課題曲説明会の情報公開

2024/12/19 執筆:専務理事 福田成康

経験豊かな講師陣による「コンペ課題曲説明会」を、3月3日(月)・4日(火)に開催します。多様なコンクールが実施される今だからこそ「四期を学ぶ」ピティナ・ピアノコンペティションの独自性を改めて実感しています。

浜松国際ピアノコンクールで優勝した鈴木愛美さん(2023年度特級グランプリ)は、ハイドンのソナタを審査員に激賞され、モーツァルトで室内楽賞も受賞しました。コンペではA2級から全ての級を受けてきた鈴木さんは、チェルニーを弾くのが好きだったそうです。四期をバランスよく学んできた成果ではないでしょうか。

懇親会は今年も実施します。前回は初参加の先生方も自然に交流の輪に加わり、ピアノ教育を軸とした温かなつながりが生まれました。多くの仲間と対面して知識や技術を共有することは、オンライン受講だけでは実現できない、学びの重要な要素です。

同じ志を持つ全国の仲間と集い、コンペの開幕を盛り上げましょう。

2025年年度の音楽総合力UPセミナー

2024/12/12 執筆:専務理事 福田成康

音楽総合力UPセミナーは、2025年で16年目を迎えます。ピアノはもちろん、尺八やマリンバ、音響技術など、様々な分野のスペシャリストをお招きして開催します。

本セミナーは、音楽の持つ多様な側面に光を当ててきました。音楽には、演奏する、聴く、届けるなど、様々な関わり方があります。作曲家や演奏家の思い、聴衆の経験、音楽を届ける人々の熱意--すべてが響き合って音楽が生まれます。自分から遠いように感じる講座でも、必ず新しい気づきがあるはずです。

今年度は会場とオンラインの2コースを統合し、毎回、皆様のご都合次第で受講方法を選べる形としました。実地で受ける講座の情報量は大きく異なりますし、交流からの学びも得られます。ご遠方の方も「これは」と思う講座はぜひ実地参加をご検討ください。

新入会員の皆様による「ピティナのエピソード」

2024/12/05 執筆:専務理事 福田成康

昨年12月から今年11月まで一年間のピティナ新入会員は1,445名を数え、昨年より312名増えました。多くの方々を仲間としてお迎えできたことを、心から嬉しく思います。

特筆したいのは家族会員の入会が昨年の1.5倍ということです。また、グランミューズ会員も着実に増え、その活動の場である「グランミューズサロン」は全国各地に広がりました。ピアノを学び、楽しみ、共に歩む仲間の輪が、確実に大きくなっています。

今回のトップニュースでは、新入会員の皆様による「ピティナのエピソード」を特集しています。指導法のアップデート、親子でピアノを学ぶ楽しさ、大人がステージ経験を重ねる醍醐味など、様々な体験談を紹介しています。

長年にわたり共に音楽の喜びを分かち合ってきた会員の皆様、そして新たにご入会の皆様に重ねて御礼申し上げます。なお、入会を検討中の方のためにオンライン説明会も実施しています。皆様のご参加を心よりお待ちしています。

「特級」を活躍の経由地点に

2024/11/28 執筆:専務理事 福田成康

先日閉幕した第12回浜松国際ピアノコンクールで、2023年度グランプリの鈴木愛美さんが日本人として初めて優勝しました。特級を巣立ったピアニストの活躍は嬉しいものです。

2025年度は特級の参加方法をリニューアルしました。これから海外を目指す方はもちろん、すでに留学して国際的な舞台で活動している方も日本での活躍の足掛かりにしていただけるよう、直近のファイナリストや国際コンクールの上位入賞者に2次予選で最大3名のシード権を作りました。また、来年のセミファイナルでは室内楽で世界屈指のトップ・オケ、ミュンヘン・フィルのメンバーとの共演機会も提供します。

特級には実地と同時配信を合わせて7,000人を超える聴衆がいます。審査会場は今後応援してくださる方との出会いの場です。中でもセミファイナル以降をコンサートとして位置づけ、出演者全員に演奏謝礼を支払います。多くのピアニストのご参加をお待ちしています。

憧れが育む音楽の心

2024/11/21 執筆:専務理事 福田成康

子どもたちの音楽への情熱を支える最も大きな力は「憧れ」です。岸和田では、地元のステーションが学校クラスコンサートを企画し、演奏会員の早田さんをはじめとする演奏家たちが、子どもたちの心にあこがれの種を蒔き続けています。

ピティナのコンペティションからは、数多くのピアニストが育ち、全国各地で演奏活動を展開しています。こうした演奏会員たちは、地域の音楽文化を支える大切な存在となっています。皆様も、ぜひピティナのネットワークを活用し、地元の演奏会員と協力して、より多くの方々に生の演奏に触れていただく機会を作ってみませんか。

そして、レッスン室もまた「憧れ」を育む場所です。指導者自身による演奏や、ピアニストの直接指導を通じて、生徒たちは「私もこんな風に弾きたい」と心を動かされるはずです。地域の活動やレッスンを通じて、みなさんへ生きた音楽が届くことを願っています。

ソロ・デュオ部門入賞者記念コンサート

2024/11/14 執筆:専務理事 福田成康

今年度もコンペティションのソロ・デュオ部門入賞者による記念コンサートを開催します。

小さなピアニストから世界で活躍することを目指す学生まで、それぞれの物語をもって出演者が集まります。コンペを通じて技術だけでなく心や音楽も深め、成長を重ねた入賞者たちが演奏を披露します。

ピアノが弾けなくとも命がなくなるようなことは滅多にありませんが、私たちが「文化」と呼ぶものは、心を豊かにし、共鳴させる力を持っています。ピアノを奏で耳を傾けることも、まさに文化的な行為の一つです。

独りで豊かな音楽を紡ぐことのできるピアノを通して、演奏者と対話を交わす時間は、何ものにも代えがたいひとときです。ぜひ会場へ足を運び、未来を担うピアニストたちに温かいエールを送ってください。

グランミューズ部門入賞者記念コンサート

2024/11/07 執筆:専務理事 福田成康

11/7(木)より、グランミューズ部門入賞者記念コンサートのチケット販売が開始されました。

コンクールはハレの場ですが、今やピアノ生活を彩る場として広く親しまれています。
グランミューズ部門のコンペティションに参加される方は、同じカテゴリーに何度も挑戦したり、継続的に参加する方が非常に多いです。

このコンサートはピアノを一生の趣味とする方々が集い、お互いに讃え合う素晴らしい場です。グランミューズ部門にご参加いただいた方はもちろん、ピアノを愛する皆様にぜひ、足を運んでいただきたいです。

来年の入賞者記念コンサートに出演するのはあなたかもしれません。

ピティナ支部活動のご案内

2024/10/31 執筆:専務理事 福田成康

ピティナには、全都道府県に計128の支部があり、指導会員の約7割が支部に所属しています。

支部活動への参加には多くのメリットがあります。例えば地域の仲間と研鑽を積むことで指導の幅が広がり、情報交換を通して成長のヒントを得ることができます。
支部主催のイベントやセミナーは、スキルアップの貴重な機会となるでしょう。

このたび、支部に所属していない会員向けに、オンライン支部説明会を企画しました。
この機会にぜひ、お近くの支部の門を叩いてみてはいかがでしょうか。新しい発見や出会いが、待っているはずです。

地域で繋がる、共に学ぶ喜びを、ピティナの支部活動を通じて実感してみませんか。

コンペ審査員の声 音楽教育の最前線から

2024/10/24 執筆:専務理事 福田成康

今夏のピティナ・ピアノコンペティションでは、844名の審査員の方々に2,007件の審査をご担当いただきました。いくつもの条件が重なる状況の中でお力添えくださった審査員の皆様に心より感謝申し上げます。

実施したアンケートでは、多くの審査員が音楽教育や指導者同士の交流に意義を感じていることが分かりました。「他の先生方の指導法に触れることで自身も成長できる」「若い演奏者たちの真摯な姿勢に刺激を受ける」といった声が寄せられています。

一方で、長時間審査の負担や平均点の上昇傾向など、課題も見えてきました。これらに対しては、時間割や採点方法の改善を検討してまいります。

コンペティションは順位付けの場というだけでなく、すべての関係者が互いに学び合う交流の機会です。今後も皆様のご意見を伺いながら、より良いコンペティションの実現に努めてまいります。「音楽がつなげる豊かな人生」のビジョンに向かって、共に歩んでいけることを嬉しく思います。

サロン型ステップ

2024/10/17 執筆:専務理事 福田成康

今年はじまった「サロン型ステップ」はアドバイザーの先生方との濃密なコミュニケーションが特徴で、既に多くの方から好評の声をいただいています。

3人のアドバイザーから手書きのコメントがもらえるステップとは異なり、サロン型はアドバイザーが2名となるのですが、口頭でコメントがもらえます。質疑応答によってより深い内容を伝えることができますし、目の前でピアノを実際に弾いて見せることもできます。

ステップはアドバイザーや地区によって大きく特色が変わります。能登半島の穴水地区では1月の地震、9月の豪雨を乗り越えて初のサロン型ステップが開催されました。災害を乗り越えた方々の強い思いがあってこそ実現したステップであり、充実した交流も相まって、あたたかい雰囲気に包まれました。

今後もサロン型は全国各地で開催予定です。たくさんの方のご参加をお待ちしています。

会報がマイページで閲覧可能に

2024/10/10 執筆:専務理事 福田成康

ピティナ・マイページ上の会員限定コンテンツとして、会報「Our Music」のバックナンバーが閲覧できるようになりました。今回公開するのは過去2年分のみですが、反響を見ながら、バックナンバーの追加や検索機能の導入を予定しています。

「Our Music」には、ピティナの事業活動や会員の皆様が長年にわたって繋いできた歴史と関係性が詰まっています。過去の会報を読むことによって、ピティナという枠組みの中で脈々と生きている多方面の繋がりを感じていただけるのではないかと思います。

あわせて会報の最新号となる『2024コンペ結果特集号』が完成しました。こちらはまず紙媒体でお届けし、マイページへは後日公開予定です。会員の方には新たなサービスをご活用いただき、未入会の方にはぜひご入会いただいて、ともにピアノ教育の歴史を紡いでいただけましたら、幸いです。

ピティナ・ピアノステップとトークコンサート

2024/10/02 執筆:専務理事 福田成康


ピティナ・ピアノステップには「参加するとメッセージがもらえるステージ」というイメージがあると思いますが、それだけではないことをご存知でしょうか。
メッセージを送るアドバイザーが参加者と同じステージで演奏するのが、ステップの「トークコンサート」です。

コロナ禍が始まった2020年には開催数がゼロになってしまいましたが、2023年度は全ステップ地区のうち約42%がトークコンサートを実施しました。ステップならではの催しが再び盛り上がっています。

コンサートの内容はアドバイザーによって様々ですが、 コンサートを通して「たくさんの人にピアノがもつ可能性の大きさに気付いてほしい」という思いは共通しています。

トークコンサートはステップの参加者だけでなく、誰でも聴くことのできる入場無料のコンサートです。
ぜひお住まいの近くのステップで、トークコンサートへ足を運んでみてください。


ピティナ・ピアノ曲事典の今

2024/09/26 執筆:専務理事 福田成康

ピティナは2002年から「ピティナ・ピアノ曲事典」を作り続けています。ピティナ会員をはじめ多くの音楽家の方々からのご寄付、そして演奏音源や動画のご提供により、発展してきました。今も過去最速のペースで拡大を続けています。お力添えに心より感謝申し上げます。

多くのピアノ指導者からは「解説文を参照する目的で使っている」という意見をいただいています。wikipediaのようにユーザー自らが作るコンテンツが隆盛ですが、ピアノ曲事典の解説文の多くには、執筆者名を明記しています。前者は最新情報を取り入れやすく、後者は信頼性が高まるという、それぞれの特長があります。

今後、マイページと連動して利用者の皆様による知見も集まるような仕組みを作る予定ですが、記名記事やピアニストの方々による演奏音源(動画)もさらに充実させます。ピアノ曲事典を広く、深く発展させたいと考えていますので、引き続きご支援をお願いいたします。

A1-F級コンプリート賞

2024/09/19 執筆:専務理事 福田成康

コンペへの継続参加を称える「A1-F級コンプリート賞」は、私にとって特に思い入れの深い賞の一つです。受賞するには通常10年にわたる挑戦が必要です。結果に左右されずに長く挑み続ける力は、ピアノの技術向上だけでなく、人間的な成長にもつながります。

ソロ部門E級に参加した後、翌年F級に進む方の継続参加率を調べたところ、これまで約25%前後だった継続率が、今年は30%以上に増加しました。これは、コンプリート賞を目指してF級まで続ける方が増えた結果だと考えており、とても嬉しく思います。

今回コンプリート賞を受賞された192名の皆さんには、この賞を一つの節目として、これからもピアノと共に豊かな人生を歩まれることを心から願っています。

海外在住会員のご活躍

2024/09/12 執筆:専務理事 福田成康

リモートでのコミュニケーション手段が一般的になり、場所や時間に縛られず、海外に拠点を置く会員の方々にお力添えいただく機会が増えてきました。海外経験を持つ方々がピティナの活動に関わることで、日本の音楽教育に多様な知見がもたらされています。

本日のトップニュースでは海外在住の会員の活動を紹介します。近年、コンペ審査員やステップのアドバイザー依頼が多くなっています。また、先日はドイツを拠点に活動されている保屋野美和先生の働きかけにより、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団メンバーによる室内楽研修会が実現しました。

国際交流をきっかけとして文化の違いに触れ、社会における自分の役割を見つめなおすことができます。ご協力いただいている会員の皆さまに深く感謝申し上げるとともに、その効果を広くお伝えしたいと思います。

各地の入賞者記念コンサートに特級ゲスト

2024/09/05 執筆:専務理事 福田成康

ピティナ・ピアノコンペティションの熱い夏を終え、大きく成長した皆さまは、それぞれの新しい目標に向かって邁進されていることと存じます。

入賞者記念コンサートでは、ピティナの各支部でコンペティションで頑張った子どもたちを讃えるステージを用意しています。その舞台には、クラウドファンディングを通じて皆様から頂いた支援により、今年の特級入賞者たちがゲストとして招かれます。温かいご支援に心より感謝申し上げます。

この入賞者コンサートは、他の学年の演奏者たちとの交流の場でもあり、競い合った仲間たちがパラレルにつながり、共に成長していく場です。また、会場に足を運んでくださる聴衆の皆さまとの新たな交流をきっかけに、さらなる飛躍が期待されます。

「演奏者は聴衆が育てる」と言われるように、入賞者たちが全国各地で多くの方々と交流を深め、大きな経験の糧となることを願っております。

特級クラウドファンディングの御礼・ご報告

2024/08/29 執筆:専務理事 福田成康

2024年度のコンペティションが無事に幕を閉じました。ご参加、ご協力いただいた皆様に、心より御礼申し上げます。

コンペの象徴的である特級では4度目となるクラウドファンディングを実施し、総支援額3,650,000円、支援件数247件、達成率202%という大きな成果を上げることができました。このご支援は特級サポーターの輪を広げ、ピアノ業界のさらなる発展を後押しするものです。多くの人々からの注目とご協力により、ピアニストたちにより高いレベルの体験を提供し、聴衆の皆様へ多様な企画をお届けできたと感じています。

とはいえまだ道半ばです。これからの1年も音楽を愛する皆様とともに、より一層楽しんでいただけるには何が必要かを考え、実現してまいります。そして、来年もまた同じ場所で皆様とお会いできることを楽しみにしています。

2024コンペティション全国大会、まもなく開幕!

2024/08/08 執筆:専務理事 福田成康

全身全霊を傾けられるものがあれば人生は充実します。オリンピックの出場者たちは、想像を絶する厳しいトレーニングを行い、自らの限界に挑戦し続けています。メダルを数えるのも楽しみ方の一つですが、彼らの人生をかけた挑戦を感じられる時、心からの共感と敬意を持つことができます。

コンペティションの全国大会に出場する方々も、同じように情熱を燃やしています。それぞれの目標に向かって日々の練習に励み、技術を磨いてきました。その背景には、それぞれの人生があり、夢があります。全国大会はその集大成を表現する場です。

目標に向かって努力し、その過程で自らを成長させていくことは、私たちの人生をより豊かで、意味のあるものにしてくれるはずです。出場者の姿は、聴衆となるわれわれ自身の背中を押してくれる力強いメッセージでもあります。ぜひ多くの方に全国大会へいらして頂き、ご一緒に応援したいと思います。

2024年コンペ予選を振り返って

2024/08/01 執筆:専務理事 福田成康

2024年のピティナ・ピアノコンペティションは本選、全国大会の時期になりました。

今年の予選全体の参加組数は少子化の影響もあり減少しましたが、自発的に参加する方が多く、長年の継続が必要なグランミューズ部門やG級・特級は増加しています。また、新設された動画予選を利用してコンペに初めて参加・併願される方々がいたことも今年のトピックです。

ピティナは毎年、課題曲の選択率と予選通過率のデータを公開していますので、是非、皆様それぞれのチャレンジを経た視点から眺めてみてください。

予選に参加された皆様は、日々課題に向き合い本番を迎える中で様々な感情を抱かれたことでしょう。個人の体験・記憶と、俯瞰的なデータ・記録を併せ見ることで、次の目標が見つかると思います。継続的なピアノ学習の一助となりますことを願っています。

特級二次予選オンライン中継

2024/07/25 執筆:専務理事 福田成康

今週末から、いよいよ特級の二次予選がスタートします。今年もJ:COM浦安音楽ホールの共催を得て、会場とライブ配信の両方でお楽しみいただけます。

先日、2018年の特級グランプリ、角野隼斗さんの日本武道館公演に行きました。1万3千人のお客様に囲まれ、何一つごまかしの効かない状況で誰もが知る名曲を演奏し、生身ひとつの自分をさらけ出す角野さんの姿に、強く感銘を受けました。

今年も二次予選進出者の演奏やインタビューの動画が既に公開され、多くの方にご視聴いただいています。匿名のSNSが流行し、生成AIの二次創作が話題になる時代ですが、進出者26名は本名を名乗り1000人以上が見守る中で演奏します。披露するのは何億回と弾かれてきたクラシック音楽の名曲です。

特級のステージへ臨む26人に改めて敬意をおぼえます。会場と配信で、ぜひピアニストたちを応援してください。

アンサンブル・ワークショップ2024

2024/07/18 執筆:専務理事 福田成康

ピアノは時にオーケストラの模倣を求められます。オーケストラでは何十人もの演奏者がそれぞれ役割を受け持って一つの曲を演奏しますが、ピアニストはひとり・ふたりで演奏することがほとんどです。オーケストラ作品の編曲ではなくピアノ・ソロのために書かれた曲でも、ピアニストは一人で何役もこなします。これはとても大変なので、なかなかうまくいかないときもあります。では自分はひとつの役割に専念し、他の人と一緒に音楽を作ってみたらどうなるでしょうか?

10月5日に開催するアンサンブル・ワークショップでは、簡単に片手で弾けるようにピアノ・ソロ曲を1声部ずつに分解して、4人で演奏してみます。他の人と分担して一緒に音楽を作り上げることで、新たな気づきがあるかもしれません。子どもの方から大人の方まで、ぜひチャレンジしてみませんか?

継続表彰の意味

2024/07/11 執筆:専務理事 福田成康

昨年度、10回以上の継続表彰を受けた方は4,844人でした。ステップの全参加者のおよそ10人に1人です。

継続表彰は学校などでもらえる「皆勤賞」に似ています。「(ものごとを)続けられる人」という一種のアイデンティティを、目に見える形にできることに意味があります。場合によっては「入試に有利」というような場面もあるかもしれません。

今ではブルグミュラーコンクール、バッハコンクールといった提携コンクールへの参加も継続のポイントに加算されています。ピアノを着々と続けてきた方々は初めてのステップで表彰を受けることもできますので、励みとしていただたら嬉しいです。

今はご自身のニーズにあった多様な舞台があります。様々なステージ経験をご自身の糧としていただけることを願っています。

皆で支える特級

2024/07/04 執筆:専務理事 福田成康

「何をしたいですか?」
これは、グランプリが決まった瞬間、私が最初にかける言葉です。

ピティナは若いピアニストの夢や目標に寄り添い、伴走者として共に歩んでいきます。
心からやりたいことに全力で取り組めば、その先には新しい未来が広がると信じているからです。

今年は26名が特級二次予選に挑戦します。彼らが全力で理想の一音を追求し、真摯に音楽へ取り組む姿に心打たれます。会場で、あるいは配信で、あたたかいエールを送ってください。

彼らの未来をサポートするため、また全国のピアノ学習者へ音楽を届けるために、今年も「特級クラウドファンディング」を実施いたします。応援の輪に加わっていただければ幸いです。

家族会員向けの特別企画

2024/06/27 執筆:専務理事 福田成康

脳科学者の瀧靖之先生は「子どもが素敵な趣味を持って楽しくやってほしいと思うなら、保護者自身が楽しいと思うことをして、その姿を見せるのが一番」と話されます。子どもたちの能力を伸ばす秘訣は、家族や周囲の方々が共に楽しむことです。

ピティナには現在、2,300名の家族会員が所属しています。インタビューを通じて、コンペティションの課題曲にともに取り組み、親子でピアノを楽しむ様子が見えてきました。

また、お子様の成長には"憧れ"の存在が欠かせません。今回はお子様を特別なコンサートに招待する特別企画を多数用意しました。コンサートホールでの音楽体験は貴重です。音楽を通じた豊かな時間を、親子で共有していただければ幸いです。

ピティナでは今後も様々なプログラムを企画しています。お子様のピアノ学習をサポートする皆様のご参加を、心よりお待ちしております。

更なる国際交流の架け橋に

2024/06/20 執筆:専務理事 福田成康

ピティナとヤマハミュージックジャパンの共催で「日中指導者交流会」を実施しました。初めての試みです。国境を越えてピアノの指導法について意見交換ができたのは、両国合わせて33名の参加された先生方のおかげです。

交流会では指導法に関するプレゼンが行われ、レッスンを披露しあいました。生徒さん、あるいは楽曲へのアプローチ手法、音楽教育の在り方の違いが浮き彫りになり、そのことはピアノ指導の根幹を考えることにつながりました。

音楽は言葉を超えて共感を生み出す力があります。日本古謡「さくらさくら」や台湾民謡「望春風」といった曲の演奏は強い共感と感動をよび、文化交流の架け橋ともなっていました。ピティナでは引き続き積極的な国際交流に努めます。

秋の提携コンクール

2024/06/14 執筆:専務理事 福田成康

ピティナ・ピアノコンペティションの予選が各地で真っ盛りですが、秋に開催される「提携コンクール」の情報も続々入ってきています。

地域に根差したもの、年齢やレベルを絞ったもの、課題曲やテーマに工夫を凝らしたもの、動画でも応募できるものなど、学習者・指導者のニーズに合わせたバラエティ豊かなコンクールが並びました。生徒さんの状況やニーズに応じて、これだけのメニューが揃う国は、ほかにあるのでしょうか。ピアノコンクールは日本の音楽文化だなと、改めて誇らしく思います。

秋は学びの季節ですから、じっくりと基礎を見直してもよいですし、今まで見てこなかった新たなテーマや作品を勉強して世界を広げてもよいでしょう。

ピアノ指導者の皆様には、生徒さんの成長を促す最良のステージを探して、ピアノ学習にご活用いただければ幸いです。

『編曲オーディション』受賞作品公開

2024/06/06 執筆:専務理事 福田成康

「編曲」は昔からよくある音楽の作りかたです。多くのピアニストが演奏する《献呈》は、シューマンの歌曲をリストがピアノ独奏用にしたものです。最近の例では、たとえば平原綾香さんの《Jupiter》の原曲はホルストの《惑星(木星)》です。編曲は曲の新たな魅力を引き出し、より多くの人々に届けることもできます。

月刊ピアノとピティナの共同企画『編曲オーディション』では、優れた編曲作品を公募しています。このたび2024年度ピティナ・チャンネル賞受賞者の動画を公開しました。受賞者のうち、3名の方が童謡《かえるの合唱》を選んでいましたが、それぞれまったく違う作品に仕上がっています。ぜひ聴き比べてみてください。

春基準での指導者賞受賞者は243名

2024/05/30 執筆:専務理事 福田成康

2023年度の指導者賞が発表されました。生徒のステージ参加と指導者自身の自己研鑽をポイントにした「春基準」での受賞者は243名でした。これは全体の2.1%と希少なのですが、昨年は209名でしたので大幅に増えたことを嬉しく思っています。

本日のトップニュースでは、この春初めて指導者賞と新人指導者賞を受賞した方々のインタビューを紹介しています。「何よりも音楽を長く楽しめるように」「いつか音楽が救いとなるように」「ピアノがライフワークです!と言える人を増やせるように」と、演奏技術の指導を超えた、生徒さんの音楽人生への情熱が溢れる言葉に胸が熱くなります。

音楽との関わり方は十人十色です。生徒さん一人ひとりに寄り添い、長く音楽を楽しめるように伴走し続ける指導者の仕事は、人工知能には代替できません。ピティナは引き続き様々な切り口から、皆様の活動をサポートします。

ピアノを通じて「いのち」を受け継ぐ

2024/05/23 執筆:専務理事 福田成康

ピティナでは近年、遺贈寄付についての窓口を用意し、遺産の行き先について専門家と相談できる体制を整えています。とりわけピアノの行き先は、多くのピティナ関係者にとって切実な問題です。

ご家族がピアノを弾くなら相続するのが良いと思います。もし身近に音楽をする人がいない場合は、寄贈をお考えいただきたいです。長年使ったピアノは身体の一部のような存在ではないでしょうか。ピアノが新たな場所で活用されることは「いのち」が受け継がれることだと感じます。

今回の記事では、思い出のたくさんつまった大切なピアノの行き先についておうかがいしたアンケートを詳細に分析しました。いちど将来を考える機会としてみてはいかがでしょうか。

「指導者の祭典」ピティナ指導セミナー

2024/05/16 執筆:専務理事 福田成康

指導セミナーは全国のピアノ指導者が集い、共に学ぶ場です。57回目となる今回はホールとオンラインのハイブリッドで開催しました。ご参加の皆様、講師の先生方へあらためて御礼申し上げます。

毎年同日に「指導者ライセンス全級合格者表彰式」も行っています。指導者ライセンスでは音楽の知識とともに演奏技術や指導技術が求められます。すべての試験に合格された先生方は確かな成長を遂げて指導者・音楽家としての自信を深められたはずです。

今回のトップ記事では指導セミナーのダイジェスト動画を公開しました。学びを重ねるとともに、スキルを磨く実践の機会として、指導者ライセンスを利用していただけます。

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