【レポート】学校クラスコンサート(6/30:八幡北小学校)

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2010/08/05

 2名の演奏ボランティア原田絵里香さん・佐藤友香さん(ともにピアノ)による6月30日の学校クラスコンサートは、細部まで考え抜かれたプログラムで大変充実したコンサートとなりました。八幡北小学校の4年生が体験したコンサートの模様をお届けします。



 この日のコンサートは、モーツァルト作曲「フィガロの結婚」序曲の華やかな連弾で始まりました。

鍵盤楽器の説明

演奏後、「フィガロの結婚」に関連させて、オペラやオーケストラの簡単な説明と鍵盤楽器の歴史の解説へと進みます。鍵盤楽器の歴史のお話では、チェンバロ・クラヴィコード・フォルテピアノのパネルが登場。「黒鍵と白鍵の色が逆だ!」「鍵盤が2段ある!」「鍵盤の数が違う!」と、子どもたちが様々な気づきを次々に口にします。歴史の説明の後は、ピアノを囲んでピアノの仕組みの解説。ハンマーの動きや弦の震えを子どもたちが見つめます。続いて、ピアノの屋根の前側と後ろ側で音量の聴き比べ。響きの違いを肌で体感した子どもたちに、「ピアノは鍵盤や弦の部分だけじゃなくて、木でできている部分もとっても大切。この音楽室のピアノは、とてもやさしくてあたたかい音がします。でも、少しでも傷が入ってしまうと音が変わってきてしまう。だから、みんなこのピアノを大切にしてね」と、原田さんから心のこもったメッセージが送られます。

 引き続き、佐藤さん・原田さんによるソロを1曲ずつ。まずは佐藤さんによるショパン「小犬のワルツ」です。鍵盤を走る指、目まぐるしく動くピアノの中身など、皆思い思いの視点で演奏を見つめます。続いては原田さんによるカプースチン「8つの演奏会用エチュード」よりフィナーレの演奏。演奏前の「カプースチンさんはまだ生きているんだよ」との原田さんのコメントに、「えぇっ!?」と子どもたちから驚きの声が上がり、期待が高まります。幅広い音域を使っての演奏に、演奏後「すごーい!」「速い!」の声と大きな拍手が起こりました。

ライオンさんが出てきた!
あ!ライオンさんが出てきた!
この3つの動物のうちどれかな?
この3つの動物のうちどれかな?

 続いては、サン=サーンス「動物の謝肉祭」(5曲抜粋)の連弾をクイズを交えて進行。1曲目は「ライオン」。「序奏のあとに、ライオンさんが登場します。ライオンさんが出てきた!と思ったら手を挙げて、いなくなった!と思ったら手を下ろしてね」との問いかけに、子どもたちは思い思いの場所で手を上げ下げしながら集中して演奏に聞き入ります。2~4曲目は、「象」「水族館」「白鳥」の3曲。3曲続けて演奏され、どの曲がどの動物を表しているか、クイズが行われました。演奏者手書きのかわいい動物イラストボードも登場し、子どもたちも真剣です。答え合わせの後は、「フィナーレ」へ。再び子どもたちをピアノの周りに集めての演奏で、グリッサンドなどの珍しい手の動きを食い入るように見つめる子もいれば、体でリズムを取りながら聴いている子、演奏者の手の動きを真似する子など、皆それぞれに迫力あるフィナーレを味わっていました。

 

 コンサートの最後は、「子どもの世界」と校歌の合唱で締めくくり。「子どもの世界」の2番に入ったその時、演奏者2人もびっくりの出来事が。なんと、子どもたちが英語の歌詞で歌い始めたのです。この日のために子どもたちが一生懸命練習してくれた英語の歌は、演奏者2人にとってうれしいプレゼントとなりました。

 原田さんと佐藤さんの、ピアノそして子どもたちへのあたたかい愛情と、子どもたちの真剣なまなざしが印象的なコンサートでした。

≪児童の感想文より≫

♪45分のたった短い間でしたが、とても長い時間をすごしたようでした。いつものピアノがこんなにすばらしいのを見たのは初めてです。お家にあるピアノも大切にします。

♪佐藤さんと原田さんのえんそうを見たら、あまりの指の速さでかたまってしまいました。わたしもピアノをやっているから、「佐藤さんと原田さんみたいにできたらいいのになあ」と思いました。

♪ぼくがほとんどしらない音楽をピアノでひいてくれてありがとうございました。ぼくは、もっとしらない音楽をいっぱいしりたいです。


≪開催情報≫
会場:草加市立八幡北小学校音楽室
日程:平成22年6月30日(水)
対象:4年生3クラス(1クラスずつ計3回実施)

≪演奏者情報≫
◎原田 絵里香(はらだ えりか/ピアノ)東京音楽大学大学院音楽研究科器楽専攻修了
◎佐藤 友香(さとう ゆか/ピアノ)東京音楽大学大学院音楽研究科器楽専攻鍵盤楽器研究領域(ピアノ)修士課程2年在学中


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