教育関係者と話すと、しばしば「褒められるために行う勉強（行動）は是か否か」という議論に至ることがあります。勉強は自発的、内発的な理由で行うべきものであって欲しいというわけです。

その意味では「試験で良い成績を取る」ことを目的に勉強をするのも「褒められるための勉強」と同じことです。「試験科目にあるものは勉強するが、試験に出ないものは一切勉強しない」のは、誰しもが、あまり好ましくない態度だと思うでしょう。

しかし、試験科目だからという理由でも、勉強をするなら、何もやらないよりは良いだろうという考え方もあります。それに最初は「褒められるため」とか「良い成績をとるため」だったとしても、続けるうちに、勉強そのものに楽しさや、意義を見つけられるかもしれません。

「コンペの課題曲だから徹底研究する」という姿勢は、楽曲研究やピアノ教育のレベルアップのきっかけとして、ぜひとも奨励したいというのが私の考えです。