2019年9月18日(水)に岡山シンフォニーホール 3F イベントホールにて石井 なをみ先生をお招きし、「バッハコンクール課題曲セミナー」を開催いたしました。
幼児部門から中学生部門のJ.S.バッハの定番曲以外の全曲の解説をされました。一曲ずつ説明を進めていく中で、音楽に不可欠な真髄のようなもの、一曲を仕上げるに当たっての練習方法などを折々に盛り込んで話されました。印象深かった点を箇条書きにまとめました。
・弾き手が聴いていない音は、聞き手にも聴いていないことが分かる。特に長く伸びている音を聴き続けるのは難しいので、年少の時から気を付けるように指導する。
・左右それぞれの独立している声部が動いている曲では、メロディをそれぞれよく聴いて左右が会話しているように弾く。
・リズムには重い、軽いがある。例えば4拍子の曲で、強・弱・中強・弱拍と言われているが、実際には重い・軽い・中ぐらいに重い・軽いと感じるべきだ。特に、欧米人はアップビートを感じているが、日本人は全てダウンビートになり易い。その為、棒弾き、べた弾きの音楽にならないように。音楽のイントネーションが大切だ。
・アーティキュレーションを付ける前にレガートで弾きフレーズ感を掴み、その後それを付けると、無味乾燥な音の羅列にならない。そして切ることが最優先にならないように、いつもフレージングが大切だ。
・アーティキュレーションの工夫が出来たら、自分の意思のはっきりした自信のある演奏を心がける。
・題名からイメージを持ち、どんな音が良いかの感性を持って弾く。調性から来る音のイメージも同じように。
・実際の練習方法としては、弾きにくい箇所をどの様にさらっていくか、本番の日までどの様に練習計画を立てるか、その辺りの具体的な事例。
以上のような話を曲の間に盛り込みながら、時には生徒たちの「あるある演奏」を織り交ぜて笑いも出て来るとても分かり易いセミナーでした。