今年50周年を迎えるピティナでは、英語ニュースレターを2002年から発行し、毎年世界数百か所に送っています。会員名やステーション名を多く入れてリアルな活動状況をお伝えしたり、グラフやデータを図示して事業内容が伝わるようにしています。2015年の内容を振り返ってみました。
2015年トップニュースは、コンペ参加者数が43,486名で過去最高を記録し、過去5年で112.9%増となったことを報じた。この背景として、連弾プレ初級や2台ピアノ協奏曲カテゴリの新設など、デュオ部門の再編がある。2人または2人以上の力が合わさって生まれる相乗効果は、様々な場で見られる。昨年は、海外の第二指導者にセカンドオピニオンを求められるPOSTサービスが好評を博した。またショパン国際コンクールに出場した日本人ピアニストは全員コンペ経験者であるが、同志としてワルシャワでも支え合い、うち4名は帰国後に揃って公開録音コンサートに出演した。支え合う相手はいつも人とは限らない。楽譜を相手とするならば、アナリーゼ楽譜がより実践に則した形になったことで、音楽との対話が進みやすくなった。また学習補助教材として「がんばりシート」も、目標達成に向けて努力する子供たちの支えに。
そしてコラムでは、若手指導者&ピアニストをご紹介(鈴木弘尚先生、関本昌平先生、赤松林太郎先生)。いずれも国際コンクールなどで入賞歴を持ち、現在ピアニストおよび指導者として全国的に活躍し、優秀なグランプリや入賞者を多く輩出している。
また順調に発展を遂げているステップは、「アイディアが多いほど、アイデンティティが豊かに」をテーマに。2~6歳対象のプレ初級が新設されて210名の参加者があったこと、また2015年度参加者数の4分の1以上が初参加であり、年齢や経験年数に関わらず、ステージにチャレンジする人が増えたことも注目に値する。またステーション数は過去10年で4倍以上増え、個性豊かな活動がますます増えている。そこで、自作曲を演奏するステップや、ステージマナーを指導するステップ、男性ピアノ学習者を応援するステップ、フラッシュモブを実施したステップなど、各地の特徴あるステーションも紹介した。
その他、特級グランプリ(篠永彩也子さん)や福田靖子賞受賞者2名(黒木雪音さん、古海行子さん)の紹介、10代の演奏家シリーズ再開、クロスギビング実績、IFPS参加報告など、会員ニュースなどを紹介している。
また最終ページには、最近の調査研究についてまとめた。鍵盤楽器事典の開始、音楽と社会に関する研究、研究者が演奏・指導現場と結びついてきていること等、演奏や指導をより深めるための研究成果が積み重ねられていることを報告した。
- 2015年
- 「チームワークを発揮!対話して効果倍増するデュオ」 (Time for Teamwork!-Duo with Dialogue Makes Double Effect) PDF
- 2014年
- 「ネットワークに反映される個人の声~ネットワークが指導者としてのアイデンティティを創る」 (More Intense, Personal Voices Delivered via Network - Network helps shape the individual identity as a piano teacher) PDF
- 2013年
- 「各地からアイディア大集合!グローバルに考え、ローカルに動く支部とステーション」 (Ideas from Everywhere! PTNA Branches & Stations Think Globally, Act Locally) PDF
- 2012年
- 「公益事業はお互いのために~持続可能な成長を目指して」 (Go Public, And Be More Mutually Beneficial - A Way For The Sustainable Growth) PDF
- 2011年
- 「3.11後の日本~音楽を通じた復興活動」 (After 3.11 in Japan- Revival Through Music)PDF
- 2010年
- 「各地のコンクールをネットワーク化~演奏・学習機会を多様に広げて」 (PTNA starts Networking Local Competitions-for more diversity in playing and learning opportunities) PDF
- 2009年
- 「レッスン見学ツアー開始!~より優れたアイディアとネットワークを求めて」 (Lesson Study Tour Begins!-An event for advanced ideas and active networking) PDF
- 2008年
- 「ピアノ指導者がステージへ!~3年で150%増」 (Piano Teachers Appear on Stage-150% increase in 3 years) PDF
- 2007年
- 「ピティナ30周年記念イベント開催!」 (Gathering at PTNA 40th Anniversary Events!) PDF
- 2006年
- 「ピアノ指導者のネットワークが11,000名に!~自主的に活動する300支部、ステーション、委員会」 (11,000 Piano Teachers Network Expands!-300 branches, stations and committees are voluntarily involved) PDF
- 2005年
- 「新しいミッションは『スクールキッズ』~ピティナ入賞者が学校教室で演奏」 New mission of PTNA is "School Kids"-PTNA Prize Winners go to school classroom PDF