最近「アウトリーチ」という言葉をよく聞きます。普段コンサートホールなどで演奏している音楽家が、学校や街中に出て演奏を披露する活動のことです。ピティナの事業に「学校クラスコンサート」がありますが、ピティナがプロの演奏家によるコンサートを主催しているわけではありませんので、私は、これを「アウトリーチ」とは呼んできませんでした。

「北本学校ガラコンサート」は、その学校クラスコンサートに参加した子供達にもう一度音楽を聴く場を提供するとともに、まだ参加していない子たちのために開いたコンサートホールでのコンサートです。学校で初めて演奏に触れた子供たちは、むしろ演奏家が学校からコンサートホールに出てきたと感じたかもしれません。

そのガラコンサートは、楽器紹介を兼ねた各楽器のソロ演奏、寸劇、合奏、子供達によるボディパーカッションや合唱とテンポ良く進行し、私にとっても全く飽きることがありませんでした。さすがは日頃からダイレクトに子供の反応を体感している演奏家たちだと感心しました。

学校や街中でのコンサートは、音楽に馴染みのない方への「啓蒙」の場として理解されることが多いのですが、演奏家が一般の方々からの反応をダイレクトに受け取ることのできる「リサーチ」の場でもあると思います。