2020年、ベートーヴェンは生誕250年を迎える。 ヨーロッパのオーケストラはベートーヴェンの没後、ジャンルの理想として彼の交響曲を上演し続け、長大な後期の弦楽四重奏、ピアノ・ソナタさえも、レパートリーに組み入れられていった。一方で、ベートーヴェン作品は、当時の作曲家たちの創意の温床ともなる。19世紀のピアニスト兼作曲家たちは、彼の作品の細部まで読み込み、玄人しか気づかないような主題すら用いて作曲し、亡き巨匠に敬意を表した。それらは、単なる編曲の域をはるかに越え、創作と同一の高みに立って書かれている。 このコンサートでは、そうした音楽家から19世紀に活躍した4名を選び、それぞれの創意溢れる「オマージュ作品」に光を当てる。
- プリューダン:幻想曲「ベートーヴェンの思い出」Op.10(演奏:瀬崎純子)
- リスト:ベートーヴェンの「アテネの廃墟」による幻想曲S.389(演奏:林川崇)
- シューマン:ベートーヴェンの主題に基づく自由な変奏曲形式の練習曲(演奏:小林えりか)
- ヘラー:ベートーヴェンの主題による21の変奏曲Op.133(演奏:京谷光真)
金沢市出身。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学及びパリ=ソルボンヌ大学で修士課程及び博士課程を修了。在学中に安宅賞、アカンサス賞受賞。2010 年から 2012 年まで日本学術振興会特別研究員(DC2)を務める。2010 年に渡仏、2013 年、パリ第 4 大学音楽学修士号(Master2)取得。2015 年、日本学術振興会より育志賞、2016 年、平山郁夫文化芸術賞を受ける。同年 3 月、東京藝術大学に提出した論文『パリ国立音楽院とピアノ科における教育制度、レパートリー、美学 (1841~1889)』で音楽学博士号取得、9 月にパリ=ソルボンヌ大学にて音楽学博士号取得(博論題目:『ピエール = ジョゼフ=ギヨーム・ヅィメルマン 人、教育者、音楽家』)。これまでにカワイ出版より校訂楽譜『アルカン・ピアノ曲集』(2巻, 2013年)、『ル・クーペ ピアノ曲集』(2016年)などを出版。19 世紀の作曲家を紹介する演奏会企画を行う他、ピティナ・ウェブサイト上で連載、『ピアノ曲事典』の副編集長として執筆・編集に携わっている。東京藝術大学教育研究助手、国立音楽大学、大妻女子大学非常勤講師、一般社団法人全日本ピアノ指導者協会研究会員、日本音楽学会、地中海学会会員。
福岡市出身。東京藝術大学大学院音楽研究科ソルフェージュ研究領域博士課程修了、博士論文「スコア・リーディングからピアノ演奏表現へ」。在学中、ピアノを東誠三、ソルフェージュを林達也、照屋正樹、ローラン・テシュネの各氏に師事。ソロ・室内楽ともに幅広い演奏活動を行い、ピアノ曲事典に多数の音源を提供している。1992年ピティナ・ピアノコンペティションC級の部全国決勝大会入選。全日本学生音楽コンクール福岡大会小学校の部第3位。1995年ポーランド国立クラクフ交響楽団とコンチェルトの共演。 2005年名演奏家オーディションにピアノトリオで奨励賞。2008年パブロ・カザルス国際音楽アカデミーにて独奏および室内楽の指導を受ける。Y.A.ミュージックアカデミーのソルフェージュ講師、日本ソルフェージュ研究協議会正会員、一般社団法人全日本ピアノ指導者協会演奏会員。
1978年生まれ。東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。少年時代にエディソンの伝記を読んで古い録音に関心を持ち、19世紀後半から20世紀前半にかけて活躍した巨匠ピアニストの演奏を探究するようになる。以後、彼らが自らのレパートリーとするために書いた作品及び編曲に強い関心を寄せ、楽譜の蒐集及び演奏に積極的に取り組んでいる。また、楽譜として残されなかったゴドフスキーやホロヴィッツのピアノ編曲作品の採譜にも力を注いでおり、その楽譜はアメリカでも出版されている。ピアニスト兼作曲家として自ら手掛けたピアノ用の作・編曲は、マルク=アンドレ・アムラン等の演奏家からも高く評価されている。ラヴェルのオペラ「子供と魔法」から「5時のフォックス・トロット」(ジル=マルシェックスによるピアノ編曲)の演奏を収録したCD「アンリ・ジル=マルシェックス:SPレコード&未発売放送録音集」がサクラフォンより発売されている。
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て、同大学音楽学部器楽科ならびに大学院修士課程終了。在学中に彩の国埼玉ピアノコンクール銀賞及び彩の国ピアノコンクール賞を受賞、第1回フォーレ国際ピアノコンクール(仏・パミエ)にて第3位を受賞。第14回イル・ド・フランス国際ピアノコンクールではファイナリストに選ばれる。2006年からマスタークラス『春のパリ研修』に参加、その後もフランスのマスタークラスを受講。2012年に東京ニューシティー管弦楽団(内藤彰指揮)とショパンピアノ協奏曲第2番を共演し、2013年にはロンドンにてロンドン・ソロリストフィルハーモニアとラヴェルピアノ協奏曲を共演。2014年に第1回ピアノリサイタルを開催する。これまでに松原緑、梅谷進、秦はるひ各氏に師事。また、仏・パリでのアカデミーにてH.バルダ、A.ケフェレック各氏に師事。卒業後は東京藝術大学音楽研究センター助手として勤務後、後進の指導にあたっている。ピアノ研究グループ「ボワ・ラクテ」会員、日本フォーレ協会会員。
3歳よりヤマハ音楽教室、マスタークラス演奏研究コース修了。JOCハイライトコンサート、シティコンサート、Concert VIVACE出演。「春のパリ・ピアノ講習会」「ベルギーInternational Piano Week」に参加。ファイナルコンサート出演。第25回彩の国埼玉ピアノコンクールE部門金賞及び埼玉新聞社賞。これまでにピアノを及川良子、北島公彦、秦はるひ、渚智佳、佐藤俊、後藤康孝、迫昭嘉各氏に、作曲を大政直人氏に師事。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て、東京藝術大学音楽学部1年に在学。坂井千春氏に師事。