ロバート・レヴィン Robert Levin
ピアニスト ロバート・レヴィンの名は広く、欧米およびアジアに知られており、ウィーン、ベルリン、ボストン、シカゴ、クリーブランド、モントリオールの各オーケストラ、および、小澤征爾、ラトル、ハイティンク、マリナーといった主要な指揮者と共演している。ピリオド楽器奏者としては、エンシェント室内管弦楽団、オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック、ロンドン・クラシカル・プレイヤーズ、エイジ・オブ・エンライトメント管弦楽団等の主要団体で、ガーディナー、ホグウッド、マッケラス、ノリントンと共演しており、古典作品における即興的なカデンツァ演奏でも高い評価を得る。アルヒーフ、デッカ、グラモフォン、ソニー・クラシカルより、モーツァルトのピアノ協奏曲選集、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集、J.S.バッハのハープシコード協奏曲全集、平均律クラヴィーア曲集(楽器を使い分けた)をはじめ多数の録音を発表、最近ではモーツァルトのソナタ全集第1集を2006年に発表した。近現代作品の解釈や室内楽奏者としても定評があり、特に、ヴィオラ奏者キム・カシュカシアンとの共演は永きにわたる。一方で彼は国際モーツァルテルム財団会員に名を連ね、音楽学者、モーツァルト関連文献の著者、編曲者としても活躍する。未完遺稿の完結版がベーレンライター、ブライトコプフ&ヘルテル、ウィーン原典版等から出版されている。特に、「レクイエム」(ヘンスラー社より出版)や「ハ短調ミサ」(カールス社より出版)の補筆、「4つの管楽器とオーケストラのための協奏交響曲」の編曲(ザルツブルクでウィーンフィルにより初演)は名高く、各地で演奏されている。現在、ハーバード大学人文学部教授。
土田英介 Eisuke Tsuchida
東京藝術大学音楽学部作曲科卒業、同大学院修了。第53回日本音楽コンクール作曲部門第1位(管弦楽曲)。第14回民音現代作曲音楽祭にて委嘱曲「交響的譚詩」が初演される。オーケストラ、室内楽、合唱、ピアノ、ヴァイオリン曲など多くの作品がある。横浜市の委嘱によって書かれた児童合唱組曲「あしたへ」は、大友直人指揮神奈川フィルと横浜在住の小学生により演奏された。ヴァイオリン協奏曲は戸田弥生(Vn)十束尚宏指揮札響、漆原啓子(Vn)小松一彦指揮新日本フィルに、また管弦楽曲「光陰の空間から~オーケストラのための~」は、ソウル、上海、ハノイにおいて演奏され共に高い評価を受けた。演奏時間40分の長大なピアノ・ソナタは、CD「泊真美子2大ピアノ・ソナタを弾く」に収録され、毎日新聞紙上で絶賛され、レコード芸術誌特選にも選ばれた。
ピアニストとしての活動は多岐に亘り、山下一史指揮による東フィル、飯森範親指揮による東響、戸田弥生、三上明子、兎束俊之、瀬山詠子、三界秀実、崔文珠、アダルベルト・スコチッチ等、国内外の一流アーティストとの共演やCD録音、新作発表初演、新国立劇場等での劇伴奏など、多彩な活動を繰り広げている。著書としては「バッハ平均律クラヴィーア曲集第1巻~演奏のための分析ノート1・2」(音楽之友社)がある。
現在、東京音楽大学ピアノ科教授、東京藝術大学作曲科、桐朋学園大学作曲理論科、仁愛女子短期大学音楽科非常勤講師等を務め、意欲的な教育活動も行っている。