金沢市出身。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、現在、同大学修士課程を経て同大学院博士後期課程に在籍中。在学中に安宅賞、アカンサス賞受賞。2010年から2012まで日本学術振興会特別研究員(DC2)を務める。2010年に渡仏、2013年パリ第4大学音楽学修士号(Master2)取得。19世紀のフランス・ピアノ音楽ならびにピアノ教育史に関する研究が高く評価され、国内外で論文が出版されている。2015年、日本学術振興会より育志賞を受ける。これまでにカワイ出版より校訂楽譜『アルカン・ピアノ曲集』(2巻, 2013年)、『ステファン・ヘラーピアノ曲集』(2巻, 2014年)、『ラヴィーナ・ピアノ曲集』(2015)を出版。日仏両国で19世紀の作曲家を紹介する演奏会企画を行う他、ピティナ・ウェブサイト上で連載、『ピアノ曲事典』の副編集長として執筆・編集に携わっている。一般社団法人全日本ピアノ指導者協会研究会員、日本音楽学会、地中海学会会員。
1978年生まれ。東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。少年時代にエディソンの伝記を読んで古い録音に関心を持ち、19世紀後半から20世紀前半にかけて活躍した巨匠ピアニストの演奏を探究するようになる。以後、彼らが自らのレパートリーとするために書いた作品及び編曲に強い関心を寄せ、楽譜の蒐集及び演奏に積極的に取り組んでいる。また、楽譜として残されなかったゴドフスキーやホロヴィッツのピアノ編曲作品の採譜にも力を注いでおり、その楽譜はアメリカでも出版されている。ピアニスト兼作曲家として自ら手掛けたピアノ作品の作・編曲は、マルク=アンドレ・アムラン等の演奏家からも高く評価されている。
福岡市出身。東京藝術大学大学院音楽研究科ソルフェージュ研究領域博士課程修了、博士論文「スコア・リーディングからピアノ演奏表現へ」。在学中、ピアノを東誠三、ソルフェージュを林達也、照屋正樹、ローラン・テシュネの各氏に師事。ソロ・室内楽ともに幅広い演奏活動を行い、ピアノ曲事典に多数の音源を提供している。1992年ピティナ・ピアノコンペティションC級の部全国決勝大会入選。1994年九州・山口ジュニアピアノコンクール最優秀賞、全日本学生音楽コンクール福岡大会小学校の部第3位。1995年ポーランド国立クラクフ交響楽団とコンチェルトの共演。2002年石川ミュージックアカデミーに参加。 2005年名演奏家オーディションにピアノトリオで奨励賞。2008年パブロ・カザルス国際音楽アカデミーにて独奏および室内楽の指導を受ける。Y.A.ミュージックアカデミーソルフェージュ講師、日本ソルフェージュ研究協議会正会員、一般社団法人全日本ピアノ指導者協会演奏会員。
コンサート後に、好きな額を当日お配りする封筒にいれて頂きます。そのお金は演奏者ならびにピティナ・ピアノ曲事典への寄付金として大切に使わせて頂きます。規定の計算方法により過半(60%~場合によって全額)を演奏家にお渡しし、残りは本企画の調律費等に充てます。
日本で近代的な西洋音楽教育が始まろうとしていた時代、ヨーロッパの中心的な教育機関、パリ国立音楽院ではどのような教育が行われ、どのような作品が演奏されていたのでしょうか。このレクチャーコンサートでは、当時のパリ音楽院で行われていた定期試験の貴重な史料に基づいて選曲したプログラムを解説つきで紹介します。ピアノ曲事典にない作品を中心に扱いますが、レクチャーではショパン、ベートーヴェン、バッハといった当時「スタンダード」となりつつあった作曲家の位置づけにも触れます。
当時の試験曲目には、時代別、ジャンル別の選曲をするなど、現代の教育課程の原型が見て取れます。こんにちのピアノ教育のルーツが垣間見られると同時に、ビゼーやその盟友ギローのピアノ曲、当時在籍していた女学生によって自作自演された作品も取り上げられる貴重な機会となります。現代的なレパートリーが成立する「その時」を垣間見ながら、作品の価値についていろいろな視点から一緒に考えてみましょう。