ショパン、シューマン(1810年)、リスト、ヒラー(1811年)に次ぐ1812年生まれのピアニスト=コンポーザーはどのような人たちが存在していたのだろうか。最も著名なのはリストのライバルとして当代随一の名手と謳われたシギスモント・タールベルクであろう。しかし、有名オペラの主題を華々しく飾り立てる名人といったイメージばかりが広まって、タールベルクの、作曲家としての驚くべき真価はほとんど知られていない。その他の人々は今日名前すら残っておらず、全滅状態にある。中でもロマン派世代のイギリスピアノ音楽のパイオニア、ヘンリー・ホームズや、同ロシア音楽におけるアレクサンドル・デュビュクは歴史的にも重要な意義を持つ。加えて、ベルリオーズが信頼を寄せた指揮者で名ヴィオラ奏者のベルトルド・ダムケ、ドイツ音楽とフランス音楽の融和をもたらしたジョゼフ・シャド、ヅィメルマン門下でアルカンの先輩にあたるジュール・デジャゼら六名の作曲家によって、当代のピアノ音楽の隆盛がどのようなものであったかを実証したい。それぞれの作曲家の独創性と高いクオリティは、「優れた音楽だけが時代を超えて鍛えられてきた」という通説が、根拠のない思い込みに過ぎなかったことを示すものである。
入場料 1,000円(当日お支払いください)
会場:金沢21世紀美術館(金沢)
会場:金沢21世紀美術館(金沢)
第1回 11月6日(火)19:00開演(18:30開場)
◎ホームズ Henry Holms (1812-1885) :流れゆく雲/イングランドの鐘
◎ダムケ Berthold Damcke (1812-1875) :泉 Op.13-1/秋の歌 Op.30-3
◎タールベルク Sigismond Thalberg (1812-1871):ラ・カダンス Op.36/グランド・ソナタ Op.56
ほか
◎ダムケ Berthold Damcke (1812-1875) :泉 Op.13-1/秋の歌 Op.30-3
◎タールベルク Sigismond Thalberg (1812-1871):ラ・カダンス Op.36/グランド・ソナタ Op.56
ほか
※終了しました
第2回 12月26日(水)19:00開演(18:30開場)
◎デュビュク Alexandre Dubuque (1812-1898):エチュード「 レ・ムーシュ」 Op.88/ワルツ第5番「 会話」 Op.110
◎デジャゼ Jules Déjazet (1812-1848):ワルツ「 煙突掃除婦」 Op.23-4/メランコリー Op.26-1
◎シャド Joseph Schad (1812-1879) :すずらん Op.46/グラン・コンセルト Op.62
ほか
◎デジャゼ Jules Déjazet (1812-1848):ワルツ「 煙突掃除婦」 Op.23-4/メランコリー Op.26-1
◎シャド Joseph Schad (1812-1879) :すずらん Op.46/グラン・コンセルト Op.62
ほか
※終了しました
演奏:金澤 攝 Osamu N. KANAZAWA
作曲家、ピアニスト、研究家。1959年、石川県金沢生まれ。70年から74年までピアノを宮沢明子氏に師事。15歳で渡仏、パリに学ぶ。作曲を独学で学び、ピアノのレッスンに並行して広範囲にわたる作曲家の研究に取り組む。78年、知られざる名作を日本に紹介すべく帰国、研鑽を重ね、現在500人以上の音楽家を対象として研究、演奏を行っている。第7回ラ・ロシェル国際コンクール第2位(1位なし)、第1回現代音楽コンクール審査委員長(故・園田高弘氏)奨励賞、第3回村松賞大賞、金沢市文化活動賞、石川テレビ賞ほかを受賞。エピックソニーよりアルカン選集全8巻、自作アルバム等を発表。
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