【後援コンサート】Vol.10 ベートーヴェンを聴く!

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2016/01/20
後援コンサートTopics
Vol.10
ベートーヴェンを聴く!

ベートーヴェンのソロから室内楽作品までピックアップ

特別インタビュー
若林顕先生

1/30に2年ぶりとなるサントリーホールでのリサイタルを開催される若林顕先生にお話しを伺いました。

インタビューはこちら

東京
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若林顕ピアノリサイタル(1/30)

≪ソロ≫ 難曲中の難曲、ベートーヴェンのハンマークラヴィーア・ソナタを聴く。ピアノソナタ 第29番 変ロ長調 Op.106『ハンマークラヴィーア』に挑戦する、若林顕インタビューを掲載。

東京
チラシ
黒岩航紀ピアノリサイタル(2/14)

≪ソロ≫ ベートーヴェン:ピアノソナタ 第17番 ニ短調 Op.31-2『テンペスト』、第23番 へ短調 Op.57『熱情』。中期の名作を演奏。

大阪
シンフォニー・ブランチコンサートVol.6 崎谷明弘(2/23)

≪ソロ≫ 若手を紹介する「シンフォニー・ブランチコンサート」の今季シリーズの最終回。ベートーヴェン:ピアノソナタ第14番 嬰ハ短調 Op.27-2『月光』を演奏。

東京
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南麻布ランチタイムコンサート チェンバー・ソロイスツKANAGAWA(2/25)

≪ピアノ三重奏≫ ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲 第4番 Op.11『街の歌』を、ヴァイオリン、チェロ、ピアノの編成で演奏。千葉純子(Vn)、海野幹雄(Vc)、川井綾子(Pf.)による演奏。

東京
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松本和将 ベートーヴェン:ピアノソナタ全曲演奏会第5回(3/8)

≪ソロ≫ ベートーヴェンの32のソナタ全曲を講座と演奏会で紹介していくシリーズ野第5回。ベートーヴェン:ピアノソナタ 第12番 変イ長調 Op.26、第18番 変ホ長調 Op.31-3『狩』、第19番 ト短調 Op.49-1、第21番 ハ長調 Op.53『ワルトシュタイン』を演奏。

東京
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フィルハーモニア・カルテットベルリン&村澤由利子(5/19)

≪弦楽四重奏≫ ベルリン・フィル最高の4人組とのピアノ五重奏の共演。その前半では、ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第7番 ヘ長調 Op.59-1 『ラズモフスキー第1番』が演奏されます。

東京
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東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 第48回ティアラこうとう定期演奏会(2017/3/4)

≪管弦楽≫ 飯守泰次郎指揮・東京シティフィルによるベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 Op.92を演奏。前半のコンチェルトは、特級グランプリ篠永紗也子さんが東京シティフィル賞として共演!



特別インタビュー
作品にこめられた<情>を語りたい
~若林顕先生 特別インタビュー~
若林顕先生
今回のリサイタルでは、ラフマニノフ、ショパン、ベートーヴェンの3曲を演奏されます。まず、ラフマニノフとベートーヴェンは、常に先生の演奏活動の軸として大切にしてこられたものと思いますが、ラフマニノフ「コレルリ変奏曲」への思い入れをお聞かせください。

この作品は、ラフマニノフのソロ作品の中でも最後に位置し、他の作品と違う、ある種「到達した」雰囲気を持っていて、音楽的にポイントを捉えた演奏をするのが非常に難しい曲です。夢や回想、民族舞踊のような要素、郷愁、寂しさ、エキゾチックな部分...複雑な要素と感情が走馬灯のように過ぎ去り、どこか<現在形>ではない、時空を超えた響きがするところに惹かれます。この20分のドラマをどう魅力的に描くか、大きなチャレンジです。

ベートーヴェンは、大曲「ハンマークラヴィーア」を選ばれました。この作品についてはいかがでしょうか。

このソナタは、2000年頃から数年、何度も弾いていた時期があったのですが、今回改めて取り上げてみました。私自身は、第3楽章の表情・表現を特に重視しています。アパッショナートにこめられた複雑な情熱、これでもかというぐらいに何度も表記されたエスプレッシーヴォ、細かい強弱の指定...、楽譜のあらゆるところに、ベートーヴェンが「どうしてもこう弾いてほしい」という尋常でない心血を注いだ跡が見られます。この第3楽章に向けて第1,2楽章をどう構築し、そしてその後のフーガにどのような意味を持たせるか、サントリーホールという大きな空間に、ベートーヴェンならではの巨大な構成を描いてみたいと思います。このエネルギーに到達したからこそ、その後、30番から32番のソナタが、神の世界のような透明さを得たのだと思います。

ショパンは、先生のレパートリーからすると「満を持して」という感じがします。このタイミングで練習曲Op.25全曲を取り上げたのはなぜでしょうか。
若林顕先生

もちろんこれまでもショパンの作品を弾いてきましたが、自分の中に生まれる表現やアイデアが、どちらかというとドイツ的なもので、ショパンとはやや異なるのかなと感じていました。ショパンの音楽の、フランス的、ロシア的なもの、あるいは精神の自由さ、煌びやかさ、ポリフォニーなどは、ベートーヴェンやブラームスとはまた別のものです。近年、妻の鈴木理恵子(ヴァイオリニスト)に影響を受け、ジャンルを超えた活動をするなかで、今の考えでまたショパンを弾いてみたいと思うようになりました。
どの曲も、そして作品全体としてももちろん素晴らしいのですが、敢えてポイントを挙げれば、テンポの遅いOp.25-7でしょうか。この曲にこめられた「苦しみ」「後悔」「懺悔」あるいは時に「怒り」のようなもの。昔のピアニストには、作品にこめたこのような<情>をあらわにするものがよく見られますが、私も、ショパンが曲に託した<情>をどこまでこめることができるか、挑戦したいと思います。

今回のコンサートは、私のピアニストとしての再スタートというか、新たな気持ちで次に向かっていくものだと思っています。これまでやってきたこと、今取り組んでいることで得たものを、お聞きいただく皆様に、そのまま正直にお伝えしたいと思います。

リサイタルが非常に楽しみです。ありがとうございました。


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