学院)の「日本のポピュラー音楽のセクション識別に関する研究」。Aメロ/Bメロ/サビは、(もしその順番に並んでいなくても)バラバラに聴いて判別できるものなのか?というキャッチ―な問いが聴衆の心を掴みました。

第1位 | 6万円 | 竹村信一さん | 金管楽器の音響特性 |
第2位 | 4万円 | 宮澤響さん | 日本のポピュラー音楽のセクション識別に関する研究 |
第3位 | 2万円 | 菅野美音さん | しなやかな文化圏を社会と共創する |
聴衆賞第1位 | 2万円 | 宮澤響さん | 日本のポピュラー音楽のセクション識別に関する研究 |
聴衆賞第2位 | 1万円 | 竹村信一さん | 金管楽器の音響特性 |
審査発表後は恒例の懇親会。外が大雨だったこの日は、ピティナ本部事務局のロビーにドリンクやおつまみを準備しての開催。学生同士の交流や、審査員と学生の交流が夜更けまで続き、音楽について楽しく語り合いました。

ピティナでは、今後も「大学や音楽ジャンルの垣根を超えた交流」や「最先端の研究を音楽教育の現場に繋ぐこと」を目指して、学生プレゼン・コンペティションを実施してまいります。

様々なバッググラウンドをもつ学生の、それぞれの立場からの「音楽」に関するプレゼンテーションを拝見するとともに、親睦を深められたことは、とても有意義で貴重な経験でした。参加して良かったと心から思います。
宮澤響(筑波大学大学院)