2.講師/講座内容

【講師/講座内容】
佐々木邦雄
◆ 佐々木邦雄
担当講座
第一回 2011/04/21(木)
楽譜はサウンドの設計図1 ~C級までの課題曲を使って
楽譜には様々な情報が書き込まれており、建物の設計図と同じで実際に演奏して初めて実像化します。
しかし同じ楽譜から同じ演奏にはなりません。その理由の一つは楽譜に「暗号」と似た部分が多いからだと思います。
「暗号」解読にはそれを読み解く技術が必要です。解読した後は建物と同様に正確に美しく作り上げる作業になります。
この講座では、2011年度のPTNAコンペ課題曲を素材にして楽譜を音楽の設計図として捉え、演奏に役立つ手法をご提案したいと思います。
提出課題は無し。もしくは簡単なレポート的なものに留めます。その分生徒さんの指導に活かしていただき、より良きアドバイスの一助になっていただければ光栄です。
第七回 2011/11/17(木)
楽譜はサウンドの設計図2 ~五線譜の奥に広がる世界
楽譜を「湖(みずうみ)」たとえると、一見みな同じような水面でもその成り立ち・深さ・色・水面下の状況は千差万別です。二次元の水面や楽譜の下には、それぞれ奥深い世界が広がっています。その世界を知るにはその奥底を目指して潜ることです。その際の装備にあたるものが楽譜に関する「知識」と「見解」そして「経験」です。
この講座では、楽譜を通して作曲者が音に込める「心の語り」について、私自身のオリジナルアンサンブル曲を数曲持参し、それらを再現しながら曲ごとにその奥底を語ってみたいと思います。提出課題は講座を受講した「感想文スタイルのレポート」にしたいと思います。
プロフィール◎東京芸大作曲科卒、作編曲家、ケーエスミュージック主宰、聖徳大学兼任講師、当協会正員、船橋KSMステーション代表、メディア委員会副委員長。
◆ 久元祐子
担当講座
第二回 2011/05/19(木)
ピアノを弾くための音楽史~楽器と作品のコラボレーション
 大半の器楽作品は、作曲家が楽器を弾きながらつくったと思われます。ですから、作品には、楽器の姿やありようが投影されています。
 ピアノ曲の場合は、とりわけ、チェンバロやクラヴィコードから現代のピアノの前身であるフォルテピアノへと移り変わっていった時代、つまり、ハイドンとモーツァルトの作品には、想定されていた楽器のありようが作品の内容にも大きな影響を与えています。このことは、ほぼ、チェンバロの時代が終わり、ピアノの時代を生きた、ベートーヴェンの作品にもあてはまります。
 現代のピアノで、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの作品を弾く時にも、それぞれの作品に投射されている当時の楽器の特性が考慮されるべきでしょう。それらを踏まえてこれらの作品を弾く時、おそらく、演奏に深みと芸術性が加わると思います。
 今回の講座では、モーツァルトが馴染んだ楽器、クラヴィコードにも触っていただき、当時の楽器の特性を感じていただきながら、ご一緒に演奏法を考えてみたいと思います。
プロフィール◎東京芸大卒、同大学院修、国立音大講師、日本ラトビア音楽協会理事、セレモアコンサートホール武蔵野顧問、当協会正会員、同メディア委員
◆ 秋山徹也
担当講座
第三回 2011/06/16(木)
アナリーゼを演奏に活かそう ~A1・B級課題曲を使って
音楽の基本的な表現方法を再確認し、それを基に2011年PTNAコンペティションA1・B級課題曲のうちから数曲を取り上げて、可能な解釈と相応の演奏の結び付け方を、参加者で考えてみたいと思っています。事前に各曲の構造を見てアナリーゼしていただき、それを基にした可能な解釈とその組み合わせを実際に何人かの参加者に演奏していただいて検証できれば、と考えています。
「コンペティションに入賞しやすい演奏」などを目的とするのではなく、構成を基にさまざまな解釈・さまざまな演奏の可能性を自由に独自に出していただいて、いろいろな演奏の可能性を探ることができるようにしたいと考えています。
プロフィール◎ 東京芸大卒。同大学院修、当協会評議員、文京アナリーゼステーション代表、指導者検定委員(中級グループ)
◆ 多喜靖美
担当講座
第四回 2011/07/21(木)
選曲のセンスを磨こう!~「レッスン」から「コンサート」まで
ピアノを演奏したり指導していると「選曲」の必要に迫られる場面が多くあります。膨大なピアノ曲の中からコンセプトに合った曲を選ぶのには、幅広い知識が必要ですし、そのセンスも問われます。
例えば、
・レッスンでは次の教材の「選曲」次第で生徒のやる気も上達度も変わります。
・発表会も生徒のモチベーションを上げるために「選曲」は重要です。
・コンクールでは審査員が「選曲」の何に着目しているのか知る必要があります。
・そしてコンサート、当然「選曲」が勝負ですよね。
様々な場面での「選曲」の大切さと失敗しないコツを、私が長年取り組んでいる『おはなしとピアノ演奏シリーズ』など多くの実例を交えてお話し致します。
プロフィール◎ 桐朋学園大卒、当協会評議員、指導者検定委員会アンサンブルグループリーダー、ジャスミンKOMAEステーション代表、メディア委員。昭和音楽大学非常勤講師。
◆ 今井顕
担当講座
第五回 2011/09/22 (木) 
ソナチネアルバムの落とし穴 ~教材としてのメリット・デメリット
ピアノを勉強をする上で、ソナチネアルバムは古典作品への理解を深めるためには欠かせない定番の教材となっています。楽式の構造も複雑になり、作品の規 模も格段に大きくなります。その後のモーツァルトやベートーヴェンのソナタに つながる大切なステップにもかかわらず、「古典は無味乾燥でおもしろくない」 というイメージを抱かせてしまうことも。
その原因はどこにあるのでしょうか?
「古典作品はすべての基礎」と言われますが、その真意とは?
おもしろい教材にもなるし、つまらない教材にもなってしまうソナチネアルバム──その功罪と使い方を研究する講座です。
プロフィール◎ 国立音大大学院教授、ウィーン国立音大名誉教授、当協会評議員、同メディア委員会副委員長。
◆ 岡部玲子
担当講座
第六回 2011/10/20(木)
ファンタジーに満たされたショパン ~楽譜の中の自由
この講座は、楽譜のエディションについて学び、楽譜を読み取る力を高めることを目的とします。
演奏の基となる楽譜は、同じ曲が様々な出版社から数多く出版されていることが多いですね。"原典版"でさえも数種類存在することが稀ではありません。それらを見比べて、違いを見つけてしまうと、「どちらが正しいの?」と考えてしまう人も多いのではないでしょうか。
講座では、まず、楽譜というものが時代によってどのように捕えられていたか、そして、出版の際に校訂者はどのような問題意識を持っていたか、なぜ楽譜間に相違が生じてしまうのかをお話します。
そして、J.S.バッハのインベンションを見た後、ショパンを取り上げます。
ショパンの楽譜の出版事情を知った上で、演奏や指導の際には、それぞれの楽譜をどのように利用し、どのように読みとったら良いのかを考えていきます。
取り上げる曲は、簡単な小品(ワルツなど)です。
お手持ちの楽譜をご持参頂くことになります。
プロフィール◎ お茶の水女子大学ピアノ専攻卒 同大学院修士課程ピアノ専攻および博士課程修、博士(学術)、お茶の水女子大学講師、常磐大学准教授、当協会正会員、つくばsolaステーション代表、メディア委員。
藤原 豊
◆ 藤原 豊
担当講座
第八回 2011/12/15(木)
クリスマスの伴奏付け~基本アレンジとお洒落な裏メニュー
クリスマスのうたをアレンジしたピアノ曲集。かなりたくさん出版されています。
しかしほとんどのピアニストの方々は「楽譜通り」に演奏なさっているのではないかと。
もちろん、たとえ簡単なアレンジであっても、とても素敵なものはたくさんあります。
が、中にはすこし、いろいろな意味で「惜しい」アレンジの楽譜もあります。
そのような楽譜にほんの少し何かを加えてあげたら、(場合によっては余計な音をうまく減らしてあげることができたら)それはそれは自慢のクリスマスアレンジになるような気もします(もちろんクリスマス以外の音楽にも対応していますよ)。
この回はそんなことをまず基本から取り上げ、その後いわば「賄い料理」的な、エッセンスの効いた伴奏の作り方とその可能性を探ってみたいと思っています。
ワークショップご参加の方々のオリジナルアレンジで、来年以降のクリスマスがもっともっと盛り上がりますように!
プロフィール◎ 作・編曲家。東京音楽大学作曲科准教授(芸術音楽コースおよび映画・放送音楽コース担当)、ヨコハマ・シーガルアンサンブルピアニスト、社団法人全日本ピアノ指導者協会正会員。
◆ 春畑セロリ
担当講座
第九回 2012/01/19(木)
二手から四手へ~連弾アレンジへのエントランス
レッスンや発表会での連弾の活用は、効果絶大。
それならば、先生ご自身が生徒さんのために連弾編曲できたら、どんなに便利か、楽しいか、素晴らしいか...
でもそんなことは難しい?
心配ご無用。実は、連弾アレンジはピアノ・ソロ編曲よりも簡単(かもしれない?!)。しかもそこには、メロディ、コード、リズムなど、編曲理論のエッセンスが詰まっています。
楽譜を書くことのみならず、楽譜を読むことへの導入にも役立つ、連弾編曲の入口へご案内します。
第十回 2012/02/15 (水)
教材を作ろう~連弾アレンジ実習
ワークショップ第九回の課題としてご提出いただいた作品や、そのほかの編曲例を、みんなで検証してみましょう。
連弾の検証はひとりじゃできない?! ワークショップならではの音出し体験です。
アンサンブル編曲の思わぬむずかしさ、そして、思わぬ効果や歓び......。
教材制作の体験で得る新しい発見は、とても大切なことにつながっていきます。
「連弾」「編曲」はもとより、「指導」「音楽」の真髄に迫ります。
プロフィール◎ 作・編曲家。東京芸術大学作曲科卒。舞台、映像、イベントの音楽制作や、出版のための作編曲、執筆、CD・音楽ソフトのプロデュースなどを数多く手がける。
【GoogleAdsense】