第37回:北本市立栄小学校 2006年5月31日(水)

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2006/05/31

今回のクラスコンサートは、昨年学校クラスコンサート第1校目としてスタートした、北本市立栄小学校。1年回ってくる間に35回目を数えていた。今年の4年生はピアノとサクソフォーンのコンサートを体験。ピアノとサックスを囲んで大きな声で校歌を合唱をしたり、終わってからも残って盛んに演奏をねだったりと、元気なクラスコンサートになった。

ビデオを見てみよう(WMV5分48秒)

花火があがる時はどんな様子?

ピアノのふたを大きく開け、中身を覗き込ませると、そこには複雑な機械のようなものがぎっしり。鍵盤を押してみると、その中身が動く。「どこが動いたか、わかる?この鍵盤を押すと、下からハンマーが上がってきて、この弦をこうやってたたくの。」と、久保さんが自分の手を使って実演すると、 「これ、ハンマーでたたいて音が出てるの!?」とびっくり。


少しずつ夏めいた気候になってきたので、久保さんは「みんな、花火は好き?花火ってどんな動きや音がする?」とみんなのイメージを呼び出し、ドビュッシーの『花火』を演奏。まわりで聴いていた生徒たちは、「あっ、ここはひゅ~って上がったところだ!」「ぱちぱち言っているところ」と、想像しながら見つめる。久保さんの傍らでは、右左に動く久保さんの手を一所懸命目で追いかけたり、手で自分の想像の花火を動かして表現している生徒も。

「どんな花火だった?」と久保さんが聞くと、「丸い大きな花火だった。」「どーんって言って、ぱちぱちはじけてた。「ひゅ~って上がったり落ちてきたりするところもあったよ。」 と様々な自分の想像の花火を答える。


「さっき花火のそんな動きを表すために、ピアノでこういうふうな弾き方をしたの、気づいた?」と、グリッサンドをしてみせる。「あっ、やってた!」「ふつうはこうやって指を動かして1つ1つ音を出すのだけど、他にも色々な弾き方があって、ここの部分を使って流れるような音を出すこともできます。誰か、やってみたい人いる?」というと、「はい!はい!」と手があがる。

久保さんは3人ずつピアノの前に立たせ、手をとりながらみんなの前でグリッサンドミニ指導。すーっと音を出せる子もいるが、緊張してがつんとあたり「いたい~」という子も。「逆はどうやってすると思う?」と言うと「こう?」と色々な案が出る。「やり方は1つではないのだけれど、私はツメを使います。誰でもできるけれど、やり過ぎると私みたいにマメができてしまうので、気をつけてね。」と手を見せると「ほんとだ~~。」と自分の手と見比べる。


サックスが笑ってる!?

國末さんはまずサックスの音を聴いてもらおうとルディ・ヴィードフの『Sax-O-Phun』という曲を演奏。「サックスが笑っているような音がたくさん出てくるので、サックスがどんな風に笑うのか、聴いていてくださいね!」と言って始める。笑い声のようなところでは「これだね!」とひそひそと目配せをする子どもたちも、次々とコミカルなフレーズや、みんなの方へ近づいて目をあわせながらの國末さんのパフォーマンスに、がまんできずに声を出して笑い出す子どもたち。

「その、首から下げているのは何?」と、目の前にあるサックスにさっそく興味を示す生徒も。「これはストラップ。サックスを演奏する時に手で支えきれないので、こうやってつなげて首から下げて、演奏しやすくしてるんです。」「へー、サックスって重いの?」と言うと、「持ってみる?」とストラップからはずして持たせてみる。「重い!」という子も、また「思ったより軽い」という子も。想像していたサックスの重さは様々だったのだろう。

モンティの『チャールダーシュ』では、サックスの大人っぽい音色でまったりと聴いていたかと思うと、途中で一気に速い激しいテンポに様変わり!の様子に、思わずみな國末さんの指づかいの速さ、息継ぎに息をのんで見入る。

最後には、リコーダーで『パフ』を、そして栄小学校の校歌を一緒に演奏。いつの間にかピアノの周りにまた集まった生徒たちと一緒に、國末さんも中に混じってピアノを囲み、みんなで大きな声で歌った。


"おまけ"...イナバウアーにトルコ行進曲の競演!?

みんなからの盛んな拍手をもらった2人は、もう1曲プレゼント。「みんなも聴いたことのある曲だと思うけれど、わかるかな?」と『トゥーランドット』から「誰も寝てはならぬ」を演奏。「あっ!これ!」とわかった子は"イナバウアー"をやって隣の子に伝える。ふと見るとサビを演奏する國末さんの身体がどんどん反り返っていく...!「うわーっ!そんな体勢で演奏できるの!?」という驚きとともに、そんなおまけをつけてくれた國末さんに大喜び!

コンサートが終わってからも、みんなは2人をはなさない。「さわってみたい!」「ふいてみたい!」という声に、「これをくわえて、ふーって息を出してごらん」と実験的に吹かせてみるが、なかなか音は出ない。「もっと何か吹いて!」というリクエストに、みんなの知っているアニメの曲などを吹いてみる。「ここをふさいだらどうなるかな...?」といたずら心を出した子どもたちは、ベルの穴を手でふさいでみる。みんなでふさぐと、音が小さくなる。示し合わせて「せーの!」と手をはずすと、プァーッ!と音が開放され、「きゃーっ!」と喜ぶ。

ピアノの周りにもみんな寄ってきて、「エリーゼのために弾いて!」などとリクエスト。それを見たサックスの周りにいた子たちが國末さんにも「エリーゼのために、弾いて!」と。久保さんのピアノにあわせながら、何とか音を追う。お互いの周りにいた子たちは、それぞれの楽器を「負けるな!」と応援。すると久保さんは次に『トルコ行進曲』を高速で弾き出す。あわせて國末さんも追いついて競演するが、速いパッセージでさすがに「それは無理だよ~」と降参。まだまだおねだりをしたかった生徒たちは、名残惜しそうに給食の準備に行った。


演奏者

♪ ピアノ 久保 はるな(くぼ はるな)
東京藝術大学音楽学部卒業、同大学院音楽研究科修士課程を首席にて修了。現在埼玉県立大宮光陵高等学校音楽科非常勤講師。1991年全日本学生音楽コンクールピアノ部門東京大会中学校の部第1位。1992年第3回埼玉ピアノコンクールD部門金賞。1998年彩の国新進音楽家オーディション合格。第9回やちよ音楽コンクール第1位。1999年第23回ピティナ・ピアノコンペティション特級銀賞。2000年ショパン全曲演奏会に出演。現在ソロ、アンサンブル等活動を行うとともに、後進の指導にもあたっている。これまでに、水野ゆみ、堀江孝子、播本三恵子、故ハリーナ・チェルニー=ステファンスカ、植田克己の各氏に師事。
♪ サクソフォーン 國末 貞仁(くにすえ さだひと)
香川県立高松高等学校、東京芸術大学を経て、同大学院修士課程修了。1996年第13回香川ジュニア音楽コンクールにおいて管弦打楽器部門総合第1位、併せて香川県知事賞受賞。同コンクール受賞者記念演奏会「'96高松テルサ音楽祭」においてグランプリ獲得。第4回若手奏者のためのコンペティション第1位。 第22回日本管打楽器コンクールサクソフォーン部門第3位。 これまでにサクソフォーンを西宇徹、須川展也、石田智子、二宮和弘、冨岡和男の各氏に、室内楽を中村均一氏に師事。國末貞仁公式ブログ:http://saxkunisue.blog17.fc2.com/

プログラム

1.R.ヴィードフ:Sax-O-Phun(サックス&ピアノ)
2.ショパン:黒鍵(ピアノ)
3.モンティ:チャールダーシュ(サックス&ピアノ)
4.ドビュッシー:花火(ピアノ)
6.合唱:北本市立栄小学校校歌
7.合奏:パフ(リコーダー)
アンコール プッチーニ:誰も寝てはならぬ(サックス&ピアノ)

協力:北本市立栄小学校/後援:北本市教育委員会/主催・問合:ピティナ学校クラスコンサート係

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