会場:音楽室
参加人数:6年生6クラス233名
出演:梅村 知世(ピアノ)
岡山市立芳泉小学校では、「コロナ禍で満足な音楽の授業が全くできなかったので、卒業前に思い出の音楽の授業を作ってあげたい」という音楽専科の黒田育子先生(グランミューズ会員)の願いから、6年生6クラスへの学校クラスコンサートが実現されました。
学校を訪れたのは、2010年度ピティナ特級グランプリのピアニスト、梅村知世さん。ドイツのベルリンで音楽を学ばれている梅村さんは、郷里の岡山に一時帰国中でしたが、ロックダウン下のドイツに戻ると再び帰国するのが難しくなるからと、その前に地元の学校の6年生たちへ思い出の音楽の授業を快諾してくださいました。
今回のクラスコンサートに梅村さんが用意してくださったのは、ベートーヴェンの「月光」とシューマンの「トロイメライ」、シューマン=リストの「献呈」といった、心も成長してきた6年生へ送るプログラム。さらに、学校からのリクエストにも応えて、「パプリカ」や「情熱大陸」など各クラスでサプライズも追加してくださいました。
感染対策で近くに寄れない子どもたちのために、途中でピアノの向きを変えて手元がよく見えるようにしたり、各時間の真ん中あたりで席替えをするなど、なるべく全員がよく見える位置になるように、相談して工夫されていました。質問コーナーでは、音楽についてや生き方についての話まで広がり、これから小学校を旅立つ6年生たちの心に触れました。子どもたちは家に帰ってからも家族に話をしたり、地元の山陽新聞にも記事が掲載(1月21日)されたりと、後日もクラスコンサートの話題が続きました。
音楽科・黒田育子先生より
本当に急展開で実現させていただいたコンサート,ありがたかったです。「月光」が15分と長いので最後まで聴けるかな,とちょっと心配だったのですが,担任の先生たちは「月光」が本当に良かったと言っていました。
6クラスもあるので,2クラス合同かなと計画していましたが,音楽室にたくさん集まれない今の状況が逆に子どもたちには充実した鑑賞をさせてやれることになりました。2日間6時間も演奏してくださった梅村先生に感謝しています。豊かなピアノの響きを堪能できました。また,梅村先生の中学時代やドイツでの生活についてたくさん質問をして先生を身近に感じたようです。先生が岡山出身であることを誇りにも思ったようです。
また,こんな機会をつくってやりたいと思いました。ありがとうございました。
岡山市立芳泉小学校 音楽専科 黒田育子
梅村知世さんより
2日間に渡り、芳泉小学校にて学校クラスコンサートに出演させていただきありがとうございました。 今回クラシック作品の名曲から、彼らの思い出のあるポップスやリクエスト曲を演奏しました。どのクラスも熱心に聞いて下さり嬉しかったです。質問コーナーを通して「人生について、音楽との向き合い方」など深いお話もできたことは印象的でした。この時間を通して音楽の魅力が伝わり、何よりみんなの良い思い出になっていると幸いです!
子どもたちの感想文
- 最初に先生がピアノをひいて一分でピアニストの本気のすごさがわかりました。
- 自分が住んでいる岡山県には、一つの事で世界に行っている人がいることを知って、すごくうれしかったです。
- 音楽を、指でひく音だけでなく、体全体でその音楽を表現していて、曲一つ一つにもさまざまな物語、思いがあること、音楽で、悲しみやいかり、よろこびを表現することができることを、はじめて知りました。とにかくすごかったです。
- 質問コーナーで「ピアノでできない所があったらどうやって乗り越えますか」とたずねられた時、梅村さんは「根気強く、たくさん練習することです」と答えていたので、やっぱり勉強や習い事、スポーツなど何事も練習が大切なんだと思いました。
- 音楽発表会で合奏した情熱大陸も自分たちはいろいろな楽器を使ったけれど、ピアノ1つですべてをこえた感じがした。
- 質問コーナーでは、私は「心がけていること」について質問しました。一つ一つの演奏会において「ていねいに選曲し、ひく時も改善を積み重ねて心をこめているという答えがかっこいいと思いました。