2012年秋から2013年春までの公開録音イベント ~「古典の日」コンサートも開催決定~

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2012/10/12
2012年秋~2013年春までの公開録音イベント ~「古典の日」コンサートも開催決定~

この秋以後の公開録音をご紹介します。東京以外の地区での開催や「古典の日」に因んだ特別開催も加わりました。

2010年に始まった公開録音シリーズですが、約300曲の音源をピアノ曲事典に追加する実績も上げています。趣旨に賛同していただける演奏者や会場も増えて参りました。様々な都合によっては急遽開催となることもあります。年内の予定公演だけでも、あと9回。急拡大する公開録音企画の現在をご紹介します。

1.「古典の日」公開録音コンサート

「古典の日」は11月1日です。今年9月に法律で制定された新しい記念日です。これは「源氏物語」の成りたちに因んだ日付だそうです。ピティナでは文化的な記念日に何かふさわしいイベントを行いたいと考え、公開録音コンサートを行うことにしました。

とてもお忙しいなか、この日程で演奏して下さることになったのは、多喜靖美先生(ピティナ評議員/ジャスミンKOMAEステーション代表)、チェロの谷口賢記(ピティナ正会員/ジャスミンINAGIステーション代表)先生、そしてヴァイオリンの阿部真也先生によるトリオです。

当日は朗読や絵画の展示(予定)などを行って、日本の古典、そして古典という言葉とその役割について考える会にしたいと考えています。急遽の依頼に応えて下さり、連夜、スカイプで会議をするなどして進行を考えて下さっている三人の熱意により、素晴らしいコンサートになるはずです。

日本の古典芸能にも造詣が深い阿部先生に、この会のコンセプトについてのメッセージをお寄せ頂きましたので、ぜひお読みください。

⇒11月1日「古典の日」公開録音コンサート 詳細はこちら

※お詫び:チラシ・ウェブ記載のプログラムに誤りがありました。チラシではスタンフォードのピアノ三重奏曲が「第2番より」となっていますが「第3番より」の間違いです。

2.充実の巣鴨開催

2013年3月までのピティナ本部事務局「東音ホール」での開催予定は下記のとおり。
それぞれ、個性的なプログラムとなっております。

出演 日程 曲目 ご予約
赤松林太郎 赤松林太郎/Duo Hibiki 2012/10/19(金) ワーグナー(C.タウジッヒ編曲): 皇帝行進曲 他 予約
樋口あゆ子 樋口あゆ子 2012/11/18(日) 武満徹:雨の樹素描 予約
赤松林太郎 赤松林太郎 2012/11/30(金) チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲 イ短調 Op.50 「偉大な芸術家の思い出」 他 予約
飯野明日香 2013/1/26(土) メシアン:「幼子イエズスに注ぐ20のまなざし」より 他 予約
小倉貴久子 小倉貴久子 2013/2/9(土) L.A.コジェルフ:ピアノソナタ ハ短調 作品2-3 他 予約
上野優子 2013/3/17(日) ボルトキエヴィチ:バラード 作品42 他 予約
3.全国に広がる公開録音企画

去る9月30日、京都アトリヱステーションの協力により、金澤攝さん出演による公開録音が行われました。これを皮切りとして、大阪、奈良、金沢でも公開録音シリーズを開催予定です。次の開催は11月11日、岡原慎也先生ご出演による「シューベルティアーデin池田」

公開録音はピアノ曲事典に掲載するための音源確保を目的としていますから、たとえお客様が少なくとも、行う意義があると考えています。ただ一方で、演奏家の方々はどのような場でも全力で取り組んで下さいますし、会場を提供してくださっている皆様には、運営の負担があります。そのようなわけで、継続して良質なコンサートを行うためには、ご来場の方にご支援頂くことが必須です。

公開録音コンサートシリーズでは、一部の公演を除いて「入場料金額を決めない後払い方式」を採用しています。これは、聴衆の方々と一緒に、音楽の価値や音楽に関わる方々のご尽力の意義を考えて頂きたいという願いをこめたやり方なのですが、お陰さまで、コンサートを重ねるうちに、「1人当たりの入場料金額」は上がる傾向になってきています。(開催記録一覧参照

もちろん、金額そのものは自由ですが、たとえば岡原先生の公演においては、共演の方々2名も加わって、趣向を凝らしたプログラムを組んで下さっています。このようなこともご勘案のうえ、封筒に入れる金額(※)をお決めくださいましたら、今後も公開録音を続けていくことができます。因みに、東京公演以外の公開録音では今のところ、ピティナ本部には金銭収入が無い仕組みとしております(音源確保を目的としております)。

ご理解とご協力を、何卒、よろしくお願い申し上げます。

一部の公演については、残席が若干数となっていますので、お申込みお急ぎ下さい。

※公開録音コンサートシリーズでは、入場受付で封筒をお渡しし、その中にお好きな金額を入れて頂いています。

◆地方公演開催一覧
出演 地区 日程 ご予約
赤松林太郎 岡原慎也 (共演:野山 真希(Pf.)、小玉 晃(Bar.)) 大阪 2012/11/11(日) 予約
金澤攝 金沢 2012/11/6(火)
予約
2012/12/26(水) 予約
京都 2012/11/28(水) 予約
樋口あゆ子 岡田真季 (共演:田中佑子(Vn.)) 奈良 2012/12/2(日) 予約
赤松林太郎 喜多宏丞 京都 2013/2/24(日) 予約
  パリ公演2013年 開催準備中 海外    
4.公開録音ページを
    リニューアルしました。

東京開催、ミニコンサート、東京以外の開催等でページを分けて紹介していた「公開録音」関連イベントをすべて統合してご紹介する形に変更し、分かりやすく、ご予約して頂ける事を心掛けました。

⇒公開録音コンサートWEBページはこちら


◆阿部真也先生よりメッセージ

私が日々の生活を送る中で、先人の知恵を拝借せずに成り立っていることは、ほぼ無いように思います。どのようなことであれ、物事には過去との繋がりがあります。それは、有形無形に関わるものではありませんが、特に日本人としての心や文化など目に見えないもの、見えにくいものは大切にしたいものです。

 そうした過去との繋がりと交信する方法として「古典」に親しむことが有効です。「古典」とは古い書物であったり、長く時を経て模範とされるものが生み出されたものであり、時代に思いを馳せることができるものであります。文学でいえば、「枕草子」「平家物語」「源氏物語」「三十六歌仙」などが挙げられますし、古典芸能でいえば、儀式や祭祀、歌、日本舞踊、演劇、音曲、芸道、工芸などが挙げられます。

 しかし、残念なことではありますが現代において、流行(はやり)を追いかけることに熱心で、古典に親しむ機会は陰に隠れているように感じます。また、古典は「難しいもの」といった固定概念も大きく影響しているように思います。この点でいえば、いわゆる「クラシック音楽」も同じような境遇だといえます。我々は、忙しすぎる現代を生きていますが、流行のみに支配されるのではなく、古典に親しむことを不易としてもっと大切すべきではないでしょうか。日本古典芸道、茶道を確立した千利休は「稽古とは、一から習い十を知り、十よりかえる元のその一」といっています。即ち、原点としての初心は、後の自分を支える力となり、初心に戻ることで初めて次の進歩に繋がるのだろうと私は考えています。

 私にとっての演奏家としての原点は、「美しい旋律を紡ぎだした作曲家への憧れ」であったように思います。単に、技術を磨くのではなく、作曲家の歴史や彼らが勤しんだものに思いを巡らせることで、西洋の古典文学や芸術に出会い親しむことができたのです。さらに、好奇心から自国の歴史や文化にも触れ、先人が残した数多くの古典芸術に出会い感動したのです。歴史や文化に親しむことは、きっと人生を豊かにしてくれることでしょう。ぜひ、「古典の日」に先人が残した歴史や文化に親しんでみてはどうでしょうか。そこに、人生を豊かにするという不易が隠されているかもしれません。

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