コンサートレポート
日程:2019年2月9日開催
会場:すばるホール(大阪府富田林市)
出演:大野謙(ピアノ)
会場:すばるホール(大阪府富田林市)
出演:大野謙(ピアノ)
第46回目のピアニストは東京藝術大学1年の大野謙さんです。
大野さんのコンサートはバッハの「トッカータ ト長調」でスタートしました。しっかりとした太い音で冒頭楽章がリズミカルに奏でられ、アダージョでは穏やかなメロディーにゆるやかなトリルの余韻を楽しむことができました。
次の曲はスクリャービンの「エチュード 嬰ハ短調」。左手がなめらかに上昇と下降を繰り返してうねりを表現すると、そこに右手は中音域で情熱的なメロディーを重ねられ、スクリャービンの幻想的な世界が表現されました。
続いて演奏してくださったのはドビュッシーの《版画》から「塔」と「雨の庭」。音の響きと音色がこれまでと打って変わりました。
「塔」では、低音と高音が静かに響き渡り、穏やかな幻想空間を作り出します。また、「雨の庭」では、軽やかでリズミカルな音の粒が雨の様子を描いていきます。
そして、最後に演奏してくださったのは、シューマンの「謝肉祭」。輝かしくエネルギッシュな序奏で始まり、20ある小品が続けて演奏されます。大野さんはシューマンの溢れんばかりの創作意欲に富んだ作品を、若々しく力強く演奏してくださいました。
大野さんは音の色彩が豊かで、曲に合わせて音色も響きも柔軟に変化していきました。これからもいろんな作曲家や作品で、豊かな色彩を放ってほしいピアニストです。
レポート◎辻野文崇(すばるホール・富田林すばるステーション)
写真撮影◎上野輝(すばるホール)
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