「ベートーヴェン・春」と題してご出演いただいたのは、ドイツを中心にご活躍の、ヴァイオリニストの石原悠企さんと、ピアニストの梅村知世さん。ベートーヴェンとシューマンの曲を中心にお届けくださいました。
普段はベルリンに住んでいるお二人。現在は日本に帰国されていますが、ドイツではオンラインレッスンが始まっていたり、リモート・アンサンブルで演奏を続けていたりしていらっしゃるとのこと。この時期だからこそ、国をまたいでもできることを精力的に続けていらっしゃる様子を伝えてくださいました。

1曲目はベートーヴェン作曲の「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 第5番 ヘ長調 作品24 「春」より第1楽章」をリモートアンサンブルで。実はこの曲をお二人で演奏するのは「このリモート演奏が初めて」だったそう。ですがそれを全く感じさせない、息ぴったりな演奏でした。

続いては、梅村さんのソロで、シューマン作曲の「ユーゲントアルバム 作品68 より「愛する5月よ、お前はまたやってくる」」、そして「献呈」の2曲を続けてお届け。シューマンの作品を収録したCDを2枚リリースしていらっしゃる梅村さんが奏でる音楽は、本当に沁み渡る情感溢れる演奏で、自然と涙が出てくる視聴者の方も多かったようです。

最後に石原さんと梅村さんのデュオで、シューマン作曲の「3つのロマンスOp.94 第2曲」を、こちらも息のあったしっとりとした演奏をご披露くださいました。「外出しなくても楽しめるものをお届けできて、少しでも自粛に貢献できたら嬉しい」「感謝の気持ちでいっぱい」と語るお二人のお人柄が、終始溢れ出る時間となりました。

レポート◎橋本彩（制作スタッフ）

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