継続表彰の意味

2024/07/11 執筆:専務理事 福田成康

昨年度、10回以上の継続表彰を受けた方は4,844人でした。ステップの全参加者のおよそ10人に1人です。

継続表彰は学校などでもらえる「皆勤賞」に似ています。「(ものごとを)続けられる人」という一種のアイデンティティを、目に見える形にできることに意味があります。場合によっては「入試に有利」というような場面もあるかもしれません。

今ではブルグミュラーコンクール、バッハコンクールといった提携コンクールへの参加も継続のポイントに加算されています。ピアノを着々と続けてきた方々は初めてのステップで表彰を受けることもできますので、励みとしていただたら嬉しいです。

今はご自身のニーズにあった多様な舞台があります。様々なステージ経験をご自身の糧としていただけることを願っています。

皆で支える特級

2024/07/04 執筆:専務理事 福田成康

「何をしたいですか?」
これは、グランプリが決まった瞬間、私が最初にかける言葉です。

ピティナは若いピアニストの夢や目標に寄り添い、伴走者として共に歩んでいきます。
心からやりたいことに全力で取り組めば、その先には新しい未来が広がると信じているからです。

今年は26名が特級二次予選に挑戦します。彼らが全力で理想の一音を追求し、真摯に音楽へ取り組む姿に心打たれます。会場で、あるいは配信で、あたたかいエールを送ってください。

彼らの未来をサポートするため、また全国のピアノ学習者へ音楽を届けるために、今年も「特級クラウドファンディング」を実施いたします。応援の輪に加わっていただければ幸いです。

家族会員向けの特別企画

2024/06/27 執筆:専務理事 福田成康

脳科学者の瀧靖之先生は「子どもが素敵な趣味を持って楽しくやってほしいと思うなら、保護者自身が楽しいと思うことをして、その姿を見せるのが一番」と話されます。子どもたちの能力を伸ばす秘訣は、家族や周囲の方々が共に楽しむことです。

ピティナには現在、2,300名の家族会員が所属しています。インタビューを通じて、コンペティションの課題曲にともに取り組み、親子でピアノを楽しむ様子が見えてきました。

また、お子様の成長には"憧れ"の存在が欠かせません。今回はお子様を特別なコンサートに招待する特別企画を多数用意しました。コンサートホールでの音楽体験は貴重です。音楽を通じた豊かな時間を、親子で共有していただければ幸いです。

ピティナでは今後も様々なプログラムを企画しています。お子様のピアノ学習をサポートする皆様のご参加を、心よりお待ちしております。

更なる国際交流の架け橋に

2024/06/20 執筆:専務理事 福田成康

ピティナとヤマハミュージックジャパンの共催で「日中指導者交流会」を実施しました。初めての試みです。国境を越えてピアノの指導法について意見交換ができたのは、両国合わせて33名の参加された先生方のおかげです。

交流会では指導法に関するプレゼンが行われ、レッスンを披露しあいました。生徒さん、あるいは楽曲へのアプローチ手法、音楽教育の在り方の違いが浮き彫りになり、そのことはピアノ指導の根幹を考えることにつながりました。

音楽は言葉を超えて共感を生み出す力があります。日本古謡「さくらさくら」や台湾民謡「望春風」といった曲の演奏は強い共感と感動をよび、文化交流の架け橋ともなっていました。ピティナでは引き続き積極的な国際交流に努めます。

秋の提携コンクール

2024/06/14 執筆:専務理事 福田成康

ピティナ・ピアノコンペティションの予選が各地で真っ盛りですが、秋に開催される「提携コンクール」の情報も続々入ってきています。

地域に根差したもの、年齢やレベルを絞ったもの、課題曲やテーマに工夫を凝らしたもの、動画でも応募できるものなど、学習者・指導者のニーズに合わせたバラエティ豊かなコンクールが並びました。生徒さんの状況やニーズに応じて、これだけのメニューが揃う国は、ほかにあるのでしょうか。ピアノコンクールは日本の音楽文化だなと、改めて誇らしく思います。

秋は学びの季節ですから、じっくりと基礎を見直してもよいですし、今まで見てこなかった新たなテーマや作品を勉強して世界を広げてもよいでしょう。

ピアノ指導者の皆様には、生徒さんの成長を促す最良のステージを探して、ピアノ学習にご活用いただければ幸いです。

『編曲オーディション』受賞作品公開

2024/06/06 執筆:専務理事 福田成康

「編曲」は昔からよくある音楽の作りかたです。多くのピアニストが演奏する《献呈》は、シューマンの歌曲をリストがピアノ独奏用にしたものです。最近の例では、たとえば平原綾香さんの《Jupiter》の原曲はホルストの《惑星(木星)》です。編曲は曲の新たな魅力を引き出し、より多くの人々に届けることもできます。

月刊ピアノとピティナの共同企画『編曲オーディション』では、優れた編曲作品を公募しています。このたび2024年度ピティナ・チャンネル賞受賞者の動画を公開しました。受賞者のうち、3名の方が童謡《かえるの合唱》を選んでいましたが、それぞれまったく違う作品に仕上がっています。ぜひ聴き比べてみてください。

春基準での指導者賞受賞者は243名

2024/05/30 執筆:専務理事 福田成康

2023年度の指導者賞が発表されました。生徒のステージ参加と指導者自身の自己研鑽をポイントにした「春基準」での受賞者は243名でした。これは全体の2.1%と希少なのですが、昨年は209名でしたので大幅に増えたことを嬉しく思っています。

本日のトップニュースでは、この春初めて指導者賞と新人指導者賞を受賞した方々のインタビューを紹介しています。「何よりも音楽を長く楽しめるように」「いつか音楽が救いとなるように」「ピアノがライフワークです!と言える人を増やせるように」と、演奏技術の指導を超えた、生徒さんの音楽人生への情熱が溢れる言葉に胸が熱くなります。

音楽との関わり方は十人十色です。生徒さん一人ひとりに寄り添い、長く音楽を楽しめるように伴走し続ける指導者の仕事は、人工知能には代替できません。ピティナは引き続き様々な切り口から、皆様の活動をサポートします。

ピアノを通じて「いのち」を受け継ぐ

2024/05/23 執筆:専務理事 福田成康

ピティナでは近年、遺贈寄付についての窓口を用意し、遺産の行き先について専門家と相談できる体制を整えています。とりわけピアノの行き先は、多くのピティナ関係者にとって切実な問題です。

ご家族がピアノを弾くなら相続するのが良いと思います。もし身近に音楽をする人がいない場合は、寄贈をお考えいただきたいです。長年使ったピアノは身体の一部のような存在ではないでしょうか。ピアノが新たな場所で活用されることは「いのち」が受け継がれることだと感じます。

今回の記事では、思い出のたくさんつまった大切なピアノの行き先についておうかがいしたアンケートを詳細に分析しました。いちど将来を考える機会としてみてはいかがでしょうか。

「指導者の祭典」ピティナ指導セミナー

2024/05/16 執筆:専務理事 福田成康

指導セミナーは全国のピアノ指導者が集い、共に学ぶ場です。57回目となる今回はホールとオンラインのハイブリッドで開催しました。ご参加の皆様、講師の先生方へあらためて御礼申し上げます。

毎年同日に「指導者ライセンス全級合格者表彰式」も行っています。指導者ライセンスでは音楽の知識とともに演奏技術や指導技術が求められます。すべての試験に合格された先生方は確かな成長を遂げて指導者・音楽家としての自信を深められたはずです。

今回のトップ記事では指導セミナーのダイジェスト動画を公開しました。学びを重ねるとともに、スキルを磨く実践の機会として、指導者ライセンスを利用していただけます。

グランミューズ・サロン

2024/05/09 執筆:専務理事 福田成康

1980年代の日本では年に30万台ものピアノが製造され、小学生女子の多くがピアノを習っていました。そしていま、当時の子どもたちが再びピアノに向かい、それぞれのピアノライフを楽しんでします。たとえばこの3月にパリで行われた第32回国際アマチュアピアノコンクールで一位となった小宮山康子さんは、お子さんに触発されてピアノを再開されたそうです。

ピティナでは多様な演奏機会を提供しようとコロナ前から「グランミューズ・サロン」を実施してきましたが、このたびはその「ファシリテータ型」を企画しました。従来のようにピアニスト中心の形ではなく、グランミューズ会員がファシリテータとなってイベントを進行します。今までより気軽に参加しやすいと感じる方も多いと思います。「ピアノ初めてさん」「お久しぶりさん」も大歓迎です。

ピアノを楽しむ様々な場が生まれています。もしお家の片隅でピアノが眠っていたら、もう一度音楽を奏でてみませんか??

丸の内エリアコンサート:音楽のORIGINESへの旅

2024/04/25 執筆:専務理事 福田成康

東京の春を彩る「丸の内エリアコンサート」を、今年もゴールデンウィークに実施します。

今年のラ・フォル・ジュルネ音楽祭(LFJ)のテーマは、「ORIGINES(オリジン)」。様々な国々の作曲家たちが受け継ぎ、次の世代へ紡いできたクラシック音楽の伝統にスポットライトを当てます。

オープンスペースの演奏会には、ピティナから50名以上の音楽家たちが参加し、それぞれが音楽の歴史と向き合ったプログラムを披露します。またコンサートホールでなく、街角で、皆が楽器を取り囲み、体を揺らしながら音楽を聴く、そんな体験もまた、音楽の「ORIGINES」であると言えるかもしれません。

長い歴史を持つ音楽を受け継ぎながら、自らの感性と向き合い、新しい音楽を創造していく若い音楽家たちと、新緑に包まれた丸の内でのひとときをお楽しみください。

ピティナ会員という

2024/04/18 執筆:専務理事 福田成康

今年(2024年)の1?3月は、過去の同じ期間と比べて最も多くの新入会の方がいました。

とりわけ家族会員が大幅に増えているのが特徴です。家族がピアノを通じて時間を共有することに、かけがえのない価値を感じる方が増えていることの表れだと思います。

また、指導者や保護者をはじめ多くの方々から、入会後に人とのつながりによって安心感や意欲が増したという声をいただいています。

生徒さんと指導者の間にはピアノの演奏技術を向上を目指すのみならず、強い絆が育まれます。さらにはピティナという大きな枠組みの中で多様で「ゆるい繋がり」を増やしながら、音楽を通じたウェルビーイングを広めていきたいと考えます。

皆さんのご入会を心より歓迎するとともに、今後加わってくださる方々をお待ちしています。

アドバイザーが光を当てる地域の音楽資源

2024/04/11 執筆:専務理事 福田成康

ステップのアドバイザーは参加者の方々へのアドバイスのみならず、全国各地のスポットに光を当てる役割をしていることをご存知でしょうか。アドバイザーにとってステップはその地域の新たな音楽と出会う場でもあります。

新たに出会うのは。参加者の演奏はもちろん、会場や楽器、ストリートピアノといった、その地域に根付く諸々の「音楽的資源」ということもあります。

今回のトップニュースでは、訪問先でストリートピアノを演奏されるアドバイザーの演奏などをご紹介します。「次回参加するアドバイザーはどんな先生で、どんな活動をしているのだろう」そんな視点をもってステップに参加されると、一味違う経験が得られるかもしれません。

ピティナ音楽研究所3年目の近況報告

2024/04/04 執筆:専務理事 福田成康

ピティナ音楽研究所は2022年に設立され、今年で3年目を迎えます。

最新の音楽研究とレッスンや演奏の現場が連携して発展することを願って研究所を設立しました。

たとえば装飾音の入れ方、様式に合ったルバートのかけ方といった演奏法、演奏・指導する曲目の選択、生徒さんにどう伝えるか、どのように成長を導くか、進路をどう考えてあげたらいいのかといった指導に関する内容など、音楽の研究が日ごろのレッスンに役立つ場面はたくさんあります。いっぽう、演奏や教育の実践で起きることの多くは学術研究の糧となります。

この度、新たに2名の協力研究員が着任しました。研究に励み、ピアノ・音楽業界をより豊かなものにしてもらいたいです。また、私自身も大学院で学んだ成果を還元したく、専門研究員として着任します。

背中を押すのも指導のうち

2024/03/28 執筆:専務理事 福田成康

4月1日から、2024年度コンペティションの申込受付がスタートします。

私は高校1年生の時に顧問の先生から陸上競技部に誘われました。そこで過ごした2年間はその後の人生に大きな影響を及ぼしました。具体的な助言以上に、誘っていただいたことそのものが最高の「指導」でした。

本人や親御さんが気づいていない未知の可能性を指し示し、背中を押してあげることこそが指導者の大きな役割です。多くの可能性に出会うべき時期にこそ、ピアノを学ぶ人たちの成長を願って入念に設計された、コンクールの仕組みをご活用いただきたいと願っています。

今年も多くのピアノ指導者・学習者の皆様との出会いを楽しみにしています。

公開録音コンサートのお知らせ

2024/03/21 執筆:専務理事 福田成康

様々な場面で音楽に触れたとき「この曲についてもっと知りたい」と思う瞬間があります。それがピアノ曲なら、インターネットで検索すればピティナ・ピアノ曲事典のページに辿りつくことが多いはずです。

ピアノ曲事典は、約90,000ページと22,000点以上の動画リンクをもつデータベースです。ここで試聴できる曲を増やすためのコンサートが2010年より継続して実施している「公開録音コンサート」です。

現時点で通算290回に到達し、2024年度中には300回を超える見込みです。《25の練習曲》で身近なF. ブルグミュラー没後150年を記念した連続公演など、工夫を凝らした企画を用意しています。皆様のご来場をお待ちしています。


ステップ課題曲のご紹介

2024/03/14 執筆:専務理事 福田成康

ステップは継続学習を応援するステージです。その中の23ステップでは、約7000曲が課題曲として演奏できます。

継続するにはピアノそのものを好きになることが大切です。その次の段階として基礎的な技術や外枠を学び、多くの曲と出会いながら自分の憧れの姿へ近づいていく。23ステップの課題曲はそんなステップアップができるように選定されています。

今回は2023年度に演奏された23ステップ課題曲のランキングや、教則本を紹介しています。7000曲もあるからこそ悩んでしまう先生もいらっしゃると思います。ぜひそんな先生方にレッスンの進め方のヒントとしてこのページをご参考にしていただけますと幸いです。

コンペ課題曲の有効活用

2024/03/07 執筆:専務理事 福田成康

コンペ課題曲は、ソロ部門A2からB級では1つの級につき13曲です。選定委員が1年間かけて選んでいます。これらの曲には色々な調性、拍子、曲調がバランスよく入っており、教育の上で取り組む価値が高いものです。

課題曲はまず指導者の皆様に全曲弾いてみることをお勧めしたいです。また今年は「YouTube聴き比べ動画」の数を増やして例年以上に充実させています。多くの曲を聴けば視野が広がり、一つの曲について何種類もの演奏を聴けば理解が深まります。使い方によって様々な学びを得られますから、コンペの参加有無に関わらず、課題曲を有効活用していただきたいです。

さらには「私はこれが好き」「こんな風に弾いてみたい」といった感想から始まって先生と生徒さん、あるいは親子の間で対話が生まれ、楽しく充実した学びにつながることを願っています。

競い合いが人を磨く

2024/02/29 執筆:専務理事 福田成康

子どものピアノコンクールは動機付けの一手段で、貴重な人格形成の場です。

競うという字は2つの「儿(人)」で成り立ちます。他者の存在が刺激となって、未来にむけて努力する意欲が湧きませんか。

全員が望む結果を得られるわけでないという点も重要です。相対評価を経験した人であれば、結果は個人の努力だけで決まるものではないと身をもって知っています。いきすぎた自己責任論に偏ることなく、他者にも自分にも寛容でいられます。

今年は新たに「動画予選」を実施します。地域や日程の制約を超えてコンクールを体験することが目的です。より参加しやすくなったピティナ・ピアノコンペティションを、ぜひ多くの指導者・学習者の皆さんに活用していただきたいと思います。

ピアノの練習時間に関するアンケート結果報告

2024/02/22 執筆:専務理事 福田成康

多くの生徒さんはピアノ指導者が思っているよりも、よく練習をしています。

ピアノ上達のカギは練習ですが、その内容はブラックボックスでした。練習の成果を測るのはレッスンでの演奏の出来栄えです。そこで問われるのは多くの場合、練習量すなわち時間でした。「たくさん練習してえらいね」あるいは「もっと練習しなさい」という言葉がけになるわけです。しかし実は「練習の質」こそ大事だということがわかってきました。

現在、開発中の「hiketa(仮称)」では、自宅練習で取り組んだ内容を指導者が閲覧でき、練習プロセスが可視化されます。また、自主的な練習を支援するシステムのため、保護者もずっと付き添って練習に付き合うことなく、指導者も生徒の自宅練習が増えることで音楽表現により力を入れることもできるようになるでしょう。生徒、保護者、指導者それぞれに、音楽を通して豊かな人生が提供できるシステムとなるべく、開発を進めて参ります。

提携コンクールで多様なコンクールをご紹介

2024/02/15 執筆:専務理事 福田成康

今月行われたバッハコンクール全国大会では2,500人以上が東京のホールで演奏し、表彰式ではステージ上で参加者にトロフィーが渡されました。スポットライトを浴びての演奏、賞の重み、手にできなかった悔しさ。数々の心の機微が「ピアノを弾く自分」というアイデンティティを創ると思います。

日本はピアノコンクール大国です。バランス型のピティナ・ピアノコンペティション、バロックに特化したバッハコンクール、ポピュラーや連弾コンクールなどが、それぞれの特色を通じてピアノ学習者の個性を伸ばす多様な学びを後押ししています。生徒さんの「自分は弾ける」という自尊心や「もっと頑張りたい」という向上心を、それらのコンクールをうまく活用して伸ばしていただきたいです。

今回は提携コンクールを活用する3名のピアノ指導者にお話を伺いました。生徒さんが一歩踏み出すきっかけに、ぜひご活用ください。

アップライトピアノ再考

2024/02/08 執筆:専務理事 福田成康

静岡県楽器製造協会の調べによれば、2023年度の国内向け楽器生産販売実績では、アップライトピアノは、グランドの2倍強の台数となっています。また、販売数から見れば電子ピアノの普及が目覚ましいのですが、ピアノ学習をある程度継続している方々の間では、アップライトは今も多数派です。

アップライトは、一般的には板に囲われており、普段は鍵盤から先の中身が見えません。調律の際に外装板を外すことで露出する煌びやかな内部に、つい近寄って観察したという方も多いと思います。グランドよりも普及している身近な楽器ですが、楽器内部を見たり触れたりする機会は意外と少ないかもしれません。

今回5回目となる「ピアニスト×調律師徹底対談」のテーマは「アップライトピアノ」です。アップライトを味わい尽くすヒントを得る場として、あるいはその価値や意義を再認する機会として、ぜひご注目ください。

能登半島地震で被災した2ステーションへの援助

2024/02/01 執筆:専務理事 福田成康

1月1日に発生した石川県能登地方の震災に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

災害など様々な苦難が立ちはだかるたびに「音楽でできること」について考えます。日々の生活を取り戻す過程では、音楽活動が最優先となりにくいことは否めません。しかし、どんな状況にあっても音楽は心の支えになり得ますし、音楽で培われた共感や助け合いの精神は、多くの人々を救ってきました。

現在、能登半島にある2つのステーション活動の存続が危ぶまれています。ステップの再開は今すぐには難しいかもしれませんが、多くの方々が音楽に触れ、ともに学ぶ拠点を残したいと思います。ピティナは音楽を通じて助け合う組織です。会員の皆様のご助力をお願い申し上げます。

角野隼斗 UPRIGHT PIANO PROJECT 開催レポート

2024/01/25 執筆:専務理事 福田成康

最近、野球の大谷翔平選手が全国の小学校にグローブを届けたことが話題となりました。憧れの存在が応援してくれている実感をもつことは、子どもたちにとって大きな意味を持ちます。

角野隼斗さんが全国ツアーで使用されたアップライトピアノを貸し出す「角野隼斗 UPRIGHT PIANO PROJECT」は昨年7月に始まり、すでに全国8カ所を回りました。

ピアノが各地を巡る趣向は珍しいと思いますが、数々の創意工夫を凝らした企画が生まれ、全国各地へ角野さんのピアノを届けることができました。多くの人を集める求心力に感動するとともに、ピアノの新たな価値が生まれることを予感しています。

ピアノの継続学習につながる「連弾」

2024/01/18 執筆:専務理事 福田成康

2023年度のピティナ・コンペティションで参加者数が最も伸びたのはデュオ部門です。昨年のコンペのデータによると、学年が上がるほど連弾の参加率が大きくなっています。

連弾には一人では音楽を完成できない難しさがありますが、二人だからこそ生まれる新たな音楽に触れ合えます。他人と目標を共有することがピアノを継続するモチベーションを高めますし、お互いの演奏を聴き合い、コミュニケーションを図ることで社会性も身につきます。

「連弾」がピアノの継続学習に重要な役割を果たし、音楽的にも人間的にも成長させてくれると考えています。

3月2日(土)には、2024年度コンペデュオ部門の課題曲説明会を開催します。久々の実地開催で、特別な企画もご用意しています。ぜひご参加ください。

自治体連携のプロジェクトが進んでいます

2024/01/11 執筆:専務理事 福田成康

近年、経済状況や地域による子どもの「体験格差」が社会問題となっています。子どもの興味、関心、意欲を育み豊かな人間性や価値観を形成するうえでは、学校外の体験も重要な要素です。

このたび神戸市×ピティナ×神戸クラシック協会は、官民協働で神戸市内5か所のストリートピアノを活用し「ストリートピアノ無料体験教室」を実施しました。27名の子どもが4回のレッスンを受け、最終日に演奏を披露しました。貴重な体験になったはずです。

今後もより多くの自治体でストリートピアノを活用してほしいです。たとえば栃木県県庁ではピアノにいちごの装飾を施して「県庁Berry Piano」として今週末(1月14日)お披露目されます。実は発案者の一人なのでとても嬉しいです。

引き続きピティナでは、皆さんとともに音楽教育の力で社会課題の解決に挑戦していきます。

2024年度の指導セミナーは「レッスン」がテーマ

2024/01/04 執筆:専務理事 福田成康

「探究学習」の重要性が教育現場で頻繁に聞かれるようになりました。自ら問いを立てたのち様々な方法で答えを探す学習方法です。ピアノ演奏を磨く過程は自ら課題を設定し、情報を集めて表現する「探究学習」そのものだと思います。

2024年度の指導セミナーは指導の原点に立ち返って「レッスン」をテーマとしました。
第1部と2部は公開レッスンです。まずは生徒さんの演奏を聴いて「自分ならこう指導する」というイメージを持って臨まれると学びが深くなるはずです。学んだ成果をご自身の生徒さんのレッスンで活用=表現することで、指導力が磨かれます。

第3部は室内楽がテーマです。楽器を通じた上質なアンサンブルに触れるともに、会場での受講者どうしの対話も、ぜひ楽しみにご参加ください。

コンペ課題曲説明会は5年ぶりホール開催

2023/12/21 執筆:専務理事 福田成康

2024年3月1日、2日のコンペ課題曲説明会は、5年ぶりにホールで開催します。

課題曲説明会は毎年、コンペの開会式と位置付けて課題曲発表にあわせて実施してきました。演奏や解説はオンラインでも聴けますが、実地とは情報量が大きく異なります。そして講師や聴講されるピアノ指導者が一所に集い「今年も頑張りましょうね」と励まし合うことで実地開催ならではの空気感が生まれます。

今回は実地での交流を促すため、従来の説明会に加えて懇親会や作曲家によるトークコンサートなど新たな企画を盛り込みました。引き続きオンライン聴講を希望される方には、eラーニング加入者対象として、ライブ配信も実施します。

2024年コンペの開幕を一緒に迎え、モチベーションを高め合う機会として活用いただきたいと思います。

音楽総合力UPセミナーで新たな気付きと喜び

2023/12/14 執筆:専務理事 福田成康

「音楽総合力UP」企画は来年で節目の15年目を迎えます。このたび「音楽総合力UPセミナー(旧ワークショップ)」と改称しました。

今回も指揮者、様々な楽器奏者、脳内科医師、法学者、情報学研究者など、実に様々な講座が予定されています。

多種多様な分野の最前線で活躍されている先生方の話は、音楽をより深く、時には思ってもみなかった視点からとらえなおす良いきっかけになると思います。ふと目線を落として道端に美しい花を見つけ、あるいは偶然の出会いが人生を一変させるように、新たな気付きと喜びを与えてくれる学びとなるはずです

本日のトップニュースでは、音楽総合力UPセミナー2024のプログラムをご紹介いたします。
皆様のご参加をお待ちしております。

ピアノ教室紹介の現状報告

2023/12/07 執筆:専務理事 福田成康

ピティナ・ピアノ教室紹介は、専属の仲介スタッフ10名が年間約10万本の電話とメールを駆使して、習いたい方と先生とをつないでいます。

指導者の多くの方が自宅でレッスンを行っていますので、初対面の人が個人宅に出入りすることになります。紹介のプロセスをスタッフが仲介することで安心感が高まります。生徒と先生がお互いに心地よく出会い、トラブルを最小限に抑えるお手伝いをしています。

ピアノ教室紹介のウェブページには日本全国約9,000名にのぼるピティナ会員の指導者を掲載しています。紹介料はかかりません。まだ掲載されていない先生方はぜひご利用ください。ピアノを習いたい方は、まずお近くの先生を探されてはいかがでしょうか。

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