支部所属会員の割合
ピティナの会員は、希望の支部に所属することができます。全都道府県に計121の支部があり、それぞれ、魅力的な支部として所属会員の交流や学びの機会が増えるよう、活動中です。
支部では、コンペティション・ステップ(支部が協力するステーションでの運営を含む)の開催のほか、セミナー・コンサートなど、独自の活動を企画しています。
本日の記事は個性豊かな支部の一例の紹介ですが、未所属の会員やこれから入会をご検討下さる皆様には、どこかの支部に所属してピティナの活動にご参加いただくきっかけとして、また、すでに支部に所属している会員には、ますますご自身の支部に愛着を持ってご活動いただくために、ご覧になっていただければ幸いです。
各地の支部の活動状況は、ピティナ・コミュニティに掲載されています。今後、各支部の活動状況が分かりやすく閲覧できるページ作りを進めてまいります。
なお、支部への所属登録は、マイページからまたはこちらのフォームからの申請にて、随時、受け付けています。
支部名 | 支部所属会員 入会者数 |
---|---|
船橋支部 | 474 |
横浜中央支部 | 358 |
名古屋支部 | 348 |
神戸中央支部 | 287 |
大阪中央支部 | 250 |
池袋支部 | 248 |
山手支部 | 241 |
町田支部 | 214 |
北海道支部 | 204 |
千里支部 | 201 |
支部名 | 開催数 |
---|---|
三河支部 | 58 |
横浜中央支部 | 49 |
船橋支部 | 34 |
千里支部 | 34 |
福岡支部 | 29 |
岐阜支部 | 25 |
つくば支部 | 24 |
町田支部 | 21 |
名古屋支部 | 18 |
表参道支部 | 17 |
規模の大きな支部といえば、所属会員が470名を超える船橋支部。2001年に設立後、わずか10年たらずで全国一の規模に拡大した背景には、事務局(伊藤楽器)の田口博之氏による、年間100回におよぶ活発なセミナー開催、ステーションの開拓とその協力者の発掘、会員向け通信物の発行(毎月郵送)、ピティナ・コミュニティへの活発な投稿、ミニコンサートやセミナー付きの支部総会、等々、多岐にわたる日々の丹念な活動がある。
2014年10月21日、福岡にて、九州方面の楽器店のピティナ事務局担当者向けに情報交換会が行われ、田口氏が事例を紹介。(⇒関連記事)
田口氏の発言は熱意にあふれている。
「指導法や教室運営の仕方など誰に相談すべきか、先生方の悩みの種だと思います。ピティナにはそうしたことを解決できる受け皿がたくさんあって、ピティナに入会する目的はそこにある、と言っても過言ではないと思います。ただ、単に入会しただけでは解決するものではなく、支部の活動に参画していただくことでよいご縁を生み出して、先生方の活力を高めることが、事務局担当者の重要な使命の一つだと思っています。船橋支部としては、引き続き、各地にステーションを作って所属会員にステーションへのご協力をお願いして、よい出会いとご縁のお手伝いができればと思います。楽器店の会場を勉強会等の場所として開放し、会員、そして私達との顔合わせの機会を増やしていきたいと思います。」
支部に所属すると「仲間ができる」これに尽きると思います。
どんなお仲間かというと、
- ステーションにご協力下さる先生方:同じ地元で一緒に勉強できて、ランチもできて、お茶もしながらステップ運営で苦楽を共にできる、最高の仲間です。
- 船橋支部の運営委員に任命され知り合った先生方:お名前は知っていてもまさか親しくお話できることになるとは思っていなかった著名な先生方。とてもラッキーです。
- 支部全体の先生方:船橋支部の総会では「ご承認ください」パチパチ(承認の拍手)以外のお楽しみ企画が充実していて、100人くらい出席します。そこでダイレクトに、一気に友達が100人、増えます。
また、ピティナ本部からの情報以外に、支部独自の情報発信も積極的です。
- セミナー情報:年間100回のセミナーを開催している伊藤楽器さんなので、届く情報数がハンパではありません。支部所属会員の受講料で参加できるので、思わず参加申込してしまい、おかげでたくさんお勉強ができます。
- 支部ニュース:月1回、郵送で届きます。メンバーやステーションの活動の様子がわかります。自分のことを知ってもらうこともできます。
ステーションがあり、運営委員会があり、さらにそれを束ねてくださる支部事務局。何かのときにはいろいろな方に力になっていただけます。ちょっとしたレッスンの困りごとを相談できたり、ステップをお互いに手伝ったり、勉強会では伊藤楽器さんのお部屋をお借りできたり、など、何かと安心、とても心強いです。
様々なセミナーを数多く行って下さるのがありがたいです。会員には毎月セミナーのお知らせなどを封書で送って下さるので、自分に必要なものを選択しながら積極的に学びの機会を得ることができます。会員価格で受講できるのもありがたいです。
支部総会でたくさんの会員の皆様にお目にかかることができますので、ステーションの活動について広くお知らせすることもでき、会員の皆様も自分に合いそうなステーションを選んで参画いただくことで仲間の輪が広がり、日々の指導の世界が広がっていくと思います。夏のコンペ終了後には、所属会員の生徒で全国大会に出場した参加者の名前を支部の通信物に記載して下さって、指導者も生徒も励みになっています。
より地域に根差した活動をするために船橋支部に移籍してきましたが、自分に合った支部を選び積極的に参加していくことで、とかく孤独になりがち、そして自分の道を邁進して片寄ってしまうこともあり得るピアノ指導において、横のつながりや様々な学びの機会を得て広い視野を持つことができるようになり、世界が広がりました。
充実した支部活動は、大都市圏ばかりではない。岡山県の山間部に位置する津山は、近隣エリアをあわせても人口15万人くらいの地域だが、1997年の発足以来、コンペ予選の参加者が徐々に増加して、ここ2年は192組に達し、ステップも真庭しらうめステーションとあわせて年2回で230組以上が参加。34名の所属会員と事務局のピアノ工房アムズの、厚い信頼関係が築かれている。
松田美智子先生(ピティナ津山支部長/真庭しらうめステーション代表)は、津山市西部の真庭市在住で、1999年5月7日にピティナに入会。当時、地元まで届く情報が少なかったところ、支部事務局のピアノ工房アムズから勧誘され、コンペ津山予選の当日にスタッフとして加わったことで、初代の支部長の鳥越由美先生はじめ、近隣の指導者との交流が始まった。
松田先生は7回の指導者賞を受賞しているが、指導力の向上を後押ししたのは、2014年12月で32回となった藤原亜津子先生のセミナー。継続して受講しているうちに勇気づけられて、あらゆることへの取組みに積極的になったとのことで、松田先生は、2008年の真庭しらうめステーションの設立に続き、2010年に津山バスティン研究会設立、2011年に津山支部長就任と、立て続けに重要な役目を引き受けるに至っている。
副支部長の寺尾明子先生も真庭市在住で、入会年月日は松田先生と全く同じ1999年5月7日だが、入会当時は面識がなく、やはり運営の当日に知り合って以来、徐々に親しくなった。関わりの無い指導者から見ると「ピティナは敷居が高い」など誤解を受けやすいが、一歩足を踏み入れると全然違う世界が待っているので、ぜひご参加ください、と両先生は語る。
ピアノ工房アムズは、月1回、ピティナ会員に限らず約200名の指導者向けに、各種の情報を掲載した葉書を郵送している。事務局の松岡一夫氏は、腕利きの調律師としても慕われている。「ほぼ毎月、セミナーや勉強会を開催していますが、主要な先生方と面会できるのでコミュニケーション促進の機会になり、会員の参加意識も高まっています。現在、コンペやステップの当日の運営は、会員にほぼお任せ状態で、スムーズに運営されています。」
ピティナの支部は、地域の会員と楽器店が協力しながら運営されるケースが多いが(121の支部のうち約100地区が該当)、北見支部では、最北の支部として2010年に発足して2年後、諸事情で楽器店が事務局から撤退。すべて会員による運営への変更を余儀なくされたが、現在、支部長の田中裕子先生、支部監事の菊池葉子先生をはじめとする、約20名の所属会員による全員協力体制で、2015年9月に初めてのステップの開催も予定し、順調に活動中である。
2013年6月から北見支部に所属した中林淑佳先生は、支部所属へのきっかけや現在の活動について、次のように語ってくださった。
「北見支部が発足するまでは、近くの支部が何時間もかかる場所にあって、イベントや活動に直接関わることが難しい状況にありました。地元の北見に支部が出来た事を知り、所属している先生方の話を聞いて、勉強になりそうだったことや、コンペティション予選後の打上げに参加させていただき、雰囲気の良さに魅力を感じて、所属を決意しました。
支部に所属することで、コンペのアドバイスレッスンの情報などが、いち早く分かる事や、コンペ・ステップの仕事に直接関わる事ができるので、より内容を把握して準備に取りかかれています。会議に参加すると先生方の様々な意見を聞く事ができて、視野が広くなります。
今まで面識の無かった先生方と、交流が出来るのがありがたいです。支部に入る前は、ベテランの素晴らしい先生方ばかりで、果たしてやっていけるのか、と恐い気持ちもありましたが、いつも親切に優しく接していただき、意識の高い姿に私も頑張らなくては! という気持ちにさせて頂いています。」
黒木和子先生
2014年10月21日、福岡にて、九州方面の楽器店のピティナ事務局担当者向けに情報交換会が行われ、前出の船橋支部の田口氏が活動事例を紹介。熊本支部の事務局(ピアノハープ社)からは、石飛劉一郎氏が出席し、大いに刺激を受けたとのことで感想を語ってくださった。
「ピティナは切磋琢磨が出来る成長の場であり、ピアノ指導者としての活動の原点と思っていただけるような支部にしていきたいと強く感じました。生徒さん・保護者一人ひとりと真摯に向き合って、ピアノを通して『人を育てる』という姿勢で、学習者のレベルアップを目指しているピアノ指導者を全力でバックアップし、ピアノの存在価値をさらに広げていきたいと考えています。」
その熊本支部では、2013年に初めてのステーションとして熊本きなっせステーションが誕生している。代表の黒木和子先生は、現在の活動について次のように語る。
「支部長の川口みさき先生より、ポピュラーアンサンブルを主旨とするステップへのご理解をいただき、スタッフも会員の先生方にご協力いただいています。事務局のピアノハープ社さんにも、初めてのステーションに対する細かなアドバイスをいただき、当日の運営も全面的にバックアップいただいて、安心して進めることができました。
支部所属会員として、支部の先生方から多くの刺激や学びを受けました。また同じ教える立場として講座や勉強会を通して連帯感も生まれ、その仲間意識があるからこそステーションの運営も円滑に行われると思います。
いろいろな方面で活躍され、それぞれの強みや得意分野をお持ちの先生方がいらっしゃる支部に所属していると、刺激し合ってgive&takeの関係になり、まさに、学びの場となってます。」
最近3年間の新入会者の割合の高い支部のうち、1位の表参道支部は、2013年度に新設された支部として多数の新入会者を獲得したが、その他のランキングの上位には、設立して20年以上の支部も含まれている。
たとえば、近江八幡支部(1979年設立)では、ここにきて新入会者の割合が高くなった理由を事務局(塚本楽器)の塚本健一氏に聞いたところ、楽器店が主導の支部なので、新しく講師として契約する際に、必ずピティナに入会して頂く流れを作るようになったとのこと。
また、群馬県で唯一の支部である高崎支部(1994年設立)では、事務局(ヤマハミュージックリテイリング高崎店)の斎木有希氏が、交流の深い指導者でピティナに興味を持っていただいた方には、入会の仕方やピティナの活動内容を個別にじっくり説明して、少しずつ所属会員を増やしている。
2016年度で50周年を迎えるピティナは、各地で着々と組織改編が進展している。
支部の代表者や運営体制の変化は、所属会員が増えるチャンスでもある。
1986年に発足した埼玉県支部の支部長が、2011年に鈴木慶子先生に引き継がれ、2013年から協力楽器店として新たにカワイ川口ショップとの交流が深まったことで、ステーションも設立。
最近の新入会員の内訳は、やはり、カワイさんの協力でステーションを立上げて、ステップを開催した結果が大きいと思います。私自身も新しいお友達を作って、極力、支部へお誘いしています。丹念な声掛けが大事だと思います。個人的には、音大の同窓会の仕事をしている関係上、同窓生の勧誘にも努力しております。
1984年から活動してきた八王子支部が、2013年に組織改編を行って、広瀬美紀子先生を支部長とする新体制がスタートした。
①ピアノを教えている共通の立場からの仲間が欲しい②地元八王子で音楽を色々と学びたい、このふたつの願いを軸に、輪を広げていく事を心がけています。それを実現する為に、コンペ、ステップ、セミナー等の開催のお手伝いがあります。これが逆にならないようにしたいと思っています。つまり、コンペを開催するための支部活動にならないようにすることです。
また支部の定例会では、所属していない会員も気軽にご参加いただけるよう、配慮してます。定例会は、「参加して楽しかった」「勉強になった」と思って頂けるように、企画を充実させていきたいと思っています。
すべての支部にそれぞれの個性があるので、全部取り上げたいところですが、個別の情報はピティナ・コミュニティの支部のプロフィールのページをご覧になっていただければ幸いです。
まだ無所属の会員の皆様には、ぜひどこかの支部に所属して交流を深めていただけると、ピアノ指導者の団体としてのピティナらしい活動をさらに実感していただけることと思います。