自分が特級でグランプリをいただいて、もう13年が経ちます。以来、毎年のように聴きに行っていますが、今年からはファイナルの会場がサントリーホールになり、益々盛り上がることでしょう。
特級といえば、多くの作品を同時に準備することの大変さが目立つと思いますが、それよりも、作品の作曲学的理解をするためのスコアの読み込みと、それを当日、どのように音にして、最終的には聴き手の感情をどう動かすかということについて深く悩むことの方が大変だと思います。
レッスンで優れた指導者に教わることも大切ですが、曲数が多く、ほとんどの作品が自由なため、他の級に比べるとある程度自分で考えて仕上げることも必要となります。それだけに参加者の個性も楽しむことができます。特級では予選やセミファイナルでも素晴らしい演奏に出会うことができます。
さあ、皆さん、特級を聴きに行きましょう!
執筆:金子一朗(2005年特級グランプリ)