2020年度コロナ禍の緊急支援ご支援の御礼とご報告

2021/04/13公開

2020年度コロナ禍の緊急支援

ご支援の御礼とご報告

音楽業界全体が多くの困難に直面した2020年度。ピティナでは、ちょうど第44回ピティナ・ピアノコンペティションが始まるシーズンに新型コロナウィルスの感染が急拡大し、上半期の多くのイベントが開催中止を余儀なくされました。6月頃までに約8億円の減収が見込まれたことを受け、7月から緊急支援の呼びかけを続けてきました。

当寄付プロジェクトには、会員・非会員を問わず、ピアノ教育に携わる方が多くご賛同くださいました。たくさんの応援に支えられて、この困難の中でも、既存の事業を維持するだけでなく新しい挑戦を続けられたことは、2020年度のピティナの財産です。
ご支援・ご声援くださった皆様に、心より御礼申し上げます。

支援総額：10,259,210円
支援件数：435件

2020年度の寄付のご報告はこちら

専務理事福田成康より

2020年度は、「コロナ禍の緊急支援」にたくさんの温かいご支援をいただき、誠にありがとうございました。この寄付キャンペーン以外にも、特級ファイナル開催支援基金、ピアノ教室紹介やピアノ曲事典など各事業へのご寄付をそれぞれ頂戴し、年間で約2000万円のご支援となりました。

ご支援金額はもとより、年間合計1,000名以上もの方がご支援くださったことに、大きな勇気をいただいた1年でした。「ピティナには倒れてもらっては困る！」「一緒に頑張りましょう！」といった励ましのメッセージは、2020年度の大きなエネルギー源でした。おかげ様で、この困難の中でも、下記のような様々な新しい取り組みを続けることができました。

ピティナの事業は、ピアノを続けてくださる方々がいないと一つとして成り立ちません。通常のレッスンすら困難な中、多くの方が積極的にピティナのオンラインイベントや発信を活用し、ピアノに向き合い続けてくださったことに、心から感謝しております。

2021年度は、このご恩に必ず報いることができるよう、実地開催のイベントを安全に取り戻していくこと、そして2020年度に生まれた新たな事業をさらに発展させるべく、邁進してまいります。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

2020年度の新しい取り組みダイジェスト

課題曲チャレンジ

動画提出数：10,719

　コンペティションは多くの部門で開催中止を余儀なくされた2020年。ステイホームの中でも課題曲を学び続け、その練習の成果を披露する場として生まれたのが課題曲チャレンジでした。ピアノ学習はもちろんのこと、動画を撮影して自分の演奏を振り返り、YouTubeへアップロードするという一連の過程は、多くの方にとって実地での一発勝負の本番とはまた異なる経験となりました。2021年度もピアノ学習者の多様化する学びに寄り添い、コンペティションとあわせ、課題曲チャレンジを実施しています。

オンラインステップ

開催地区数：113地区、参加者数：のべ1,842組（～2021年3月）

2020年3月～6月にかけて、ほとんどすべてのステップの実地開催が中止となる中、3月末に誕生した取り組みです。アドバイザーと参加者が画面越しに直接コミュニケーションできるコメントの時間が好評を呼び、実地開催のステップが復活する中でも、継続して週末に開催しています。感染状況が各地で変動する中、なかなかステージに立つ機会を得られない地域の方々のために、当面の間、定期的な開催を見込んでいます。

オンラインセミナー

開催地区数：461地区、申込者数：のべ7,360名（～2021年3月）

地域への講師派遣が困難になる中で、各地の事務局がオンラインでのセミナー開催に臨んでくださいました。通常だったら参加できない遠方の事務局のセミナーが受講できるようになったこともあり、非常に多くの方がこの機会をご活用くださいました。セミナーは単なる学びの場ではなく、指導者同士のコミュニティとしても大切な場。「繋がる場」が途切れないよう、2021年度も様々なセミナーの開催を予定しております。

特級ライブ配信

のべ視聴者数：17,768（予選～ファイナル＋関連番組）

コンペティション特級では初めて予選からライブ配信を実施したほか、参加者のインタビューライブ配信や見どころをお伝えする特別番組の配信を行いました。予選から視聴者の熱気を高めるオンラインならではの取り組みが成功し、ファイナルでは約8,500名もの方が画面越しにファイナリストを応援してくださいました。「オンラインでコンクール鑑賞」という新しいコンクールの楽しみ方を開拓できたことは、2020年度の大きな財産です。2021年度の配信もご期待ください。

ピアノ曲事典オーディション／ショパンの日

応募数：のべ248組、「ショパンの日」視聴回数：のべ約10,000回

夏までに展開したオンラインイベントのノウハウがあったからこそ展開できた、ピアノ曲事典に掲載する演奏動画を一般公募する新プロジェクト。その演奏動画を全国8会場で同時収録し中継でつなぐイベント「ショパンの日」には、子どもから大人までのべ248組が参加したほか、開催地に所縁のあるピアニストもゲスト出演して盛り上げてくださいました。長年独自にデータベースを構築してきたピアノ曲事典制作に「ユーザーが参加できる」という革新的な取組となり、オーディション形式の動画公募は今後も定期的に開催予定です。

コンサート・プレミア

配信回数：9回、再生回数：のべ約76,000回

特級の入賞者は、入賞後様々な褒賞ステージや演奏機会を経て、演奏家としての経験を積んでいきます。2020年度も特級入賞者を中心に多くのステージがありましたが、会場の入場数制限等で聴けるお客様が限られてしまうことを受け、YouTubeでの限定配信を始めました。出演者の経歴や活動紹介・インタビューを行う番組も制作し、若手ピアニストたちの応援者を全国に増やすことができました。コンサート会場へ足を運ぶのが難しい方々にもお楽しみいただけるよう、今後も定期的に配信予定です。