Program
61鍵の世界 - 躍るフォルテピアノ -
Profile
平井千絵/Chie Hirai(フォルテピアノ)
フォルテピアノという、音楽史の中で重要な位置を占める楽器を演奏し、温かみのある音色で多くの作品に命を吹き込む平井千絵。桐朋学園大学ピアノ科在学中に、故小島芳子氏の演奏を通じてフォルテピアノと出会い、卒業後同氏に師事。その後、オランダのデン・ハーグ王立音楽院古楽器科へ留学し、スタンリー・ホッホランド氏に師事して修士課程を首席で卒業している。その後はオランダを拠点に国内外で演奏活動を続け、ユトレヒト古楽祭(オランダ)、バルセロナ国際古楽祭(スペイン)、ボーヌ国際バロック・オペラ・フェスティバル(フランス)、ハレ・ヘンデル音楽祭(ドイツ)ほか、多くのコンサートや音楽祭に出演。またオルフェオ・バロック・オーケストラをはじめ、多くのオーケストラやアンサンブルと共演し、器楽奏者や歌手とのデュオも盛んに行っている。ヨーロッパのメディアでは、「傑出したフォルテピアノの専門家」と評され、その演奏がオーストリア放送、ラジオ・フランス、オランダ国営放送などで採り上げられた。2008年からはアムステルダム音楽院や母校であるハーグ王立音楽院で学内試験の審査員を務める。
日本国内においては鈴木秀美氏(チェロ)とのデュオや室内楽演奏で脚光を浴び、ソロ・コンサートも多数。特にフォルテピアノについてのわかりやすい紹介トークを交えたプログラムが好評である。銀座・王子ホールの『ぴあのの部屋』というコンサート・シリーズでは、女性作曲家による作品をプログラムに並べるなど、新鮮な視点で古典派時代の音楽を紹介している。また、ピティナ・ピアノ・コンペティションの審査員を務めるなど後進の育成にも力を注いでいる。
レパートリーは、18世紀に活躍したバッハ・ファミリーからハイドン、モーツァルト、そしてベートーヴェンを経て19世紀前半のシューベルトやショパンなど、「フォルテピアノの黄金期」と言える古典派〜前期ロマン派時代の作品。加えてギタリストの鈴木大介氏(19世紀ギター)や、フランスの若手バロック・ヴァイオリニスト、ジュリアン・ショーヴァンと共演するなど、新しいレパートリーの拡大にも意欲的に取り組んでいる。
鈴木秀美氏とのCD『メンデルスゾーン:チェロとピアノのための作品集』『ショパン:チェロとピアノのための作品集』(以上ソニー=BMG)は、「レコード芸術」誌や朝日新聞など多くのメディアで注目された。その後も唐澤まゆこ氏(ソプラノ)との『アート・オブ・マリー・アントワネット』(フォンテック)、初のソロCDであるショパンとグリンカの作品集『1840』(アクースティカ)をリリースしている。モーツァルトのピアノ・ソナタ全曲録音「Mozart Speaks」が進行中であり(フォンテック)、第1弾は「レコード芸術」特選盤に選ばれた。
神奈川県出身。ピティナ演奏会員、演奏表現学会会員。
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