福岡県出身の伊賀あゆみさんが、帰省の機会を利用して福岡市で2校の学校クラスコンサートを実施。姪浜小学校では4年生5クラスが体験した。共演したサクソフォーンの飯島久江さんの息継ぎの仕方に注目するなど、目の前ならではの特典を存分に発揮した。自分が小学生時代を過ごした福岡で、今の小学生へ音楽のメッセージを届けた。生徒さんたちから感想と伊賀さんの感想をご紹介。
姪浜小学校は、私の父や祖父、叔父の母校でもあり、現在いとこたちが通う学校でもあります。たくさんの方々に支えて頂きながらのコンサートでした。生まれ育った大好きな街、福岡でのコンサートが実現でき胸が熱くなりました。
演奏は聴き手によっても左右される生もの。人情溢れる土地がら、おいしい食べ物もいっぱいある福岡の子供たちは元気いっぱい!
楽器が演奏できなくても、音楽を楽しむことは誰にでも出来ることです。みんなの人生が音楽によって少しでも豊かになることを、日々祈ってます。(伊賀あゆみ)
●ベートーヴェンさんは、こわい顔だけどやさしい曲をつくったんだね
◆ 1曲目が始まった時、わくわくしました。もう、聞いているだけで、いかりやたのしさが伝わってきます。(4年)
◆ 伊賀さんがさいしょにした問題で、1番高い音から1番低い音までひくのがすごくはやかったので、すごいと思いました。(4年)
◆ 私が一番心にのこったのは、伊賀さんがピアノをひく時、表情を考えながらひいて いて、すごく、怒り、悲しみ、楽しそうにしていたのが、わかりました。(4年)
◆ あゆみさんの手さばきは、すごく早かったです。目の前でそんなにじょうずな人を見たのははじめてです。(4年)
◆ 曲の1つ1つの意味を説明してくださったので、想像しながら聞くことができわかりやすかったです。(4年)
◆ ぼくは、ピアノに上手、下手はないと思っていました。ベートーヴェンさんは、こわい顔だけどやさしい曲を作っていましたね。(4年)
◆ ショパン『革命』をひいてもらって、すごいこわい音でよーくショパンのきもちがわかりました。すごい怒り悲しみがわかりました。(4年)
◆ ショパンの『革命』はCDできいたことがあります。でもCDとちがって本当にピアノでひいているのは、はくりょくもあってすごかったです。(4年)
◆ 伊賀あゆみさんは、ピアノをひいている時に、体全身が動いていました。(4年)
◆ 『エリーゼのために』をみて、ベートーヴェンさんがかわいそうになりました。好きな人がベートーヴェンさんのことが少しだけ好きと言われてかわいそうでした。(4年)
●息をものすごく吸っていて、がんばってるんだなぁと思った
◆ 飯島先生は、いきを切らさないでふいていて、すごく感動しました。
◆ サクソフォーンの音色は少し低いけど、すごくきれいな音でした。ひさえさんがサクソフォーンの音をひいている時に、息がものすごくすっていたけど、それぐらいがんばってるんだなぁと思いました。(4年)
◆ 「サクソフォーンをふいている時、いきぎれにならないですか?」とだれかが質問して「なります。」と言った時、私はビックリしました。あと「ふっきんもしています。」ときいた時、すごいなぁと思いました。(4年)
◆ ぼくが一番心に残ったのは、『わくせい』です。なぜかと言うと、どこかできいたこともあるし、なんかうれしいような感じがしました。(4年)
◆ 『惑星』は宇宙にいると思いました。(4年)
◆ サクソフォーンは一回も見たことがなかったので、びっくりしました。いきをいきおいよくふかなきゃいけないのは、苦しいですか?ちっちゃくひいたり大きくひくの は、きついかもしれませんが、がんばってください。(4年)
◆ ピアノとサクソフォーンの音がたがいにうまく協力して演奏していたと思います。(4年)
◆ えんそうした曲は、いろいろな意味があって作られたんだなぁと思いました。有名な曲、怒り、悲しみなどの曲、惑星の曲、サンバの曲、手拍子をする曲などいろいろな曲があることがわかりました。(4年)
◆ とくに、『ラデツキー行進曲』がみんなで手拍子をしたりして、音が大きくなったり小っちゃくなったりして、楽しかったです。(4年)
◆ 今日がはじめてのコンサートだったので、うれしかったです。(4年)
◆ またほかの曲もききたいです。(4年)
◆ 私はピアノをならっているけど、どうしてもうまくひけなくて、自分に自信が持てません。でも今日、いがさんやいいじまさんの演奏をきいて、「音楽ってとってもい いな。これからもがんばろう!!」という気持ちになって、自分の曲に自信をもてる ようになりました。私のしょうらいのゆめは作曲家になることなんです。そのためには、色々な楽器にふれてみたいです。私もいつか音楽の世界のスターになりたいで す。これからも音楽の世界のスターでいてください。」(4年)
本物を演奏を聴くことで、音楽への興味、関心が高まり、そして何よりも音楽の楽しさを感じることができたようです。成長段階にある子どもたちにとって、とても貴重な体験となりました。本当にありがとうございました。お二方の今後のご活躍も期待しています。(4年生担任一同)
演奏者
福岡県出身。3歳よりピアノを始める。東京音楽大学付属高等学校を経て、東京音楽大学卒業、同大学院修了。在学中特待生奨学金を得る。大学院在学中、奨学金を受けイギリス王立音楽院に短期留学。これまでに居石聰子、杉山千賀子、播本三恵子、倉沢仁子、クリフォード・ベンソン、土田英介の各氏に師事。新人音楽コンクールジュニア部門小学校の部グランプリ。全日本学生音楽コンクール中学校の部奨励賞、高校の部第2位。ピティナ・ピアノコンペティションG級、特級金賞受賞。ソロや室内楽の演奏活動の他、NHKFMラジオドラマの音楽担当、雑誌ピアノスタイルのCD演奏やコラム執筆など幅広く活動中。「ピアノで奏でる日本の抒情歌」でCDデビュー。現在、「ピアノ・トリニテ」メンバー、東京音楽大学伴奏助手。
茨城県出身。3歳よりピアノ、10歳よりサキソフォーンを始める。東京音楽大学付属高等学校を経て東京音楽大学卒業。高校・大学共に卒業演奏会に出演。これまでに中村均、石渡悠史氏に師事。作曲・編曲を鈴木正美に師事。『Souffle』のメンバーとして国内外で演奏する傍ら、映画・CM音楽等のレコーディングなどで活躍。その他、音楽と絵画の融合を取り入れさまざまなアーティストとコラボレーションする他、福祉施設にて音楽療法を取り入れた演奏活動に力を入れている。ラジオ・NHK出演の他、香港音楽雑誌のコラム執筆も行う。現在、ソロ・室内楽・吹奏楽指導など各地で幅広く活動。
プログラム
1.ベートーヴェン:エリーゼのために
2.ショパン:革命
3.ホルスト:『惑星』より「木星」
4.ミヨー:スカラムーシュ
5.シュトラウス:ラデツキー行進曲
6.合唱:子どもの世界
7.合唱:姪浜小学校校歌
「ピアノ・トリニテ」のページに伊賀あゆみさんのリポートが掲載