コロナの影響」という言葉が当たり前になり舞台での演奏の機会もぐっと減ってしまった2020年。12月初旬にお電話を頂き公演まで約2週間という時に急遽代演が決まりました。

尊敬するピアニストの代演、人生初の俳優との掛け合いの中での演奏、しかも３日連続公演ということで緊張と不安の中準備を進めました。初稽古前にはPCR検査を受け、陰性が確認されてからに稽古に向かいました。演出の佐藤信先生、俳優の冨樫真さん、シライケイタさん、座・高円寺の皆さんが暖かな雰囲気を作ってくださり、緊張をしながらもあっという間に２日間の稽古とゲネプロを終えました。

迎えた公演では、この状況下でありながら３日間とも沢山の聴衆の皆様の前で舞台に立つことができ、共演者と幸せを噛み締めながら一つ一つの公演を終えました。公演はジョルジュ・サンドとルイ・クリゾストム・ミシェルの手紙のやり取りに合わせ、その場面場面にショパンの楽曲を演奏していくスタイルのもので、1曲毎の集中の切替こそ大変でしたが、場面が目に浮かんでくるような表情豊かな俳優お２人のやり取りの下、表現したいことをそのまま音にしてくれる素晴らしいSHIGERU KAWAIのコンサートピアノの力を借り、全公演全力で挑むことが出来ました。

今回この様な貴重な機会をくださった皆様、大変な状況の中足を運んでくださった皆様に心より感謝申し上げます。