第53回目のピアニストは菊里高等学校3年生の神原雅治さんです。
神原さんは、最初にバッハの「平均律クラヴィーア曲集第1巻から第14番」を演奏してくださいました。神原さんの冴えたピアノの音色が会場に響き渡ります。柔らかな伴奏に乗せて美しいメロディーが紡がれてゆきました。
次はメンデルスゾーンの「厳格なる変奏曲」。神原さんは緩徐な部分は鍵盤を確かめるように丁寧に、また音の跳躍が激しい部分もしっかりと集中を保って情熱的に演奏してくださいました。
続いての曲はバルトークの「ピアノ・ソナタ」。打楽器的で力強いリズムと躍動的な響きが印象的な第1楽章、強弱の変化が異質な世界を表しているようで、未知の世界の扉を叩いているかのような第2楽章、華やかで厚みのある音が拍子の変化によって表情を変える第3楽章、神原さんはそれぞれの楽章のもつ特徴をしっかりと捉え、音楽の持つ大きな世界を表現してくださいました。
そして、最後はラフマニノフの「ピアノ・ソナタ第2番」。ダイナミックな強音が一気に会場の空気を一変させます。神原さんは冷艶な音色で、第1楽章では氷の世界を描くかのような澄んだ音楽を、第2楽章ではノスタルジックな雰囲気を、第3楽章では一転して情熱的で息のつく間もない圧巻の演奏を聴かせてくださいました。
神原さんは、冴え澄んだ美しい音色と幅広い表現力をお持ちのピアニストで、これからのご活躍が楽しみです。
神原雅治さんの感想
大阪でコンサートをさせて頂いたのは初めてでしたが、想像していたよりもずっと素敵な場所とピアノで、自分も楽しく演奏させて頂けました。
来場者のコメント
- すばらしい音色でした!とてもステキな時間をすごさせていただきありがとうございました。これからもがんばって下さいね。
- 本日、弾いたピアノの性能を十分に発揮された演奏だったと思います。この場所の音響によくあった演奏でもあったと感じました。テクニック、音色、音楽性共によかったと思いました。今後の活躍が楽しみです、期待しております。
- 笑顔がとてもステキでした。素晴らしい演奏を聴かせていただいてありがとうございました。
- すばらしい演奏でした。
- どこのどの部分を取っても本当に素晴らしい演奏でした。メンデルスゾーン、ラフマニノフ、最高でした!!
- 近現代に合った音使いがとても素晴らしかった。
- どの曲もパワーと切れ味の良さ。スピード感のある。心地よいピアノ演奏。メンデルスゾーンの演奏は初めて聴きましたが、とても良かった。
- 若手の有望株です。将来より偉大になってくれると感じました。
レポート◎辻野文崇(すばるホール・富田林すばるステーション)
写真撮影◎西村則晃(すばるホール)