平日の朝に、美しい響きの浜離宮朝日ホールでの朝活コンサート。
クラシックの作曲家たちはいかに自然美に触発されてきたのか?
西洋の伝統的な自然の捉え方、音楽への投影の仕方を概観できるようなセミナーで知識を深め、
後半は「春、愛、恋」のエピソードをふんだんに盛り込んだ才媛たちのコンサートをお楽しみ下さい。(構成◎飯田有抄)
素晴らしい浜離宮朝日ホールにてこの朝活コンサートに出演をさせていただけることとても嬉しく思っております。朝活コンサートということで「朝」にふさわしいプログラムを組みました。是非会場で一人でも多くに方にお聴きいただけたら幸いです。沢山のご来場をお待ちしております。
今回のテーマをいただいた時に真っ先に思い浮かんだのが「小品」でコンサートを創っていきたいと思いました。小品は短い中にそれぞれの作品にアイディアやストーリーが散りばめられている、いわば作曲家のなにげない日記帳のように感じます。
今回は朝活コンサートならでは、ペール・ギュントの中から「朝」の爽やかな雰囲気で幕を開け、そして同じくグリーグの名作で知られている叙情小曲集から「蝶々」「小鳥」「春に寄す」では春の訪れを感じる作品を演奏します。そしてシューマンの「花の曲」は、演奏をされる機会があまり多くない作品ですがとても可憐で愛らしい作品なので、是非一度お聴きにいただけたらと思います。昔ロベルトがクララに押し花を手紙と一緒に送っていたように、この作品を通して永遠の花束を書いたのでは...!?という思いを馳せながら演奏をお届けしたいと思います。そしてシューマンの歌曲(リスト編曲)から「春の夜」と「献呈」では幸せに満ち溢れた世界が広がります。
モーツァルトが初恋の時期に作曲したとされている「ソナタ第25番ト長調」では、ヴァイオリニストの鈴木舞さんとのアンサンブルをとても楽しみにしております。そしてクライスラーの名曲「美しいロスマリン」「愛の悲しみ」「愛の喜び」では美しい旋律をお楽しみください。
これからも音楽の本質を追及しながら、幅広いお客様に音楽の醍醐味や素晴らしさをコンサート活動や指導活動を通して伝えていきたいと思います。
今回の朝活コンサートのテーマは春・愛・恋・・・素晴らしい作品の中で春の喜び、心の温もりを創っていきたいと思います。コンサートを聞いてほっこりと幸せな気持ちになるプログラムですので、会場で皆様と共に音楽を感じる事ができたら幸いです。
クライスラーはヴァイオリニストでありながら、ピアノの腕にも長け、医療や軍事にも従事し、私財の多くを投げ出し慈善事業にも熱心に取り組みました。様々な芸術を嗜んだ高い審美眼だけでなく、彼の素晴らしい人柄が作品や演奏から感じられ、尊敬の念に堪えません。
モーツァルトはまさに天上の音楽。高揚する美しさと同時に、天国にいる大切な人を想うような、懐かしさやほの悲しさをも共存しているように感じます。
カフェ文化発祥の地であるオーストリアの二人の作曲家。1日の始まりに、ヨーロッパのカフェのテラスで過ごすようなイメージで、爽やかで、幸せを感じられるような作品を、良い一日を過ごしていただけるようにという想いを込めてプログラミングしました。
ウィットに富んだ、沢山のお洒落な作品を残したクライスラー。「愛の三部作」と呼ばれる"美しきロスマリン" "愛の悲しみ" "愛の喜び"は、3つそれぞれの愛の描写が宝石のような作品です。
モーツァルト22歳の春、パリへ向かう途中に立ち寄ったマンハイムで恋に落ちた時に作曲されたソナタは、思わず笑顔になってしまうような、慈しむような優しさに溢れています。
音楽を演奏するということは、その人の人間性がそのまま現れてしまいますので、日々の人生経験や感動体験を通して自身の内面を磨き、深みのある音楽を届けていきたいと考えています。
目にも見えず、触れることもできない音楽ですが、言葉にできないものを伝えたり、聴き手を日常から離れた違う世界に連れて行く、魔法のような力を持っています。
そんな音楽の持つ偉大な力を引き出せるような演奏家を目指しています。
春と愛がテーマのコンサート。命の芽吹く春、愛はエネルギーの源。生きるエネルギーを音楽から感じて、素敵な朝の時間を、皆さまと共にする事ができましたら嬉しいです。
以上、アーティストインタビューをお届けしました。
本番をどうぞお楽しみに!