2019年12月9日(月)にヤマハミュージック岡山店 サロンホールにて池川 礼子先生をお招きし、「音色にこだわるピアノ指導法 -音楽的にすらすら読める即読譜奏-」を開催いたしました。
池川先生は、前日の日本バッハコンクール岡山地区大会の審査員として来岡され、その時の感想を冒頭にお話しされました。このコンクールではポリフォニーの作品を学習するので、耳づくり、神経づくりをし、両方の音を聴き両手とも歌える指づくりをするのを目指されています。
今日のセミナーでは、「音色にこだわる」という事で、先ず一つの音が綺麗な音を出せるかが前提になり、その個々の音が繋がって行き、一つのフレーズが歌えるようになって欲しいと言われました。その綺麗な音を出すための三つの条件は、①出せる指を作る ②出したい気持ちを作る ③出せる余裕を作る だと言われ、それにはどのような指導をしていけば良いかのヒントを頂いた気持ちがしました。楽譜が読めて正しく弾けるようになると、次に無味乾燥な演奏ではなくて心のこもったこだわった演奏を目指して欲しいと話されました。
その後、楽譜がすらすら読めて弾ける『即読譜奏』という言葉の説明がありました。これは先生が考えられた言葉で、速く読むの速読ではなくて、「すぐに読めたら、すぐに弾く」という意味です。この『即読譜奏』が出来ることによって、曲に対して余裕も生まれ、表現もし易くなります。メロディーは、統計的に2度3度の進行だけで約90%、残り10%が4度以上の跳躍になっているようです。それを踏まえて楽譜を読んで行くと、楽に読めそうな気がしました。
そして「簡単な曲から表現力を身につけることを意識しよう」という事で、バスティン ベーシックス ピアノ1の曲の中から具体的にどんなことに注意して弾いたら良いかのレクチャーがありました。「表現のためのスラー」や、「形式を知る」という事も、豊かな表現力のためには不可欠な事であり、どちらも音色づくりにつながっていきます。
最後は時間が押してしまい、レジュメの中に書かれていた「ペダルによる音色づくり」「作曲家からのメッセージを見逃さず、表現につなげる」について聞けなかったのは残念でした。またの機会がありましたら、その辺りについての話が聞きたいと思いました。