グランミューズ部門
- スクリャービン:8つの練習曲 Op.42より 第5曲 嬰ハ短調
- カプースチン:8つの演奏会用エチュード第8番 Op.40-8 フィナーレ
今年は3年ぶりとなるコンペで、グランミューズ部門には初めて出場され見事第2位に入賞されました。決勝大会は振り返っていかがだったでしょうか?
当日は、王子ホールのピアノの音色に触れてとても楽しく演奏できました。ただ一方で鳴っているのが自分の音ではないような感覚もあり、演奏が終わって本番は難しいものだなあと考えている時に、結果を聞いてただ驚きました。後日審査員の方から、「リズム感が良い」「音色をもっと扱って欲しい」など様々な講評をいただき、とても勉強になりました。今回のありがたい賞を大切な経験として受け止め、これからも真摯に音楽と向き合っていきたいと思います。
Yカテゴリーに出場を決めたきっかけは何だったのでしょうか?
大学入学後はピアノを習わず思うままに弾いていましたが、春先に何かの発見があればと思い立ち、単発でレッスンを受けてみました。その時に先生に勧められたのがきっかけです。
実際に出場してみてどんなことを感じましたか?
自由曲で出場できるので、他の出演者の演奏も多様で、好きな曲を選んで弾いている方が多いような印象を受けました。予選・本選・決勝のどれも一つの演奏会として楽しく聴くことができ、ピアノ弾きが集まることの面白さを感じました。
普段はどんな風に練習に取り組んでいるのでしょうか?
下宿で電子ピアノを弾いたり、大学にある共用ピアノを使ったり、ピアノを持っている友人に頼んで貸してもらったりして練習しています。その分、色々なピアノに触れる機会があるので、その都度ピアノの違い、楽器が置いてある環境の違いを感じ取るように心がけています。
入賞者記念コンサートの曲目はどのように選曲したのですか?
大学の後輩から勧められ、スクリャービンの有名なエチュードを選びました。ABABというシンプルな形式の曲ですが、数回ある場面の移り変わりは途方も無い美しさを持っています。全体を通してクレッシェンドで混沌を深めていく様相を表現できればと思います。
カプースチンのフィナーレはとても軽快で、両手のパッセージがたたみかけるように現れます。また、今回のコンクールで演奏した同曲集の前奏曲と同様の爽快なスケールで終結し,締めくくりにふさわしい曲だと思い選曲しました。
コンサートへの抱負をお願いします!
楽しんで演奏できればと思います。他の方々の演奏もとても楽しみにしています。
最後に、これからの目標にしていることを教えてください。
これまでは、近現代曲を始めとする構造を脱した音楽を好んで取り上げており、決められた形式を持つバロックや古典、ロマン派の音楽を無視してきました。しかし、最近になって人の演奏を聴かせていただく機会が増えるにつれ、徐々にそれらの曲が持つ他には代えられない美しさを感じられるようになってきました。今後、様々な時代の作品に取り組み、表現してみたいと思っています。