演奏者からのメッセージ
フランス物はフランク、プーランク、ラヴェル。 それぞれ全く異なった個性を持つ作曲家の作品たちです。 フランクでは教会のろうそくの光のような音色、プーランクでは天真爛漫でチャーミングな魅力、 そしてラヴェルではマザーグースの童話の世界をそれぞれに弾き分けられたら、と思います。
一方のロシアものはプロコフィエフ。2番ソナタはクラシックな体裁ですが、シンプルで美しいメロディー、複雑なリズム、そして強烈な諧謔精神が垣間見え、すでに作曲家の個性が明らかな作風です。
ソナタ3番は1917年のロシア2月革命の頃に書かれたためか、まるで凝縮された戦いの物語を見るかのような、激しさを帯びた曲です。
ほぼ同じ時代の音楽ですが、まったく違う雰囲気がたたえられていることを感じていただければと思います。
この演奏会を通じて、ピアニストとしても、新しい発見があることを願っています。
5歳よりピアノの手ほどきを受け、7歳より家族と共に渡米。アメリカ滞在中にSYMF,南カリフォルニア・バッハコンクール共に3位入賞。レコーディング・コンペティション銀賞受賞する。16歳で家族と共に渡独し、現地のインターナショナル・スクールを経て、エッセン国立音楽大学演奏家コースに入学する。1988年ケルン、ショパンコンクールファイナリスト。1991年エッセン国立音楽大学を"優秀"で卒業後、同大学院進学。1992年から95年までパリ、エコールノルマル音楽院(パリ)研究科においてジェルメーヌ・ムニエ教授に師事する。94年、ルーセル国際コンクール(ブルガリア)においてディプロマと最優秀ドビュッシー賞受賞。ローマ国際コンクール(イタリア)においてディプロマ、メダルとフランク賞受賞。96年イタリアのキジアーナ音楽院にて室内楽をR.ブレンゴラー、岩崎淑両教授に師事し、名誉ディプロマ受賞する。