大学受験が終わり、いざ楽しもうと思っていたところ、入学式やコンサート、大学生活、全てが思い描いていたものと変わってしまいました。ですが、どうにか少しずつでも進もうとコンクールに挑戦し、少しずつコンサートの機会もいただき、充実した1年間を過ごすことができました。その結果、これまで以上にひたすらに音楽に向き合うことができた1年間でもありました。
この作品は、ショパンが描いた4曲のバラードの中で最も悲しみや葛藤、苦しみなどが根底に満ちた作品のように思います。2つの主題の変化とともに、心もさまざまに揺れ動き、段々と高揚していく様子には胸が締め付けられますが、心の底にある痛みの部分にまで寄り添ってくれる、私にとって特別な作品を、特別な舞台に選曲しました。
バラードといえばショパンが有名ですが、フォーレのバラードも沢山の魅力が詰まった作品です。風に揺れる木々、鳥の声や射し込む光など、春のような麗かな薫りが全体に漂います。テンポの緩急やフォーレらしい巧みな転調により、場面は目まぐるしく変わっていきますが、3つの主題が、至る所に絶えず散りばめられています。是非、宝探しのような感覚でお楽しみいただければと思います。
会場や配信で聴いてくださる皆さまと、この作品を通してまた特別な時間を共有できることを心待ちにしております。このような状況だからこそ、皆さま一人一人の心に寄り添う音楽をお届けできたらと思います。
10年後も、その後もずっと、まずは大好きな音楽に真っ直ぐに向き合いながら生きていたいと思います。そして、それが実を結び、沢山の方に私の音楽を聴いていただけるようになっていたら、この上ない幸せです。
カワイの音楽教室のコンクールが初めてのコンペティションへの参加でした。6歳の頃のことなので、覚えていることは多くないですが、その際に「主よ、人の望みの喜びよ」を初めて聴き、弾きたいと言い、直ぐに弾いたそうです。
演奏中、演奏が終わり顔を上げた時の様子、結果発表の場面など沢山ありますが、ただ1つを選ぶなら、コンペティション自体ではなく、コンペティションの帰りに見た虹が一番印象に残っています。あの虹は私の一生の心の支えになっていくだろうと思います。
まずは、舞台での本番を経験できたこと、そして、自分の音楽と向き合えたことが何よりも大きかったです。
コンペティションを受けるとなると、結果が出てしまうので、そこに気を取られがちですが、周りの素晴らしい方々にも影響され、講評を先生方にいただき、自分の音楽を客観的に見るきっかけとなりました。
ピティナで弾いた曲ではありませんが、中田喜直さんの「風の即興曲」です。当時は、ただ感覚的に美しいと感じて弾いましたが、今でもたまに無性に恋しくなり、弾いている作品です。今となっては、少しずつ変化していく和声が、色合いや香り、温度まで変えていくようで、正に風が即興をしている様子が浮かぶ大好きな作品です。
日によってかなり異なります。少ない時は相当少なくここに書けないほどですが、基本的に自分と向き合いながら良い練習が出来るように取り組んでいます。
ただ音を鳴らすだけの無駄な練習をしないことです。もし、どうしても身が入らない時は思い切って一旦練習をやめてしまいます。その分勉強をしたり、寝たり食べたりして過ごし、しっかりと集中した状態で練習にまた取り掛かるようにしています。
学ぶことが好きなのであまり苦ではありませんが、時間を取ることがやはり難しい時期もあります。その時はやるべきことを書き出し、やると決めたらそれが終わるまで他のことはやらないなど、メリハリを付けて取り組むようにしています。
まずは一度なるべく本来のテンポで全体を通し、輪郭だけでも掴むようにしています。その後は、音を把握するのと同時に、フレーズや構造なども読み、作曲家の魔法のような手法の数々に感動しながら、楽しく譜読みを進めています。
Instagramを始めてみました。つい犬と猫の写真を見漁ってしまいます。
まだ寒いのに桜が咲いていたり、ミモザがお店に並んでいたり、春を感じた瞬間。
高校受験を前に悩んでいた際に、師匠がかけてくださった「前進し続ければ必ず道は開けてくる」という言葉です。今でも立ち止まりたくなった時には必ずこの言葉を思い出して前に進む勇気を貰っています。
たらこ
犬とハムスターを飼っていますが猫が好きです。
春
ショパンのピアノ協奏曲第2番
ブルックナーのミサ、寝起きのブリッジ