【実施レポ】南三陸町立志津川小学校クラスコンサート

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2019/01/11
学校クラスコンサート
実施レポート
南三陸調律志津川小学校 コンサート
日時:2018年12月5日(水)
会場:南三陸町立志津川小学校 音楽室
対象:5年生  児童数:40人
助成:一般社団法人全日本クラシック音楽事業協会「心の復興支援基金」
出演:菅原望(ピアノ) 武内園子(鍵盤ハーモニカ/クラリネット)

12月5日(水)、一般社団法人クラシック音楽事業協会が主催する助成金「心の復興音楽基金」を使用した宮城県南三陸町での学校クラスコンサートが実現しました。会場は生徒の約7割が震災で家を失ったという志津川小学校。住環境の変化から現在は多くの子どもがスクールバスで通学するため、下校時刻の縛りがあり放課後にクラブ活動をすることができません。そんな中でも唯一残っているクラブ活動が吹奏楽部。もともと音楽文化の盛んな町だったこともあり、児童は休憩時間に練習に励んでいるそうです。

音楽の素養がある志津川小の子どもたちは、とても熱心に今回のクラスコンサートに参加してくれました。演奏は仙台市出身の2012年特級グランプリ菅原望先生(演奏会員)と、仙台おりひめステーション代表の武内園子先生(正会員)。バロックから時代順に、菅原先生のクイズと武内先生の解説とともに演奏が進行する中、熱心にプログラム冊子にメモや感想を書き込む子も。ベートーヴェンやショパンなど有名な作曲家の小話には大きな笑いが起こりました。

プログラムの後半には子どもたちが手拍子や合唱で共演する曲もあり、特にライヒのリズム音楽「クラッピングミュージック」は大盛り上がり。1グループが同じパターンのリズムを繰り返して打つ中で、もう1グループがそのパターンを8分音符一つずつずらして打ち、つられないように繰り返して絶え間ないリズムを刻む作品です。武内先生と菅原先生が各グループの手拍子をリードして、2 グループでつのリズムを刻むアンサンブル体験をした児童たちは、初めての手拍子合奏を楽しんでいました。最後は有名なエルガーの「威風堂々」に武内先生が鍵盤ハーモニカとクラリネットを持ち替えながらジョイントし、児童が手拍子で参加。そして学校からのリクエストで、生徒たちが授業で練習している「海の声」を先生たちの伴奏で合唱して全プログラムが終了しました。数名の児童が感想を発表してくれ、授業終了後も先生 2 人を名残惜しそうに取り囲んでお話していました。

レポート◎川野辺 雪菜

子供たちの感想
  • 曲を使った人をあまりしらなかったので、もっと調べてみたいと思いました。
  • 楽譜を見ないであんなに正確な音を出せるなんて感激しました。
  • クラリネットでよくあんなに速く指が動かせるなと思いました。
  • 武内さんと菅原さんの合奏にあわせてみんな楽しそうに歌っていたので、心に残りました。
  • 速さと正確さだけでなく、優しい音を奏でるやわらかい指の動きを見て、とても感動しました。
  • すてきなコンサートは、まだぼくの頭の中で鳴り響いています!
  • 1曲目を聞いた瞬間、プロの演奏は違う!というのを感じられました。
  • ベートーヴェンは字が汚かったというお話には、びっくりしました。
  • コンサートで聴いた音楽は、いつまでも覚えています。めったに聴くことができない迫力のあるピアノを聴かせてもらいありがとうございました。
  • ピアノを習ってピティナにも参加していたけど、あんなに演奏を近くで見たりしたことはないのですごく心に残りました。
  • 将来ピアニストになりたいと思っていたので、プロの演奏を聴いて、もっとがんばらないいけないことがわかりました。
  • これからぼくがしようと思っていることは、勉強をがんばることです。菅原さんや竹内さんみたいな大人になりたいです。
学校の先生のご感想
  • 今回のクラスコンサートのおかげで、音楽が苦手だったり興味があまりなかったりした児童も音楽のすばらしさに気づけたと思います。児童が書いた感想からもそのことが感じられました。5年生は、10月の学芸会で合奏・合唱・ダンスでいろいろな表現をして音楽に対する意欲が高まってきていると感じていましたが、クラスコンサートでさらに意欲を高めていました。また、参加した保護者からもとてもすばらしく、来航してよかったとの声が聞かれました。

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