東日本大震災で失われたものはあまりに大きく、私たちは緩めることなく継続的な支援の輪を広げなければなりません。
震災直後、音楽は、沈黙を強いられたこともありましたが、時が経つほどに、音楽が再びかつてと同じように、いえ、それ以上に必要とされる時期がくるはずです。
そんな将来を見据えて、震災からちょうど3カ月となる現在、ピティナおよびピティナ会員が関わる復興支援活動を一部を紹介します。
ピティナでは、ホームページで関係者に義援金・支援金の呼びかけを行ってきましたが、お金を、「直接音楽のために使ってほしい」という要望は高まる一方でした。
このたび、こうした声に応える基金が、被災地へピアノをとどける会、および日本クラシック音楽事業協会により設立されました。それぞれ、「楽器」「演奏」という側面から、音楽を通じての復興の一助とすることを目的とします。
仙台フィル正指揮者の山下一史氏ほか著名音楽家、教育家を発起人として発足。実行委員会委員長である庄司美知子先生(仙台Michiステーション代表)は、4月30日に南三陸町で復興支援コンサートを行い、現地の惨状に打たれ、ピアノが失われた場所に、再び取り戻す活動をしたい、と強く感じたそうです。各方面の演奏家に協力を呼び掛けたところ、熱い賛同が巻き起こり、世界各国からも支援の声が届きました。「慌てず、じっくりと資金を蓄えてから、幼稚園、保育所などの教育施設、公共性の高い音楽施設を優先して、ピアノの寄贈を計画していきます」。詳しくはこちら
被災地が、音楽によって元気と活力を取り戻し、力強く復興していただく、その一助とするために、音楽家が訪問する際の、旅費交通費等の経費を支出する基金です。すでに多くの音楽家が現地での慰問活動をおこなっており、この基金によって、災害から1年間のサポートを行うことになっています。
詳しくはこちら
3月の後半、日本全国が押し黙るような雰囲気の中で、ピアノ関係者が「まずやれることをやっていこう」と立ち上がってのチャリティーコンサート。各地のステップ、セミナーでも、義援金・支援金を集める動きがあるのは、周知の通りです。
大崎結真さん、菊地裕介さんを始めとする若手ピアニストによるジョイントコンサートが開催されます。同時に、練習のためのアドバイスが受けられる「リハーサル会」も開催されます。6月19日(日)渋谷区文化総合センター大和田に、ぜひご来場ください。
東音ホールでの1か月半ぶりのチャリティーコンサートには、東北出身のピアニスト3人が集結します。7月5日(火)東音ホールにて。入場料は2,000円。
プログラムなど詳細はこちら
この14公演を通して、各主催者から総計2,224,877円が複数の支援団体へ寄付されました。
少しでも心の安らぎになるように、まず現地に足を運び、自分のできる音楽を届けたい。そう考えるピアニストたちと、現地のステーション代表者の想いが一つになって、被災地でのコンサート企画が始まっています。
5月21日、いわき市内での避難所で、伊賀あゆみさん・山口雅敏さん夫妻のコンサートは、いわきステーションの協力で実現。楽器があっても、音を出すのが憚られるような空気の中に、ピアニストが優しい音色を届けてくれました。いわき市ではこのほか、7月8日にも樋口あゆ子さんによる学校コンサートの開催が決定しています。レポートはこちら
6月8日、正会員・特級グランプリの佐藤展子さんと、永井公美子さん(ヴァイオリン)によるコンサートがウェルサンピア仙台、大内恭子先生(ピティナ会員)宅、仙台市立通町小学校体育館の3カ所で。ウェルサンピア仙台では、保育園の園児たちが誰も席を立つことなく30分の演奏に聞き入ったそうです。仙台市立通町小学校では、「トルコ行進曲」演奏に合わせ一緒に皆で歌ったり、また、「夏の思い出」「浜辺の歌」では保護者が涙ぐむ光景も見られました。
5月26日(木)の毎日新聞(大阪)に掲載された記事
被災地から各地に避難された方に、無料レッスンのボランティアをしてくださる会員をピティナが紹介。「レッスンだけでなく、練習室を無料で開放します」と申し出た方も多数。
6月10日現在、133教室が登録され、4人の方のためにレッスンが開始されている。大阪市東住吉区に避難している小学4年生の加藤香澄さんが、同住吉区の本田尚美先生にレッスンを受けることになった様子は、先日新聞に掲載されたばかり。
レッスンボランティアの登録は現在も受付中。宮城・福島を始め、全国の皆さんからの情報をお待ちしています。