去る6月13日、提携コンクール「ミラノ国際ジュニアピアノコンクール派遣オーディション」から最優秀で派遣された渡邉奏さん(8歳)が、ミラノのカーザヴェルディで行われたConcorso Piano Talents のBカテゴリーで99点、1位最高位を受賞、600ユーロの賞金も獲得しました。
翌14日には、すべてのカテゴリ―の1位最高位から全部門の大賞を決めるファイナルが審査員と会場の聴衆の投票により行われ、渡邉奏さんはカテゴリーC・中国のXing Changさん(12歳)とともにピアノタレンツ賞を見事受賞!賞金の2000ユーロを分け合いました。
派遣オーディション優秀賞の西川響貴さん(14歳)、初のYOUTUBEオーディション最優秀の山家有翔さん(14歳)もカテゴリーDに参加、96点と95点で1位を獲得。
翌日15日には、渡邉奏さん、中国のXing Changさん、カテゴリーD1位の西川響貴さん、山家有翔さん、Matias Cuevasさん(イタリア)、シニアカテゴリー1位の Danilo Mascettiさん(イタリア)の6名が、ミラノの名所の一つでもあるAuditorium Gaber Palazzo Pirelliにて受賞リサイタルを開き、満場の拍手喝采を浴びました。その模様はラジオでも放送されたそうです。
今年のConcorso Piano Talentsは32か国105人の参加者、審査員はイスラエルからAlbert Mamriev 、イタリアからVincenzo Balzani とCatia Iglesias、ロシアからVsevolod Dvorkin、そして日本から派遣オーディション主催者でもあった黒田亜樹先生、の五名でした。
イタリアのジュニアコンクールでは、一位は全体の一番という意味ではなく、レベルA95点以上、二位はレベルB90点以上、三位はレベルC85点以上、その他は参加賞、のような絶対評価となります。一位のなかでも98点以上の獲得者のみが、ASSOLUTO(絶対的一位、最高位)として特別表彰され、さらにファイナルではASSOLUTOのみが演奏し、聴衆と審査員と特別審査員も加わって大賞が選ばれるというシステムです。
昨年のピアノタレンツ賞の丸山凪乃さんは秋のショパンコンクール、一昨年のピアノタレンツ賞のAdrian Nicodim君(ハンガリー)は間もなく始まるクライバーンコンクールジュニアにノミネートされていますが、ミラノのConcorso Piano Talents は開催わずか5年で世界中のトップレベルのジュニアピアニストが集う場所として知られるようになりました。各国のジュニアピアニストたちがコンクール終了後アドレス交換をして、また次の別の国のジュニアコンクールで再会を約束して名残惜しそうに帰ってゆく舞台裏の様子は、とても感動的だと黒田亜樹先生がレポートくださいました。
「派遣オーディション」第一回目は、ピティナ会員の皆様のご寄付(CrossGIving)によってスタートしました。その時の派遣者である下岡萌々子さん、高尾奏音さんが獲得賞金の半額を寄付してくださったことで今回3名の参加者を支援することができています。今度は、大賞受賞の渡邉奏さんより、賞金の全額を次回のオーディションに寄付したいというお申し出がありました。さらに西川響貴さん、山家有翔さんからも「今回の感激を次の方に」と寄付をいただき、「GIVING」のリレーが第三回オーディションに引き継がれることになりました。