"演奏家とお客様、みんなで「曲」を応援するコンサート"と銘打って行われている公開録音コンサート。2010年の開始以来、じつに240回の演奏会が行われました。公開録音コンサートのこれまでを振り返りながら、さらなる深化に向けたアンケートを実施します。
アンケート回答はこちら公開録音コンサートは、その名の通り、公開の場での録音を伴うコンサートです。収録された映像・音源は、ピアノ曲事典に登録されます。「音が聴ける事典」を目指しているピアノ曲事典を、みんなで豊かなものにしていこう、という考え方に基づいています。
演奏会収入は、一定の計算方法に応じて、おおよそ7割(ときには全額)を演奏者にお渡ししています。できる限り演奏家の方に還元しながら、若い演奏家を含むピアニストの皆さまにとって幅広いレパートリーの演奏機会とすることをねらいとしています。
収録された音源は、すみやかに編集され、著作権の問題をクリアしたものに関しては、曲事典に登録されていきます。ここで、公開録音コンサートの収録音源の聴き方をおさらいしてみましょう。
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公開録音コンサートのこれまでを、いくつかのトピックから振り返ります。
作曲家の名前を冠する各協会とのコラボレーションする機会に恵まれてきました。 たとえばクーラウ協会のコラボ企画 では、演奏機会の少ない楽曲をピアノ曲事典に登録できただけでなく、クーラウの曲目リストの整備が大きく前進しました。また上田泰史ピアノ曲事典副編集長監修のもと解説文の整備も進みました。
これまでテーマ性のあるコンサートを数多く実施してきました。
コンサート出演条件で、「「日本人作品の普及」「作曲家生没記念年特集」「アンサンブル作品への取り組み」といった、ピアノ曲事典、ひいてはピアノ文化の充実につながるテーマ性を重視しています」と定めています。
プログラム構成を眺めるだけでも、様々な発見があるかも!?
プロデュース企画は、テーマ性のあるコンサートであることはもちろん、若手演奏家の演奏機会創出のねらいも込めて実施されています。
これまでも若手演奏家に演奏機会を提供する試みを続けてきましたが、さらに音楽大学と連携するなどして、学生自身にコンサートを企画していただくスキームなども作っていくことができればと考えています。
観客参加型コンサートや、演奏家のチャレンジングな企画、全曲演奏企画など、他の場所では実現が難しい形式のコンサートに積極的に取り組んでいきます。
ピアノ曲事典は、これまでの10年間で飛躍的に充実しました。音源数は2005→9105(2009年→2019年)に増加しています。
曲目リストも完備に向けて整備を進めています。たとえばバルトークやクレメンティの曲目リストは、集中的な取り組みにより、ほぼ完成しています。
整理の方法も改善しています。たとえばショパンのポロネーズは「ポロネーズ」という項目に集約して、見やすく利用しやすい形を整えました。現在「マズルカ」の整理を進めています。
曲目や作曲家のリスト化が進むにつれて、動画が揃っていない状況も可視化されてきました。意外なことに「バイエル」の項目には動画が一件もありません。ツェルニーやブルグミュラー、ギロックについても、有名な練習曲を除いて、動画の登録がありません。
公開録音コンサートに来ていただく層は、指導者・生徒さんと必ずしも重なっていないのが現状です。レクチャー付き公演など、指導者目線・生徒目線で意義のある企画に取り組んでいきます。
「日本音楽芸術マネジメント学会」にて公開録音コンサートについての報告をいたしました(研究報告・現場レポート4C 会場:昭和音楽大学)。報告内容がマネジメント学会誌に掲載予定です。
公開録音コンサートについて、記事をご覧いただき、誠にありがとうございました。これからのコンサート運営に期待すること、または「こんな企画演奏会を聴いてみたい、企画したい」といったアイデアなどをアンケートで募集いたします。よろしければご協力下さい。
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