「ピティナ伴奏者紹介」は、ある発案者の意見を聞いて始めたものです。ピアノ伴奏者は知り合いからの紹介、いわゆる「口コミ」で決まるケースが圧倒的に多く、経験が重要な分野なので、一度人気が出ると依頼が集中しがちです。また、一般にソリストほどの謝礼額にはなりませんので、マネジメント会社が間に入って手数料を取っても、それだけで採算を合わせることは困難です。各楽器奏者からピアニストを紹介して欲しいと切実なニーズを聞いたこともありませんでしたので、伴奏者紹介事業を始める必然性は決して高くはありませんでした。

しかし、ピティナでは既に「先生紹介」で年間4,000人を無料で紹介している実績がありましたので、気軽に「分からないならやってみよう」と思えました。いざスタートしてみると、着々と伴奏者紹介依頼が集まり、特に音楽コンクールでの需要があることが分かってきました。この夏には、バイオリン奏者の方がピティナで紹介したピアニストの伴奏で音楽コンクール最高位を取りましたので、依頼者に対して十分お役に立てることも立証されました。

多くの他楽器奏者にとっては、見ず知らずの人に伴奏を依頼することにまだ多少の抵抗があるかもしれませんが、このような実績を出していくことで、ピティナの伴奏者紹介が一般化されると思います。

そのときには、ピアニスト側も伴奏の技術を磨き、ソロの曲ばかりでなくレパートリーをもっと広げるようになるでしょう。優秀なアンサンブル・ピアニストが増えればピアノ伴奏への需要も高まり、ひいてはピアノの価値を高めることができるはずです。

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