クリスマスを間近に控えた西東京市住吉小学校には、西川潤子さんと一緒にオーボエの最上峰行さんが向かった。
本物を見たことのない"オーボエ"という楽器に、みんな「どういう音が出るんだろう?」「どのくらいの大きさなのかな?」と色々と想像をふくらませながら生徒たちはこの日を待っていた。クリスマス曲の演奏では生徒も鈴で参加!西東京市からは宮崎美代子教育長も熱心に見学された。
●自然と、歌が...
今日はクリスマス前の最後の音楽の授業。クラスコンサートにもクリスマスメドレーが入った。オーボエの魅力たっぷりに「きよしこの夜」と「アメージンググレイス」を、そして「ジングルベル」では、音楽室にあった鈴を配って、一緒に鳴らして参加。見学の保護者も一緒になって、「ヘイ!」と声も飛ぶ、楽しいメドレーになった。
生徒と一緒には、リコーダーと、「音楽のおくりもの」を合唱。元気いっぱいに声をそろえ、それにピアノとオーボエもアレンジを加えて参加して、二つとない、みんなからの、そしてみんなへの「音楽のおくりもの」となった。
アンコールでは、「こっちの曲と、こっちの曲と、どっちがいい?」と西川さんが言うと、勢いよく「ラピュタがいい!」との声が早くあがった。みんなが大好きなだけあって、ピアノとオーボエで『君をのせて』の演奏が始まると、誰からともなくその歌を口ずさみはじめ、だんだんと大きな歌の輪になっていった。みんなの心から自然に出た歌声は、せつないメロディに乗って胸をうつ、とても素直でいい声だった。
他にも多くの感想をもらった。音色が直接に心に届いた感動の言葉とともに、小さな胸に"ゆめ"の芽が芽生えた子もいたようだ。
―「4年生になっても、あのすてきな音楽は、わすれません。」(3年生)
―「ぼくは音楽が好きで得意です(たぶん)でも、プロの人を今日のように近くで見たのは初めてでした。
最初に西川さんのピアノをみてすごいと思いました。そして、ぼくも西川さんのように上手くなりたいと思いました。ぼくはピアノの仕組みをしらなくて、自分で見て学んでいただけでした。でも、今日西川さんにていねいに、目と耳でおしえてもらいました。
そして最上さんには、オーボエのことを話してもらいました。オーボエが、ギネスブックにのるほどむずかしい楽器だとは知りませんでした。ぼくは、オーボエを遠くからしか見たことないので、今日のように近くで見るのは初めてでした。なので、この、リードのことは知らなかったので、学習しました。 そして...二人が吹いたり弾いたりしたのは、すごかったです!!」(4年生)
―「西川さん、ぼくは、ピアノのことがそんなに好きじゃありませんでした。だけど、プロの西川さんのひき方を見ていたら、ピアノがだんだんすきになりました。最上さんにも感しゃしています。ぼくは、オーボエのことや音をあまり知らなくて、つまんない楽器なんだろうなあと思っていました。でも最上さんのオーボエの音をきくと、おもしろい楽器だなあと思いました。あらためて、西川さん最上さん、住吉小に来てくれて本当にありがとうございました。楽しかったです。」(4年生)
―「私は、つい最近までピアノを習っていましたが、11月を最後にやめていました。毎日しっかり練習するのが、大変でした。他の習い事がいそがしかったからです。それで、クラスコンサートのとき、最初のショパン「幻想即興曲」が、とても速くて、びっくりしました。私は、ピアニストがゆめ、と思ったこともありました。でも、おかげで他のゆめを目指す気持ちがわいてきました。どうもありがとうございます。」(4年生)
―「私は、小学2年生までピアノを習っていました。もちろんその時のゆめは、ピアニストでした。でもピアノをやめてしまったので、今のしょうらいのゆめは、考えていませんでした。でも、今日のえんそうをきいて、ピアニストになろうと、あきらめたゆめが、本当のゆめになりました。今日はありがとうございました。」(4年生)
演奏者
西東京市在住。桐朋女子高等学校音楽科を首席で卒業後、桐朋学園大学音楽学部卒業。1998年ピティナ・ピアノコンペティション特級金賞受賞など、国内外の多数のコンクールで優勝。モスクワのチャイコフスキー記念モスクワ音楽院大ホールにて、ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番を演奏。併せてCD録音を行いアメリカで発売。国内のみならずオーストリア(ザルツブルグ)・ウルグアイ・フィリピン・イタリア・アメリカ・香港・シンガポールなど世界各国でソロ・室内楽・オーケストラとの共演で活躍し高い評価を得ている。 「西川潤子のピアノ日記」
桐朋学園大学音楽学部演奏学科を経て、桐朋学園大学音楽学部管楽器部会嘱託演奏員を務める。第1回小澤征爾音楽塾オペラプロジェクト「フィガロの結婚」に参加。NHK・毎日新聞社共催「第69回日本音楽コンクール・オーボエ部門」第3位入賞。第11回ヤングプラハ国際音楽祭に招かれ、プラハ国立劇場管弦楽団と共演。第17回アフィニス夏の音楽祭、2005年サイトウキネンフェスティバルに参加。現在国内外のオーケストラに客演する他、ソロ、室内楽等、幅広く活動している。ホームページ:http://mogami.exblog.jp/
プログラム
ショパン「幻想即興曲(ピアノ)
グリーグ「4つの小品より第2曲」(オーボエ)
ドビュッシー「亜麻色の髪の乙女」~シューマン「トロイメライ」(ピアノ)
「きよしこの夜~ジングルベル~アメージンググレイス」(オーボエ)
「レッツ ゴー」(3年生)「オーラ リー」(4年生)(リコーダー)
「音楽のおくりもの」(合唱)
エフエム西東京で2005/12/30特別番組「西川潤子の学校クラスコンサート」で1時間そのまま放送されました。
エフエム西東京「西川潤子のようこそクラシック!」では第1回(1/22放送)で住吉小の模様が、また第3回(2/12放送)では住吉小を見学された宮崎美代子教育長がゲスト出演し、当日の感想を述べられた。
「西川潤子のピアノ日記」には西川さんのコメントが掲載!