瀬田敦子先生(正会員)がタイで音楽祭・コンクール創設、ピティナ入賞者の予選免除あり

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2016/05/11

music festival_s.jpgタイのチェンマイ在住の正会員、瀬田敦子先生(ピアニスト、パヤップ大学教授)が、当地において、悲願であった音楽祭・国際コンクール「第1回チェンマイ・ヒナステラ国際音楽祭」を創設されました。第1回が、2016年10月9日から16日まで、チェンマイの各地で行われます。アルベルト・ヒナステラは、今年2016年が生誕100周年の記念年で、瀬田先生にとって非常に思い入れの深い音楽家だそうです。

音楽祭では、世界的なピアニスト、エドゥアルド・デルガード氏のピアノリサイタルや、瀬田敦子先生によるヒナステラのピアノ協奏曲、ベートーヴェンの「第九」の演奏など、多くの魅力的なプログラムが用意されています。

また、同時開催されるコンクールでは、各年齢カテゴリーで、「ピティナ・ピアノコンペティションソロ部門において、本選(第2次予選)奨励賞以上の成績をおさめている方」に対しては、予選を免除して、現地での選考(本選以降)に参加できる、ピティナ・ピアノコンペティション入賞者への免除特典があります。ぜひ日本からの参加をご検討ください。(コンクール参加締切=7/31)

タイ北部の美しい古都チェンマイで行われる一大音楽イベントが、1人のピティナ会員の深い思い入れからスタートします。

コンクール・音楽祭の詳細は、下記ウェブサイトにてご覧いただけます。
http://www.chiangmai-imf.com/jp/

瀬田先生からメッセージをいただきました。

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atsuko_seta.jpgタイ・チェンマイへ移住して8年、大学でピアノを教える中で、日本とは全く違う独特の価値観や音楽観に呆れたり苛立ったりしながらも、教わる事も沢山ありました。
ここでは完璧を求めるなんてありえません。完璧に弾くことよりも「魅力があるかどうか」「もう一度聴きたいかどうか」で人々は判断します。冷静に考えてみれば当たり前の事なのですが、「完璧+魅力」という神がかり的な要求をされるのがピアニストの悲しい業といいますか(笑)...この涙ぐましい努力を受け入れて頑張れる日本人はタイ人にとって不思議!?みたいです。「Are you happy? 」それがいつも彼らにとって大事な事で、私もいつもそう問われ、いつか自分の価値観の主体になっている事に驚いています。

さて、話は変わりますが、チェンマイにはロングステイの西洋人をはじめ、世界各国からの移住者や地元のタイ人を含めるとかなりの数のクラシックファンが居ます。良い聴衆の空気、波動は良い演奏を引きだし演奏家を育てるいいますが、此処でのコンサートに於ける聴衆の役割は素晴らしいです。音楽家を暖かく応援してくれる雰囲気があります。
それに比べ、他都市でのコンクールとなると、聴衆は家族だけ、誰も楽しんで演奏を聴いているとは思い難く、審査員が同じ課題曲を繰り返し聴いて完璧をチェックする波動は息苦しいほどです。私はチェンマイの学生さんがこのようなコンクールに参加して惨敗したみじめな姿を見て「何かが違う」...と残念に思い、それなら私たちの町で私たちの価値観でこのステキな聴衆を味方にしてコンクールを創設しようじゃないか!と思い立ちました。技術を競うのではなく、聴衆が「もう一度聴きたい」と思うような魅力ある演奏家を発掘し、我が町が産み出したアーティストとして今後も応援し続けるあたたかいコンクールを目指しています。

このコンクールでは、すべての会場が公開で審査され、聴衆も会場の雰囲気作りに参加できます。課題曲もなく、受験者が各々の魅力を全開できる得意なレパートリーで参加できます。ファイナルラウンドでは、すべてのジャンルが共通で審査され、声楽をはじめいろんな楽器やアンサンブルの演奏がコンサート形式で行われます。日頃ピアノのコンクールしか受けていない人にとっては、いろんな楽器の演奏が聴ける良いチャンスだと思います。
同時開催される国際フェスティバルでは、審査員の先生方によるコンサートをはじめ、最終日にはチェンマイ交響楽団と国際コーラス団によるベートヴェン第9「喜びの歌」が演奏されます。フェスティバルではこの国際コーラス参加者も募集しています。コンクールに挑戦した後、思いっきりコーラスを歌ってみてはいかがでしょうか?
国境を越えて、勝者も敗者も審査員も聴衆もみんなが音楽の喜びを享受し、音楽に感謝する日になる事を心から願ってやみません。

このフェスティバルは、私の大好きなアルゼンチンの作曲家A.ヒナステラ生誕100年を記念して生まれ、チェンマイヒナステラ国際音楽祭と命名されました。最後にヒナステラが南米の学生達に残した言葉を記したいと思います。

「音楽はその国だけに突出するものではない。自ら壁を作ってはいけない。」


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