2006年度からは、草加市においても学校クラスコンサートがスタート。その第1校目となったのが草加市立西町小学校。佐藤展子さんとクラリネットの春澤真由美さんが音楽室へコンサートに向かった。ピアノの下にもぐったり、クラリネットを覗き込んだり、興味を活発に身体であらわしていた。
●みんなの「きらきら星」が変身!
モーツァルトの『きらきら星変奏曲』は、みんなのよく知っている『きらきら星』がどんどん変身していく曲。佐藤さんの演奏を助けるため、みんなも『きらきら星』のテーマを練習してきてくれた。まずは『きらきら星』のメロディをみんなに鍵盤ハーモニカとアコーディオンで演奏し、それを受けて佐藤さんが次々に変奏曲で見事に変身させた。
変奏曲にまだなじみのないみんなに、「同じ人の服を着せ替えていくようなものだよ。どんな風に変わるか聴いていてね」と教え、1つずつ新しいバリエーションに入る度に、「次は明るいはねる感じ。」「今度はかなしいきらきら星。」と、みんなの顔を見て言葉をはさみながら演奏した。
●音楽だけど理科?算数?
佐藤さんが『小犬のワルツ』を弾く間にも、まわりで見ている子はピアノという楽器に興味津々。下にもぐってふるえている板を触って探してみたり、理科の実験のよう。さらに、「見ていて気になっていたんだけど、さっき教えてくれた"ダンパー"、どうしてここだけ飛び出てるの?」と、「え?どこどこ?」と、普段弾いていてもなかなか気づかないような所をよく見ている。
「弦もここはまっすぐなのに、ここはななめだね。」「そうだね。見てわかるように、高い方の弦は短いの。でも低い音を出すには長~い弦が必要だけど、この大きさのピアノじゃあ入りきらないでしょう?ななめにすると、長いものも入ってしまうんだね。よく気づいたね。」と、今度はピアノを見ていて算数の図形も一緒に学んだようだ。
●クラリネットにメガネ?
クラリネットの楽器もふしぎな魅力でいっぱい。『インマークライナー』で1つずつ分解して前に並べられていく楽器を、「1,2,3・・・」と指差し数える。
「クラリネットの穴はいくつあるんですか?そのメガネみたいなのは、何ですか?」...メガネ...?と思ってみてみると、穴をふさぐための銀色のキーが、メガネの形に見えたらしい。穴をふさぎながら音階を奏でてみせると、「そこ!そこが動いてる!」と見つける。
「クラリネットは何種類あるんですか?」という質問に、「こんな小さいのから、こーんなに大きいものまで、数種類あります。」というと、「えー、そんなに大きいのもクラリネットなの!?」とおどろく。初めて目の前で見た楽器から、まだ見ぬ楽器へと、さらなる興味が広がっているようだ。
演奏者紹介
東京音楽大学付属高校、同大学ピアノ演奏家コースを経て、2002年同大学院修士課程修了。在学中、特待生奨学金を得る。
1997年モーツァルテウム音楽院サマーアカデミーに奨学金を得て参加、A.ヤシンスキ氏に師事。
1998年彩の国埼玉新進音楽家オーディションに合格。マラソンコンサートに出演。 2000年卒業演奏会、讀賣新人演奏会に出演。東京音楽大学シンフォニーオーケストラと共演。英国王立音楽院に奨学金を得て短期留学、C.ベンソン氏に師事。
2001年ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ受賞。
2002年沼尻竜典氏指揮・日本フィルハーモニー交響楽団と共演。越谷、ヤマハ銀座店にてリサイタル開催。 2005年越谷市にてリサイタル開催
国立音楽大学卒業。中学・高校と全日本吹奏楽コンクール、全日本アンサンブルコンテスト全国大会で3年連続金賞等数々受賞。
1989年、ベルギーで開催されたプレ・ユーロ・ジャパンの演奏旅行に参加。1997年、1999年、2000年、パリ・オペラ座のスーパーソリスト、J.F.ヴェルディエ氏のフランス夏期講習会に参加。 2000年、第5回日本クラリネットコンクール入賞。同年、彩の国アーティスト・デビューコンサートに出演。現在、小・中学校でのリサイタルや吹奏楽指導、またソリストとして活動中。
プログラム
ショパン「小犬のワルツ(ピアノ)
モーツァルト「きらきら星変奏曲」(ピアノ)
シュライナー「インマークライナー」(クラリネット)
ポーランド民謡「クラリネットポルカ」(クラリネット)
ロジャーズ「エーデルワイス」(リコーダー)
西町小学校校歌(合唱)