「ピアノを習うとどうなるの?」というオンライン連載が登場。脳科学、海外事例、ステージ体験、子育て中の音楽など、あらゆる角度からピアノ学習について考える企画である(318号p7)。「幼児期の能力開発について」(石黒加須美先生)など、ご自身の指導体験をベースにした記事は説得力たっぷりである。
なぜ音楽を習うのか?音楽を学ぶとどうなるのか?という根本に立ち返り、その意味を問う「今こそ音楽を!」が通年で連載された。中でも脳科学者による「ピアノを学ぶと一般知能が高まる」との見解は、多くのピアノ指導者・学習者によって心強い指針となっている(323号p54-55)。
あらためて「聴く」とはどういうことだろうか(294号p34-42)?2011年には学生審査員を募り、講師に金子一朗先生を迎え、審査項目に関する事前レクチャーと特級セミファイナルの聞きくらべを通して、「聴き方を見つめ直す」という企画が好評を博した(296号p28-34 )。
最近、「親学」という言葉が出現し始めた。「家庭学習や習い事から学ぶ子育て」では、"子どもこう教えるべき"ではなく、"まず子ども本来のあり方を知りましょう"という原点に立ち返った教育論が紹介されている(291号p28-34)。
幼児がもっと参加しやすくなるように、ステップに「プレ導入~ピアノとあそぼう 幼児のためのステージ」が設けられた。合計1分以内の自由曲で参加できるが、親や兄弟姉妹との連弾での参加が多いという統計も出ている。最年少は6ヶ月!(321号p16)
障がい者のための「ドマーニ部門」と題し、ハンディある子供たちが楽しめるステージも。「サポートを必要としている人とともにステージを作ることで、社会性を互いに身につけ、音楽を共感する人が支え合う世界を作っていきたい」(山本旨広氏・横浜青葉ステーション代表)(318号p16)。
ピアノを弾く男性が増えているという昨今。ステップでもそのトレンドを後押ししている。「ピアノを頑張る男の子がほかにもいる、ピアノを続けるのは格好いい!」という思いを伝えたいと始めたステップ「イケメンコーナー」には、3歳から88歳までの男性が参加したという(森山純先生・まいど!大阪中央ステーション代表、320号p20)。 また全国屈指の進学校である開成中では、入学時のピアノ経験者が4割以上(311号p36)。頼もしい限りである。
「音大にはいかなくても、生涯ピアノを弾き続けたい!」そんな学生も増えている。2016年には一般大学ピアノサークル対象に、赤松林太郎先生によるマスタークラスが開催され好評を博した(326号p53)。最近では「ピアノと勉強を両立したい」「一般大学進学を目指しながら、ピアノも同じくらい頑張りたい」という学生が増えている。ピアノの価値を知るとともに、ピアノを継続することに意味がある、という考えが定着してきたのだろう。